飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

day.180 宝石の道⑩ 最後の宝石


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Agua thermal - Laguna Blanca

 

強い風と日光に晒され、遂に手がミイラのようになってしまいました。まだピチピチの20代の手だとは誰が思うだろうか。おはようございますやしまるです。

 
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面白いことに、この乾ききった手、水分欲しさのあまり温泉に入ると五分でしわしわになるんです。2ヶ月アンデスに潜った結果僕はスポンジの手を手に入れました。

 

とすごいどうでも良いことを発見しながら今日も温泉に入ります。


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昨日は満点の星空を見上げながら入りましたが、今日は朝日を眺めながら浸かる!!

なんと贅沢な…!!

ほんとオアシスみたいなところです。

 
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しかし朝風呂には問題点が。

僕の体は温泉に入ることで完全にお休みモードになり、なんかすごいだるい_(┐「ε:)_

シュラフにくるまってお昼寝したい欲が爆発しそうになりました。

が!天気が良いので出発。

 

前半の分を取り戻すかのような最近の快晴続き。昨日ちょっとだけ雨が降ったので遠くまで見通せます。

 
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今日もチャリ日和だ〜と思いながら走っていると、後ろから見知った顔が。

 
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昨日温泉に三時間入りその後写真遊びをしたマサさんでした!!出発して1時間くらいで追いつかれるとは、やっぱバイク良いなぁ〜

 
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愛車を共に記念写真を撮り、夢もきいてみました。

 
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聞けばマサさん、バイク旅は今回の南米が初めてで、それまでは免許だけしか持ってなかったそう。

何か大きな事に挑戦したいと考え、コロンビアでバイクを購入。そして今は世界最南端都市ウシュアイアを目指すという超アクティブな人でした。

 

最近は、歳を取っても趣味を見つける事ができる事に気付き、色んな事にチャレンジし始めたんだとか。いくつになっても楽しむ心は忘れないようになりたいものです、ほんと。

でも、挑戦するだけではなく、普段の[生活]も大切にする。どっちも大事で、まだまだ学ぶことがあるなぁと感じます。

 

恐らく、パタゴニア辺りで再開出来るはず!

チャリとバイク、意外と共通点が多くて、話しててめちゃくちゃ楽しかったです!

また会えるのを楽しみにしてまーす!)^o^(

 
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マサさんはその後風のような速さで僕の視界から消えるのであった。やっぱバイクいいな……

 

今日は道の状態はこれまでの中でピカイチで、天気も良く走りやすいんですが、向かい風、こいつがダメだった。

珍しく午前中から風速30mを超え、砂を纏って行く手を阻む。

 
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風速30mを超えると、呼吸がしにくくなります。というか、顔にずっとドライヤー当てられてる感じ。息が吸えない。

 
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そして、トラックやツアー車が通ると砂が巻き上がり、それが全て風に乗って僕の元へ。

あっちは『イェーイ!!(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎』って手を振ってくれるんですが、僕はその砂を全て受け止めながら『イ、イエーイ…』とダメージを負う。

 

何だかんだ、タダでは通さないっていう宝石の道の意気込みを感じる。でもこっちだって負けてられない!辛くとも、足は止めない。時速1キロだろうが2キロだろうが進んでやる!

気づけば、今日のピーク、4700mを超えていました。

 
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そこからはブランカ湖まで15キロのダウンヒル。やっぱり宝石の道は晴れに限る。

障害はあるけれど、それを存分に上回る景色があるんです。

 
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そして、ブランカ湖横を通り、最後の湖、ヴェルデ湖へ。

 
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長かった宝石の道も、これで終わる、そう思うと涙が出そうになる。

 
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今までの事が、まるで昨日のことのように思い出され、それがキラキラと光り、体の中を駆け巡る。

 

辛かった。
本当に辛かった。

 

雹に振られながら登った坂があった。

 

砂に足を取られながら5時間自転車を押した日があった。

 

雨に打たれて、熱を出して寝込んだ日もあった。

 

10日間、腹痛と下痢に悩まされ続けた。 

 

些細なことで苛立ち、周りに当たってしまう日もあった。

 

全てがこれまでのどの苦痛よりも上回って、それを一人で受け止めるには涙なしではいられなかった。

 

だけど、通るたびに応援してくれるツアー車の人、心配してご飯を作ってくれるホテルのおばちゃん、本当に進めなくなった時助けてくれたおっちゃん、、、また沢山の人のお世話になった。

 

何より。まるで生まれたての地球を彷彿させるその原風景の数々は僕をいつでも奮い立たせてくれた。どんなに雨が降っても、あの晴れた時の姿を見ると、ここにきてよかったと本心から思えるのです。

 
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そして、最後の宝石、ヴェルデ湖にたどり着いた時、たったひとつ揺るぎない答えが心の中に出た。

 

僕は、辿り着いた。

あの辛い日々を超えて、ウユニから12日間かけて、僕は最後の宝石に辿り着くことができた。

 

強くなっただろうか。

成長できただろうか。

答えはまだ分からないけど、僕はやり遂げた。

これだけは決して変わらない事実だ。

何か、どっしりとした手応えを感じる。

 

これからきっと、もっと辛い事も出てくると思う。そんな時、この厳しくも美しい道がきっと僕を押してくれる。そう感じずにはいられないのでした。

 
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改めて、ここに来て本当に良かった。

今言いたい事を一つにまとめるとしたら、やっぱり『ありがとう』しかない。

宝石の道、ありがとう!!

 

走行距離45キロ