飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

【モンゴル乗馬ツアー】 ツォクトモンゴル乗馬ツアー 参加の記録とススメ

 

 

去年の夏は大人気ドラマVIVANTもあり、モンゴルの美しい景色が地上波でも流れた。

今年あたり、モンゴルを訪れたいと思っている人も多いのではないだろうか。

 

去年、僕は当時婚約者のマオ氏とモンゴルでの乗馬ツアー(4泊5日)参加したが、非常におすすめな内容だったので、レビューと説明をしておこうと思う。

もし参加を検討している人がいれば参考になれば幸いだ。

 

◎ツアー申込先

ツォクトモンゴル乗馬ツアー

mongol-jyouba-gakkou.com

 

上記リンクからHPに飛べる。予約はメールで行いました。

自分たちの用意できる日程と申し込みたいツアー内容を記載したメールを送ると、担当者から次の日には連絡が返ってきた。

このメール含め、ツアー中のやり取りは全て日本語でできるため安心して欲しい。

 

僕達が申し込んだのは星空乗馬ツアー。

月の条件を見ながら日程を決めたことで、夜には空一面の星空を楽しむことができた。

間違いなく僕の中で一番綺麗な星空キャンプだった。





◎料金

規定の料金が決まっており、オプションや時期によって少し変動がある。

申し込み完了の前に見積もりを確認できるので、詳細を聞いてみると良い。

 

僕達の場合は、4泊5日のツアーで、繁忙期手当がついて130,000円/人

 

但し、日程を他のツアーグループに合わせたため値引きになり、最終120,000円になった。20,000円を前金として支払い、ツアー当日現地で残りの100,000を現金で支払う。これは円決済で行いました。

航空券は上記価格には入っていないので、トータルでいうと22〜3万円だったと思う。

 

ツアー内では基本的にお金はかからないが、ビールやお酒、飲み物類は追加で購入できる。

全て日本円決済可能のため、ツアー参加するだけなら現地通貨のモンゴルトゥグルグを持つ必要はない。

 

◎日程

関空からは週に2回直行便が飛んでいます。

ツアーによって異なるが、僕達の場合は以下の通り。

 

0日目 関空発、夜ウランバートル着(空港近くのホテルに宿泊)

1日目 ウランバートル市内ピックアップ、ツーリストゲル移動、受付

2日目 乗馬練習、ツアー開始、キャンプ泊

3日目 ツアー、キャンプ泊

4日目 ツアー、ツーリストゲル泊

5日目 空港送迎

 

1日目は飛行機の都合上時間が余ったため、ウランバートル市内観光を行い、その後日本大使館前でピックアップしてもらった。

ウランバートル市内は見所が分散しているので、タクシー使ったほうが吉です。

ちなみに、交通マナーは僕の住んでいる堺市の100倍悪い。

 

◎食事

1日ご飯は3食出るため、1日目の夜と5日目の朝含め、11食出る。

量は申し分なく、人より沢山食べる僕でも腹パンになるくらい出てくるのでご安心を。

これは朝ごはんの様子。この他にもクッキーやパン、紅茶は取り放題。

 

注意して欲しいのは、羊肉と馬乳酒について。

これはモンゴルの料理全てに言えることだが、全てが暴力的な羊肉味に汚染されているため、苦手な人は要注意。普通にジンギスカン好きな僕も、途中ダウンしそうになった。

ホルホグの様子。全てが羊肉の味になる。とはいえ、特に対策はない。

 

あとは、ツアーの途中で遊牧民のゲルに寄って振る舞われる馬乳酒。

これはカルピスの祖先とも言われている乳酸菌飲料らしいが、飲み過ぎるとお腹が爆発します。マジで。飲む方は自己責任で、どうぞ。

 

心配な人は正露丸を買っていくといいと思う。空港でも売ってるし、効きも早い。

(僕は二日ほど爆発したままでした。)

 

◎宿泊場所

キャンプとツーリストゲルの2種類あります。

キャンプは草原の中にテントを張り、寝袋で宿泊します。

テントや寝具の必要なものは全て車で運んでくれるため、特に必要なものはありませんが、お風呂、シャワーは一切ありません。

乾燥してるからそこまで必要とも感じないかもしれませんが、携帯用化粧落としとウェットシートを持って行くとテントの中でスッキリできるので吉です。

まさに大草原の中で自然と一体になれる。トイレ?見える範囲が全てトイレですよ(これもマジ)

 

ツーリストゲルは宿泊場所がゲルになっており、wifi、シャワー、トイレが付いています。

ゲルの中には暖炉もあり、非常に居心地が良い。特に申し分のない設備でした。

 

 

◎持ち物

HPにも記載しているが、基本的にはキャンプ泊できる持ち物を宿泊数分持っていけば良い。

その中でも、持っていって役立ったものを以下に記載します。

 

・日焼け止め、サングラス、帽子、UPF記載の衣服

 

全て日焼け止め対策。モンゴルは草原が広がっておりそこを馬で走るわけだが、日陰は少ないので常にレーザービームのような太陽光を浴び続ける。

肌が弱い人は、絶対の対策を行った方が良い。特に忘れがちなのが首と唇

パキパキに割れ悲惨なことになります。

 

・自転車用パッド

馬の背骨は想像以上に硬く、背中に乗っていると非常にお尻が痛くなってくる。

安物でも良いので、自転車用のサイクリングパッドがあるとだいぶ楽になる。

僕が持って行ったのはfinetrackのオールロードショーツ

パンツ型サイクリングパッドで、パッド以外がメッシュになっているので洗っても乾きやすい。

 

・薬系

やはり海外なので、日本から持って行った方が無難。

あってよかったのは整腸剤と軟膏です。

現地で羊肉と馬乳酒の暴力から救ってくれたのは正露丸ビオフェルミン、乗馬中の摩擦でただれたお尻を救ってくれたのは擦り傷系に効く軟膏でした。

 

 

・ドライシャンプー

乾燥しているとはいえ、何日もシャワーしていないと少し気持ちが悪いため、ドライシャンプーがあると超便利。僕たちの時は他に持ってきている人がいなかったため、大人気でした。

同時に、ウェットティッシュがあると体もふけるほか、青空トイレではウォシュレットの代わりになります。

 

最後に

 

乗馬ツアーは想像していた以上に感動があり、今でも思い返す情景が多い。

特に大草原の中を馬の背中に揺られて進むあの光景はなんとも変え難いものです。

進む先には何もない。それが良い。


この記事を読んでくれた方が少しでも乗馬ツアーやモンゴルに興味を持ってくれると嬉しい。

当時の様子等、赤裸々にそのまま記事に書いていますので、よかったらそちらもどうぞ。

 

remaker314.hatenablog.com

 

 

 

BSC(ベーシックセイフティキャンプ)雪崩講習の学び

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時はたち冬になり、JAN(日本雪崩ネットワーク)の主催する雪崩講習会、ベーシックセイフティキャンプ(通称BSC)に参加してきました。

 

雪崩講習会とは名前の通り、雪崩について学び、雪崩を回避するための勉強会です。

僕はほんの少しだけバックカントリースノーボードをするのですが、いまいち知識がなく、斜面を見ても『凄い気持ちよさそう、早く滑りたい』以外の感想がありませんでした。

 

実を言うと、かれこれ5.6年ほどこの状態で山に入っており、ガイドツアーなどでアバランチギアの使い方は分かっているものの、山に対しての解像度が低いまま気持ちよくなっていました。

 

最近結婚したことを機に、なんとなくの感覚はとても恐ろしい事なのではないか?と急に怖くなり、今回受講した次第です。が、今回の講習はそんな僕みたいなパウダーゴリラさん向けにとてもお勧めしたい内容だったので、(僕の備忘録としても)文章にまとめておきます。

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基本的な概念

雪崩に絶対はない。

どんなに雪崩危険地帯でも雪崩ないこともあるし、安全日と言われても崩れることはある。

 

とはいえ、そんな事は分かってるのでどうすれば良いかと言うと、雪崩に遭うリスクを下げる努力をする必要がある。

 

雪崩のリスクとは地形×人の行動×積雪条件の数式で表せる。このリスクをできる限り減らす事で、雪崩に遭う可能性を下げることができる。

 

◯ではどうするべきか?

積雪条件については、正直に言うと非常に予測が困難である。全体の傾向は掴めても、一つの斜面内で無数の条件が存在する。

 

地形の把握人の行動、僕がまず覚えるべきはこの二つ。この二つを意識に染み込ませる。

 

地形の把握とは、どこで雪崩が発生しやすいか(発生区)を中心に考える。発生しやすいのは斜度(30-45°)、地形(凸状)が関係し、地形の罠がある事で深刻化する。上記3点を踏まえ、避けるべき場所を把握する。

 

人の行動とは、避けるべきとはいってもBCに行く上で危険地帯を通らないというのは稀なので、危険地帯に晒される時間と人数をコントロールする。例えば滑る際に一人ずつ滑る、や雪崩地形の下を通る際は15mほど間隔を空けて素早く通る、等。

 

次に、滑る前までにやっておく事だ。

上記した地形×人の行動×積雪条件は雪崩に遭わない為のジグソーパズルみたいなもので、そのピースを集めておく必要がある。

 

集める内容は以下の通り。

上から順に、優先度が高い。

①直接証拠

②積雪データ

③気象データ

 

実際の動きとしては、①入山前 ②入山中 ③入山後 の3つに分かれると思う。

 

入山前

これまで僕は積雪情報だけを見て、どこが良いか、という判断をしていた。今後は以下の情報を集めるようと思う。

②積雪データ③気象データ(過去〜現在〜予報)を見て、積層のイメージを作る。

雪の掲示日本雪崩ネットワーク

:積雪層を見る

マウンテンフォーキャスト:これまでとこれからの気象の傾向を見る

JAN雪崩情報:総括的に雪崩危険度を見る

 

ルート:国土地理院の地形図の傾斜表を使い、雪崩が起きそうな地形を把握する。

 

入山中

①直接証拠 を集める。

直接証拠とは、自分が見た一次情報のことで、気にするべき点は以下。

・雪崩が起きていないか?(標高と、どの向きで、どの斜度で、どんな種類で、どんな要因で)

・雪の様子はどうか?(フットペン、プローブ観測、スキーカットで予想通りの積雪になっているかどうか)

・風の状況はどうか?(雪庇や風紋、雪煙によってウインドスラブの形成状況を予想)

 

入山後

・雪の様子を記録(雪崩があったとしたら、どんな雪崩が、5W 1Hで起きるかを想像)

・雪崩目撃or誘発があれば、#nadare2024 で投稿

 

最後に

これは僕が後から読んでも思い返せる様にわざと簡略化して書いている。ので、BSCではもっとしっかりした内容を習うので安心してほしい。実際、ピットチェックや複数人(ビーコン無し含む)埋没の捜索を実際の山で行うし、みっちりと2日間座学と演習で勉強漬けになる。

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とはいえ、BSCに参加したから何かができる様になったわけではない。学んだことを体に染み込ませる為に、日頃から試行錯誤して、雪山に通い答え合わせをしなくてはならない。(僕はそもそも試行回数が少ない)

そして大事な事は、雪崩に絶対はないということ。

 

僕達はとんでもなく危険で野蛮で愚かな遊びをしている。しかし、その末に当てた優勝確実なガンギマリパウダーは、メモリアルなライディングになりそれこそ何十年経っても色褪せない素晴らしい人生の記憶の一つになると思うのだ。

 

もっと気になった方はこちらへ。ぜひ、雪山でお会いしましょう。

日本雪崩ネットワーク

 

【モンゴル乗馬ツアー】ツォクトさんちのお馬さん vol.3

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連日満天の星空を見ている為、若干の寝不足気味で起床。とはいえ、ツアーの朝は非常にゆっくりで、お茶やコーヒーを飲みながらゆっくりと頭と体を起こしていく。

よく飲んでいたブルーベリーティーはモンゴルの特産らしく、草原でもよく育つという。

朝ごはんのプレートも彩り豊かで見ていて嬉しくなる。

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珍しく少し曇り気味で出発。f:id:remaker314:20230914101741j:image

これまで道より開けた場所が多いので、駆け足の練習をした。

馬の走る速度には僕の知る限り四段階(並足、早足、駆け足、襲歩)あり、駆け足は2番目に早い歩法になる。

早足は人間でいうジョギング、駆け足はランニング、襲歩ダッシュのような感じで、早くなればなるほど馬の背中は揺れ、お尻を浮かせる必要がある。

このお尻を浮かせる姿勢はいわば空気椅子みたいなものなので、太ももの筋肉がかなり使われて、段々辛くなってくる。

そして我慢できずにお尻を馬の背中に下ろすと……走る衝撃がお尻に直撃し、非常に悲惨なことになる。

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僕は普段から自転車やスノーボードなどで足を使う事が多いからそこまで辛くなかったが、普段運動しない人はスクワット等やっておくと良いかもしれない。


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途中、遊牧民の方のゲルに立ち寄り馬乳酒を頂く。

お茶飲んでかない?みたいなノリでお酒が出てくるのは面白い文化だが、小学生くらいの子供もごくごく飲んでいるのであまり違和感はない。

僕は初日に胃袋大爆発していた為少しだけにしたが、何も気にせずガブガブ飲んでいたマオ氏もこのあと大爆発していた。


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馬乳酒の他に、チーズを作るところも見せてもらった。馬乳は牛乳に比べて酸味を感じることも多く、チーズも通常売られているものよりかなり癖があるが、非常に栄養価が高いそうだ。

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昼ごはんを食べたあと、僕達は別行動となる。

ツォクトモンゴル乗馬ツアーではいくつか日程を用意しており、僕達は4泊5日で申し込みをしていた。但し、ツアーの参加者が全て同じ日程ではなく、あらゆる日程を組み合わせながら合流と離散を繰り返していく。

短い間だったが他の参加者と話す機会も非常に多く、そもそもモンゴルに来ている時点で海外旅行に慣れている経験豊富な人が多く、学びの多い時間だった。
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専属ガイドのビルゲイさんとも話す機会が多かった。日本に在住経験のある彼は細かいニュアンスの日本語もよく知っており、モンゴル人目線の話を分かりやすく話してくれるので、非常に頼もしい。

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彼の話で印象に残っているのは、日本とモンゴルの領地の違いだ。日本にはモンゴルのように何もない広大な草原や隅々まで見える星空はあまり多くない。土地という観点で言うと、どこに行っても人が多く忙しない日本に比べて少し羨ましく思う。

但し、日本には海がある。

海では魚介類の食料資源が取れる他、サーフィン、釣りのようなアクティビティも盛んだし、綺麗な海はそれだけで観光資源にもなり得る。

領海を含めると日本はモンゴルよりも広くなり、面積的も優位になる。海のないモンゴルから見た日本は、僕が思っている以上に魅力的な場所なのかもしれない。


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佇むアシモ

彼ともここでお別れになる。

結局僕に懐くようなことはあまり無く、常にマイペースだった。帰りに別の馬に乗ると、驚くほど乗りやすく、従順で、よく走った。しかしその馬に乗ってると、一筋縄ではいかないアシモが恋しくなってくるから不思議だ。f:id:remaker314:20230914122604j:image
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ツォクトさんの家では、現在100頭ほど馬を飼っている。そのうち、競走馬やまだ躾が済んでおらず乗れない馬を除くと、ツアーに連れて行ける馬は20頭ほどしかいないらしい。

それだけ初心者に乗せても問題ないよう躾をするには、とてつもない時間がかかるのかもしれない。それゆえ、遊牧民と馬の間には、絶対的な信頼顔がある。

遊牧民は馬には名前をつけないという。

それは、日本の動物に対する愛玩的視点ではなく、あくまで自然の一部と見做しているからではないだろうか。遊牧民という大きな群れの中の、馬と人の関係。お互いに個で判別することはないが、長年寄り添い、支え合う。ゆえに名前をつけない。

もしくは、単純に馬が多すぎて名前をつけてられないのかもしれないが。f:id:remaker314:20230914122600j:image

 

馬が遊牧民を見る目は、安堵と温和に満ちている。彼らのような関係のあり方を僕は初めて知り、少し羨ましく感じる。
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ツアーの最終日は一日目の夜に泊まったツーリストゲルに泊まり、シャワーとベッド、そして冷えたビールを楽しむ事ができる。次の日はそのまま空港まで送ってもらい、僕達は韓国へ向かった。

 

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日本に帰国し、また忙しい生活が戻ってきた。

太陽が昇るのと同じくらいに家を出て、日が沈んでから家に帰る。なんて事ない日常だが、ふとした瞬間に、青々とした草原を気持ちよさそうに駆けているアシモの姿が脳裏によぎる。

まさしく、あれは自由の姿だった。

 

相方のマオ氏とは、またモンゴルに行きたいね、と話している。その"また"が来るのは、意外と早いのかもしれない。

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〜モンゴル乗馬ツアー編終了〜

【モンゴル乗馬ツアー】 ツォクトさんちのお馬さん vol.2

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ユーラシア大陸の内陸に位置するモンゴルでは寒暖差が激しく、昼間は30℃近くまで気温が上がるが夜は10度前後まで冷え込む。

その気温差は大量の夜露と結露を発生させる為、乾燥している割に外で衣服を干すことはできない。

結果、昨日自分たちが着た服や下着に囲まれながらの起床になる。

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気分はあまり良くないが、今日も天気は素晴らしい。夏の間、雨が降ることは稀なんだそう。

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朝ごはんを食べ、テントを片したら出発。

今日のアシモは昨日に比べて転ぶことが少なく、足取りも軽く、僕の指示をよく聞いてくれる。

2日目にして懐いてくれたのかと思っていたが、次第に機嫌が悪くなり、他の馬を蹴り始めた。

どうやら、朝の涼しい時間で腹も満たされていたからのようだ。

荒れ始めたアシモは他の馬と距離を取るようにして、群れから離れて歩くようになった。

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馬に乗るまでは勝手に歩いてくれる便利な動物という印象が強かったが、馬は馬で感情があり、一筋縄ではいかない。

ツアー客のような初心者の場合は舐められる事も多く、言う事を聞かない場合も多いらしい。

アシモはまだ指示を出すと従ってくれるが、歩くのが遅かったり、すぐ道草を食べたりと非常にマイペースな馬だ。それは決して悪いわけではなく、馬に揺られる旅とはそういうものなのだと思う。

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タマガヌンウンドゥル山を超え、昼は開けた場所でご飯を頂く。

 

米粉の焼きそばのようなものを出されたが、なかなか喉を通りにくい。

昨日の馬乳酒による消化機能の爆発を少し引きずっているのと、正直マトンのクセが段々嫌になってきていた。

 

モンゴルの味付けは基本的に塩のみで、香辛料はほとんど使用しないことが多いらしい。

そうなるとメイン肉である羊が味の根幹になることが多く、料理が全て羊味になる。

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また、飲み物も朝に500mlもらえる水以外、全て暖かい茶、コーヒーのどちらかしか無料では飲むことができない。

日差しは暑く乾燥しているので冷たい水をガブガブと飲みたいところだが、水を大量に取ると汗を多くかき結局喉が渇いてしまう為、暖かい飲み物しか提供しないらしい。

遊牧民の無駄にしない考え方がツアーにも自然に溶け込んでいるのがよくわかるが、今はとにかく、お腹を壊しても馬乳酒のように冷えた炭酸の飲み物が欲しいと思う。

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この日は山頂にテントを貼り、昨日のホルホグの残りを使ってお粥を作ってくれた。暖かさと米が体に染みる。食文化というのは偉大で、食べ慣れたものが出てくるだけでほっと安心する。

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この日も星空を眺め、流星群を沢山見ることができた。

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【モンゴル乗馬ツアー】 ツォクトさんちのお馬さん vol.1

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ゲルの中は気密性が高いようで通気性は良く、丁度良い塩梅の気温を保ってくれる。天井には天窓が着いており、朝日の訪れをやんわりと伝えてくれる。日本で電子音に叩き起こされる生活と比べるとかなり健康的で気分も良い。

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扉を開けると、昨日の夜見えなかった大草原が広がっていた。

 

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なんて気持ちが良いのだろう。

朝ご飯にはパン、紅茶のほかにハム、卵、フルーツ、サラダの乗ったプレートも出してもらえた。
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今日は午前中に馬と対面、午後から馬で移動となるが、ツアーの前に他のお客さんがオーダーした羊の解体ショーを見ることができた。

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解体ショーと書いているが、決して華やかなものではなく、遊牧民のスタイルで羊を絶命させ、解体していく姿を粛々と見守る。

てっきり日本の罠猟のように、首の動脈を切って血抜きをするのかと思っていたが、モンゴルスタイルでは血抜きをせず、腹に腕一本分入るだけの切り口を作り、腕をそのまま入れ、心臓の弁を引きちぎる。

 

そうする事で血が体の外に出ず、無駄にしないどころか羊にとっても1番苦しまない方法らしい。

 

絶命した後は可食部と不可食部に分けてタライに入れていく。

血は可食部になり、腸を綺麗にした後、詰めてソーセージにする。

 

毛から肉、皮まで、余す所無く利用するのは遊牧民としての無駄の無さを追求した結果か、もしくは生命への感謝の表れだろうか。

 

勿論、解体された羊肉はツアー客に振る舞われ、僕達もそのおこぼれを頂くことができた。

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馬はガイドに選んでもらい、体格と性格の合う馬をあてがってもらった。

僕は恐らくツアー客の中でも大きく重い方だったため、かなり大柄な馬が選ばれた。

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意外なことに、馬には名前がないらしい。

僕の乗った馬は非常に足元が怪しく、すぐに転げそうになる為、『足元をもっとよく見て欲しい』と思い、アシモと名付けた。

不思議なことに名前をつけた途端に転ばなくなったが、足元の草に夢中になり、道草をよく食うようになってしまった。

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操馬方法はトゥ、と言って馬の腹を脚で蹴るとアクセルの意味になる。

止まる時は手綱を引き、曲がりたい時は曲がる方向に手綱を引っ張る。

加速したい時はさらにトゥと言えば良い。

至って簡単な動作だ。

 

ちなみに、馬に乗るまで馬の扱い方は教わっていない。全て進みながら学んでいく、まさに実践あるのみのスタイル。

何も知らずに、トゥと言い過ぎると馬も自分もよく分からないうちに全速力で駆けてしまう。

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午後からはゲルを離れ、山の中に入っていく。

荷物は全てツアーの車が持ってくれるため、撮影機材だけ持てばよい。

ゲルの周りの景色でも感動していたが、更に離れると人工物が極端に減り、まるでオープンワールドの世界の中に入ったかのような感覚になる。

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たまに出てくる電柱は新しく作られたのだろうか、まだ電線が通っていない。それがまるで大きな十字架に見え、遠い昔に滅んだ文化遺産を巡っているかのよう。

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馬の背中から見える景色はこれまでとはまた違う、風と地形の流れを感じらことができるものだった。

速度と馬の背中から伝わる振動がマッチして、まるで自分が大きな動物になって歩いているような気になる。

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途中に寄った遊牧民のゲルでは、馬の乳を醗酵させて作る馬乳酒を頂いた。馬乳酒は牛の胃袋で作った袋で常温醗酵させて作る、カルピスの祖先と言われている飲み物。袋の中には発酵を促す菌が常駐しており、継ぎ足しで作り続けている。まるで老舗のラーメン屋のような方法。

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夏の間はこれだけ飲んで過ごす人もいるほど栄養価が高いらしい。

 

ちなみに、酒と名前につくだけあって、アルコールは1〜2%含まれている。微発泡で飲みやすいのでゴクゴク飲んでいると、ほろ酔い気分になってくる。

遊牧民の方達は、小さな子供から老人までごくごく飲んでいた。モンゴルの人達が酒豪というのは単に中国、ロシアの酒豪大国に挟まれているだけでは無く、小さい頃からの英才教育の賜物なのかもしれない。

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ゲルを後にし、宿泊場所に到着。

泊まるところは山合いの開けた場所で、テントはスタッフの方が建ててくれる。

 

夕食は本日捌いた羊肉でホルホグを振る舞ってくれた。

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日本で食べるラム(生後12ヶ月以内の羊肉)とは違い、非常に硬い歯応えと独特のクセがある。

聞いてみると、モンゴルではラムはあまり食べられないそう。

理由は、どうせなら長く生きて欲しいから。

人間は他の危険な動物から守り、美味しい草が生えている所を提供する代わりに、羊は毛や肉を提供する。遊牧民の思想が食事にも反映されているのだと思うと、学びが非常に多い。

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しかし肉はやはり硬い。

僕の顎が筋肉痛になるのはそう遠くなかった。

 

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この日は数日後に新月を控えており、ペルセウス座流星群のピークにも近い。ペルセウス座がどこかは全く知らないが、昨日の夜雨が降った為塵も少なく、僕史上最高の星空を見ることができた。

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マオ氏とのツーショット。

 

ちなみに、星を眺めている時、ぼくの胃袋は爆発した。

勿論、昼間にごくごくと飲んだ馬乳酒の影響かと思われる。

馬乳酒はカルピスの元祖になったとも言われる乳酸飲料であるが、それ以前に常温醗酵、常温保存しているローカルドリンクである。

胃が強くない僕はツアーグループの中でもいの一番にお腹を下し、満天の星空の元、トイレを求め草原を駆けるのだった。

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(ちなみに現地の人もよくお腹を下すらしく、これを『腸が綺麗になる』と言い、良いことと捉えているようだった)

【モンゴル乗馬ツアー】 ツォクトさんちのお馬さん vol.0

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モンゴルと聞いて、思い浮かべるのはどんなイメージだろうか。

どこまでも広がる草原、生活感を感じられるゲルと遊牧民、そしてのびのびと走る馬…

 

僕の中でのモンゴルはそんな感じだった。寧ろ、それ以外にない。なんなら行ったあとですら、それ以外記憶にない。

 

近いようで遠い気がする国。

 

そんなところだが、日本に帰国したあともふと惹きつける強い引力のような魅力がある。

強くおすすめするので、興味がある人にはぜひ行ってもらいたいと思う。

 

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もともと、婚約者であるマオ氏と夏休みに何をするか相談し、コロナも収まったことだし海外旅行に行きたいねという話になった。

問題は、どこで、どんな手段で旅行するか、だ。

 

僕は海外を自転車で回るのが好きだ。

とはいえそれを彼女に強制するわけにはいかない。

 

車移動以外で、安全と楽しさを両立できる移動手段は何かないか…と考えているうちに、馬に乗ることを思いついた。

 

馬なら体力が無くても乗れそう()だし、五感でモンゴルの風を感じることができる。

 

色々調べた結果、馬に乗りながら遊牧民のゲルを周り、星空の元テント泊するツアーを見つけた。その名をツォクトモンゴル乗馬ツアー。

モンゴル乗馬ツアー | 現地旅行会社 | ツォクトモンゴル乗馬ツアー

 

 

ちなみに、乗馬が楽そうとは書いたが、僕たちは一切乗馬をしたことが無い。

このキャンプは風呂無し、電源無し、ベット無し生活で数日間過ごすことになる。

果たして馬は言うことを聞いてくれるのか、マオ氏はアナログ生活を楽しめるのか、体(お尻)は無事なのか…

 

不安と希望とお尻防御用のサイクルパッドを持って、そっと申し込みボタンを押したのは5月のことだった。

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ウランバートル空港に着いたのは夜の23時。日本からは現在成田と関空から直行便が飛んでいる。

通常であれば、空港に到着した時点でツアーのピックアップがあるが、僕達は安い航空券を求めて一日早くモンゴルに入る。

その為、1日目は空港近くのホテルにチェックインし、2日目にウランバートル市内を観光してから乗馬ツアーに参加した。

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ホテルの窓からの景色。

着いた時は夜で分からなかったが、明るくなるとモンゴルの夏の景色が広がっていて感動した。

 


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時間があったのでナラントゥル市場を訪れた。

日用品からゲルの材料まで手に入るといわれるほど、様々なものを雑多に販売している。

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民族衣装のデールもかなり大量に置いてある。

ちなみに、基本的には値札がついていない商品がほとんど。

28万トゥグルグ(1万2千円ほど)と言われ、最初はふっかけられてると思ったが、後から聞くと意外と正規の価格だった。現地の人も普段からよく着用しているのを見かける。


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モンゴルの議会議事堂前広場。

英雄チンギスハン像が入り口に鎮座しており、地域の人からの信仰を実感できる。

有名なドラマVIVANTでちょくちょく出てくる。

 

市内をぐるっと見た後、日本大使館の前でピックアップしてもらった。

 

ドライバーのアビーさんは現地の方だが、3年ほど日本に住んでいた事があり、日本語が話せるので安心。

なにしろ、モンゴル語は読むことができなければ話すこともできず、レストランで注文するのにもGoogle翻訳が欠かせない。

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余談だが、モンゴルではトヨタ車が人気で、中でも旧世代のプリウスが非常に多い。

 

アビーさんの車もプリウスで、理由を聞いてみると燃費が良いからだそう。

そりゃそうだと思うが、ロシアから燃料供給を受けているモンゴルは、昨今の情勢からガソリン価格高騰がめざましく、かなり切羽詰まった状況らしい。

加えて電車が走っていないので必然的に車移動が多くなる。燃費=ランニングコストに直結するのだ。

 

しかし面白いのが、カーナビに映っているのは日本語なのである。

恐らく日本からの中古輸入車がそのまま売られているのだと思うが、勿論カーナビにはモンゴル語は入っていないから、そのまま使うしかない。

アビーさん曰く、モンゴル人は日本語が分からない人が多いが、カーナビの中の日本語は全員が知っているとの事だった。

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そうこうしているうちに、ツーリストゲルに到着。

こんなにも広い空を見たのはいつぶりだろう。

丁度夕日が水平線に沈んでいく姿を見ることができた。

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夕ご飯も美味しそう。

シンプルな味付けで好感が持てる。

このツアーでは三食準備してもらえる為、気が楽だ。

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明日から念願の馬ライフが始まると思うとワクワクする。

知らない天井を見上げながら、明日への思いを馳せるのはとても好きな時間だ。

 

【ニュージーランド自転車釣り旅】 day.14 僕はニュージーランドを知らない

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昨日の夜、自転車がウ○コまみれになった挙句何も釣れなかったことで、僕達の釣り欲に火がついてしまい、朝から釣り場に向かう。

帰国日だろうともはや関係ない。

僕達はトラウトが釣りたいのだ。

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まさかの朝5時発。

朝食を済ませ、テントも撤収するから鬼の4時起きである。
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しかし、そういう殺気だっているときには魚も勘づくのか、全く釣れない。

そういうものかと諦め、自転車を走らせる。

 

ちなみに今日は80km走らなくてはいけない。

自転車走行というのは、パンクやスポーク、チェーン切れ等、突発的なハプニングがいつ発生するか予測不可能だ。

締め切りが決まっている場合、できるだけ上記のようなリスクを減らすため、走行距離を少なくしたり、宿からバスや電車で向かったりする。が、今回は釣りに脳内を支配され、そんか考えが吹き飛んでしまった。

 

一体、僕がサラリーマン生活で学んだリスク管理だの、先読み行動というのは何だったのか。かれこれ3年も働いているが、全く身についていない。

 

今できることは、せめてトラブルが起きないよう、慎重にペダルを進める事だけだ。

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途中からはwakatipu湖沿いの風光明媚な道を走る。

クイーンズタウン南の山をぐるっと回るような設定されているaround the mountainトレイルだが、このwakatipu湖周りの舗装路区間は車によるピックアップ推奨となっている。

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アップダウンは多少あるが、車の中から見るには惜しい景色が広がっている。

 

舗装路は自転車道だとみなされていないのか、それともこんな景色はニュージーにありふれているからわざわざ走るまでもないのか、少し疑問に思う。

こんなにも綺麗なのに。
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そうこうしているうちに、クイーンズタウンに到着。

懸念していたことは何も起こらず、本当にスムーズに着くことができた。

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あまりにもスムーズ過ぎて時間が余ったので、トレイルと釣りで遊ぶことに。


クイーンズタウン内にもトレイルは各所に敷き詰められており、街中とはいえ、こんなダイナミックな景色を見ることができる。
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もしニュージーランドに生まれていたら、この景色が当たり前になっていたのかもしれない。そう思うと、少し寂しいものがある。

 

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最後に投げたルアーは、今まで耐えていたものが切れるように、wakatipu湖に飛んでいってしまった。

湖を汚してしまったのは申し訳ないが、何だかスッキリして終えることができた。

もっと釣りをして、自転車で走りたいが、また来れば良い。

 

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自転車をダンボール箱に入れて出国手続きをする。

ダンボールはニュージーランド航空のカウンターで買うことができるため、非常に楽。

 

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行きのようにダッシュすることもなく、ゆったりと飛行機に乗り込むと、あっという間に空の中へ。

さっきまで見上げていた山々が、眼下に広がっている。

そこには、僕達が二週間で通ってきた道のりが確かにあった。
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あそこの坂きつかったな、あの道綺麗だったなと思い出が蘇る。

自転車旅行の良いところは、通った軌跡がそのまま轍となり、記憶に残ることだ。

街や道、山や出会った人、魚達が、全て旅を彩る思い出になりうる。

 

そうしてふと目線を上げると、全く知らない山々が飛び込んできた。

そしてそれは地平線までずっと続いている。
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ああ、僕はまだニュージーランドを何も知らないんだな、と思った。

僕達が通った、経験したのは本当にほんの一部で、まだまだ知らない場所がこんなにもある。

ニュージーランドに入国した時よりも、少し知識が増えた分、余計にニュージーランドの懐の深さを実感できるようになった。

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次に来れるのはいつだろうか?

そしてその時は誰と、どんな旅になるのだろうか?

今はまだ見当もつかない。

でも、今の自分には見当もつかないような旅を将来の自分にはしてもらいたい。f:id:remaker314:20230709185335j:image

不思議と夕闇は地平線のすぐ上を残り続け、その場所だけ時が止まっているようだった。

 

南には、サザンクロスが煌々と光り続けている。

明日から仕事に戻ることが信じられないが、不思議と憂鬱な気持ちはなかった。