このルートは南米最難関と言えど、今まで沢山のサイクリストが挑み、突破してきたルートでもあるので非常に情報は多いのですが、雨季真っ只中に行ったという話はあまり聞いたことがないので、後続の自転車乗りのためになればとまとめを書いておきます。
あとは、一応1日ずつブログは更新しているのですが、路面状況や補給、宿泊場所について流れ上書ききれない部分もあるので、それらを抜き出して記載しておきまーす!
2/7 〜2/19
【ルート】
アロタ村から44キロの分岐を南下するルートを採用。その後コロラダ湖までは通常通り、その後はウトゥルンクを目指すため西へ。ケテナチコを通りコルパ湖を介して本線へ合流。その後は通常通り。ウユニからチリのアタカマまで、全行程13日の道中となった。
1日目《Uyuni - SanCristbal》90キロ
補給地点無し、風除けとなる建物はちらほら
路面状況:自転車に乗れます。途中、コルゲーションがひどい箇所あり
サンクリストバルにはホテルがいくつかありますが、なぜか満室の所が多く、四軒目でようやくテント泊させてもらえました。
2日目《San Cristbal - Alota 》60キロ
中間地点に集落あり。水は汲ませてもらえる。大きい建物もあったので、テント泊も可能かも。アロタでホテルに宿泊。30ボリ。
路面状況:良い。全区間乗れます。1日目より走りやすく、アップダウンも100mくらいの丘が一個あっただけ。
メルカドがあるのはサンクリストバルまで。アロタにも店はありますが、やってませんでした。サンクリで野菜、果物類を買うならメルカドの外の屋台の方が質も種類も良いです。メルカドの中の奴はほぼ腐りかけでした。
3日目《Alota - Laguna Hedionda》70キロ
宝石の道初日。エディオンダ湖のほとりにあるホテルにテントを張らせてもらう。アロタから10キロで奇岩地帯、20キロでレストラン、30キロで建物があり、テントを張るならそこで可能だと思う。アロタから44キロの地点で分岐を左に曲がる。ここは特に何も標識がないので注意。
路面状況:宝石の道に入るまでは、自転車に乗れる。分岐を曲がるとすぐに急傾斜の坂が始まり、がれ場になっていたので押した。その後、ピークを過ぎるとLaguna canapa まではほぼフラットか下りで乗れる。カニャパ湖を過ぎて、エディオンダ湖までの10キロは砂が深くなり、時々乗れなくなる。
分岐を曲がってからカニャパ湖までは2時間、カニャパ湖からエディオンダ湖までは1時間半ほどかかった。
補給はなし。頼めば、ホテルで水を貰えるらしい。僕は余裕があったので貰わなかった。
4日目《Laguna Hedionda- hotel tyka》40キロ
ホテルの横にテントを建てさせてもらった。この時期、雨は普通に降るのでスコールが来た時に逃げ込めるシェルターがあるのは心強い。
路面状況:エディオンダ湖からオンダ湖までは乗れるが一部川や段差で迂回を強いられる。自転車では通常のルートで行けないと考え、轍のないところを進んだ。
オンダ湖を過ぎて轍に合流したが、4700mのピークまではほぼ深砂で乗れない。10キロほど押して登ることとなった。途中分岐があるが、片方が川になっていたため僕は右手(西)川のルートを選択。
ピークを過ぎると砂&コルゲーションに苦しめられるが、なんとか乗れる。ピークから8キロほどでホテルへの分岐が現れる。分かりやすいので見失うことは無いと思う。
そのままホテルの横にテントを張らせてもらい、シャワーも浴びさせて貰う。水も、キッチンから貰うことができた。
1日の7割は自転車を押した日で、かなりしんどい道中だった。
5日目《Hotel tayka - Arbol de pietra 》30キロ
ピエドラの岩の影でキャンプ。この辺りはねずみ返しのようになっている岩が多く、風向き次第でどこでもテントを張れる。雨も防いでくれた。補給はないが、ピットトイレはあり。
路面状況:ホテルを出て本線へ合流した。最初の4キロは乗れるが、そこから4キロは深砂利で押すのも苦労する。100mほど標高を上げると、自転車に乗れるようになるが、砂とコルゲーションのコンボで思うようにスピードが出ない。ピエドラの前はがれ場になっており、ここも走行に注意が必要。押す期間は短いけど、なんだか不完全燃焼な気がする走行となった。
ピエドラにはツアー客が多く、3時頃まではテントを張れない。しかし、差し入れを頂いたり写真を撮ったりとそれはそれで楽しい。
6日目《Arbol de pietra - Laguna Colorada 》20キロ
コロラダ湖沿いのホテルに宿泊。40ボリ。お金を払えばwifiが使えるらしい。ティエンダが近くにある。
ピエドラから8キロほどは自転車に乗れるが、ツアーの車が多いので奇岩沿いの道が無難。コロラダ湖が見えてくると下りにはいるが、本線のほうは深砂で完全に埋まるので、横のショートカットの道を通った。途中までは乗れるが、最後の2キロほどは自転車を押した。前情報によると、湖が見えてからしばらく押したという人が多いので、こちらの道の方が良いと思う。
コロラダ湖沿いの事務所でチケットを150ボリで購入。ここで買えなくても、先のベルデ湖沿いの事務所でも購入可能らしい。
体調も悪く、天気も良くないのでそのまま湖沿いのホテルで宿泊。
ピエドラには朝の7時からツアー客がやってくるので、もし囲まれるのが嫌な人はそれまでに撤収するか、少し北の奇岩群にテントを張ると良いと思います。
7日目 体調不良のためコロラダ湖沿いのホテルで休息
8日目《Laguna Colorada - Quetena tico 》70キロ
Quetena Tico のホテルに宿泊。30ボリで充電可能。途中でほぼ走行不可能な状態になり、たまたま通りがかった地元の方に乗せてもらう。
路面状況: ホテルからQuetena tico に向かうには、コロラダ湖を回る必要がある。距離を短くするなら北側を回れるが、雨の影響で泥地帯になっていると考えて、南側を選択した。コロラダ湖の展望台に向かう道をそのまま直進するとショートカットになるが、時々深砂で自転車に乗れなくなる。コロラダ湖北東の分岐点にはツアー会社の物置小屋のような建物があり、テントを張れるとのこと。
小屋から二本道が出ており、南側を行くとそのまま一本道でQuetena tico へ向かう。道は分岐から10キロ程緩い登りが続き、そこから15キロほどアップダウンを繰り返しピークは4700m程まで登る。ピークを過ぎると緩い下り坂になり、最後丘を超えると町に着く。
2日前から雨が降り続き、当日の朝も雨が降っていたというのもあるが道は川の跡のようになっており、泥の粘りも酷く、乗るのも押すのも熾烈を極めた。また雨が降ると土が緩んでコルゲーションが深くなり進みづらくなる。
結果車に乗せてもらう事となったが、奥に進めば進むほどその傾向が顕著になっていたので、雨が降った翌日は避けた方が無難。
ワーストロードナンバー1。でも景色はかなり綺麗です。
9日目《Quetena tico - Uturunku途中》20キロ
荷物をホテルに置いて、『世界一標高の高い道』を目指す。道はQuetena tico の東側から出ており、分岐は多いがだいたいウトゥルンクへと向かっている。
路面状況:途中、自転車を持って進むのは不可能と考え、引き返した。雨季の今、地図上にある川はほぼ増水しており、自転車で頂上を目指すのは非常に困難である。
街を出てすぐ、川を渡る箇所があるがまずここの水が浅い所で膝、深い所で腰の高さまで水に浸かるため、早朝だと相当に冷たいはず。朝8時の段階でギリギリ渡れるかどうかの温度だった。道も、2キロほど川沿いを進むがほぼ水に浸かりながら進むので、体温を奪われる。
その後、川から一旦離れる。傾斜が急な箇所があるが、概ね自転車に乗る事ができる。そして街から8キロ進むと、もう一度川を渡る必要がある。
この二つ目の川が非常に厄介で、踏む場所によっては底なし沼になっており、一時期両足が膝まで埋まった。自転車を持ちあげながらこの川を越えるのは難しいと考え、ここの地点から引き返すことにした。
ウトゥルンク自体、5000mから上が完全に雪を被っているため最高到達地点の5900mまで行けるか不安であったが、それ以前に増水した川を考慮していなかった。なんとかいける所まで行ってみようと半ば強引に突破したが、川を渡る為に浅い所を探し、大幅に時間をロスしてしまった。また、ボトルを途中で落としてしまうという痛恨のミスも重なり、引き返すに至った。
非常に悔しい結果となった。
去年の12月にこのルートを走破した日本人サイクリストの方がいたので、なんとかして僕も到達したかったのだが、時期が悪かったの一言に尽きる。今の時期は積雪のためツアーも開催されてなく、ホテルのおっちゃん曰く、『冗談かと思った』らしい。
もしウトゥルンクを目指すのであれば、1.2.3月は外したほうがベストだと思います。
10日目《Quetena tico - Laguna kollpa 》40キロ
コルパ湖沿いにある廃村のような場所で、長い間使っていなさそうな物置小屋があったので、そこを拝借した。風除けとなるような古びた建物は沢山あるので、テントを張る場所には困らない。住民はいなかった。
路面状況:一部砂の深い区間もあるが、概ね乗れる。Quetena tico から20キロはほぼフラットで道の状態も良く、展望も良い。そこから6キロほど登りが続き、ピークは4700mに達する。この登りがかなり鬼門で、砂利が深くなおかつ宝石の道随一の傾斜を誇る(と思う)押すのも困難で、僕の場合登り開始からピークまで2時間半かかった。
登り切ると、エディオンダ湖までは概ね下り。
エディオンダ湖沿いには風除けとなるものはなかったので、テントを張るならコルパ湖まで来ると良いと思います。コルパ湖までで、Quetena tico からぴったり40キロ。
11日目《Laguna kollpa - Agua termas 》30キロ
宝石の道には温泉が湧いている箇所があり、無料で入浴できる。温泉の近くにはホテルや売店があり、隣にテントを張らせてもらえた。売店ではジュースやビール、お菓子を購入可能。
路面状況:ほとんど自転車に乗る事ができた。コルパ湖から5キロほど小さなアップダウンがあり、その後ダウンヒル。そこからはほぼフラットで、27キロ地点で宝石の道本線と合流。そこから3キロで温泉にたどり着く。
唯一注意なのが、Laguna Salada とLaguna Chalviri に挟まれた箇所。湿気が多く、地獄の泥区間と化している。それ以外は自転車から下りることなく通行可能。
温泉には1時ころに着き、温泉も施設もめちゃ混みだったが、時間の経過と共にいなくなり、二時には殆どいなくなった。ツアー客が寄る朝と昼が最も混む。湯温はちょうどよく、快適。
12日目《Agua termas - Laguna Blanca》45キロ
一応宝石の道最終日。ブランカ湖近くのホテルに宿泊。ホテルではお菓子やジュースを売っているのでボリビアーノが余っている場合ここで使い切ることができる。
路面状況:ここまでの道の中で一番良く、一度も自転車を押すことなく進むことができた。向かい風が酷く、下りでもペダルをこがないと止まるほど。この風は常に横風か向かい風として午前中から吹き荒んでいた。
温泉から10キロほどはフラットで景色の良い中を進んで行く。その後、6キロほど登りがあるが道もよく傾斜も緩い為安心して走れた。その後、ブランカ湖まで15キロほどダウンヒル。分岐を右に曲がって3キロ進むと最後の湖、ヴェルデ湖に辿り着くことができる。ヴェルデ湖からホテルへは湖の南側を通ったが少し砂が深いくらいで問題なく通ることができた。
全体を通してツアー車が多く、坂道やカーブでは注意が必要。といっても遮るものも無いので分かりやすいのですが。
13日目《Laguna Blanca - San Pedro de Atacama 》55キロ
ホテルから12キロほどアップダウンを繰り返し、その後30キロで2000mダウンのダウンヒル。ホテルから6キロで国境に着き、出国スタンプを押してもらえる。
路面状況:全区間乗れます。国境までの6キロは未舗装ながら乗りやすく、チリ側に入ると即舗装路がスタートする。ホテルから12キロはアップダウンを繰り返しながら地味に登って行く。ダウンヒル中、道路の段差や石は殆ど気にならなかった。
サンペドロデアタカマでは『Hostal casa de sol naciente 』へ。キャンプができ、6000ペソ(約1040円)です。キッチン、シャワー、wifiあり。
お金をおろすなら、広場近くのBancoescado のATMで250000ペソ(約45000円)まで下ろせました。
【食料】
約10日分の食料をウユニで準備し、自転車に積載した。水は2L× 3、3L× 1、1L× 1の合計10Lを積んだ。
食料は、ラーメン4袋、ツナ缶3つ、パスタ300gだけ余った。体調を崩したのもあり、いつもより少食になっていたのもある。米やパスタは高所だとなかなか作りにくいので、楽な即席ラーメンは重宝した。
また、ヨーグルトやジャムのような流動的な物は気圧の変化と未舗装の振動でバックの中で爆発した。可能なら、持っていかないかどうしても持って行くなら丈夫な容器に入れるなど工夫が必要。
水に関しては、最大10L積める容量は必要だが、必ずしも毎日10L積む必要はない。ホテルや集落で汲ませてもらったり、ツアー客から善意で頂いたりする事が多く、だいたい6Lあれば、よほどゆっくり進んだり道を外れない限り足りると思う。積めば積むほど重くなり、砂に埋まりやすくなるので道程や目的地、路面状況に応じて調整すると良いと思います。
【充電】
ホテルで出来るとは限らないので、コンセントがあったら即充電可能か聞いてみるのが吉です。
僕が充電できた場所は、
宝石の道に入る前だとサンクリストバルのみ、
宝石の道の中では、hotel tayka, Quetena tico 、Laguna Blanca沿いのホテル のみでした。
GPS使用で思ったよりスマートフォンを使う機会は多いので、出来る場所でしっかりしておくべし。22500mAhの大容量モバイルバッテリーは、一回使い切りました。
【お金】
アロタ村 ホテル代 30ボリ
コロラド湖沿いのホテル 40ボリ×2
ケテナチコ ホテル代30ボリ×2
ブランカ湖沿いのホテル 40ボリ
宿泊費としては210ボリ使用。その他、チケットの150ボリと、各商店でジュースやスナック、トイレットペーパーをちょこちょこ買って、合計で450ボリほど使用。体調を崩したのもありホテル泊が予定より多くなったが、概ね400〜500あれば余裕を持って走破することが出来ると思う。まぁ余ったら最後のブランカ湖沿いのホテルで豪遊すれば良いと思います。
【天候】
砂漠だと聞いていたのだが、2月のこの時期は雨も雪も降る。天気はある程度ルーティーンが決まっていて、
午前中:ほぼ晴れ
昼:天気雨が降る
夕方:天気雨が降る
夜:ほとんど晴れ
というパターンが多かった。
雨が降るのは昼過ぎから夕方にかけてが多く、日によっては雹が降る日もあった。
また、昼から風が少しずつ吹き始め、14〜15時辺りを境にとんでもない暴風が吹き荒れる。
気温は昼間ならTシャツ一枚、夜はセーターを着るくらい。風と天気次第では昼間でもセーター着ました。
【参考】
この方のブログがルートも一緒でなおかつとても詳しかったので参考にしていました。
宝石の道・ウトゥルンクへの道まとめ : 沖野直嗣のだいたい自転車世界一周
宝石の道は過酷な環境ではありますがやはり晴れた時の景色は他にはない絶景です。
挑戦する価値は十分あると思います。
ウユニからツアーでチリに抜けることも出来ますし、自転車で時間をかけて行くのも勿論おススメです。
是非是非、自分自身のルートで楽しんでみて下さーい!!