O’Higgins - Lago desiert
実を言うと、アウストラル街道の終着地点はオイギンス村ではなく、国境を越えたアルゼンチンのエルチャルテンとなります。オイギンス村からはフェリー+トレッキングルートしかなく、車やバイクで抜けるのは不可能だからです。
自転車はフェリーに積み込んで、トレッキングルートを超えることでアルゼンチン側に抜けることが出来るのですが、、、
この国境越えは世界一過酷な国境越えルートとして知られています。えぇ…(´Д` )
しかし過酷な反面、トレッキングルートなので景色も良いという。晴れれば世界一美しい国境越えルートらしい。
まぁ世界一だか何だか知らないけど行くしかないのだ、と今日も今日とて自分を自分で奮い立たせるのでした。
フェリーはオイギンス村の外れから出ています。8時に出航なので、七時過ぎにオイギンス村を出発。まだ真っ暗な中ペダルを進める。
徐々に徐々に朝焼けが山を照らし、空に彩りを与えていく。この日はピンク色の朝焼けが見れました。
アウストラル街道は、一応このフェリー着き場まで伸びています。乗り場の近くにはモニュメントがあり、ここが街道のラストなのだと再実感。本当にお疲れ様!
ツナときーちゃんともここでお別れ。何だかんだで6日間くらい一緒にいたなぁ。キャンプ場にいた『まっさん』も加え、まさかの3匹でのお見送りに来てくれました。最後はドックフードをあげ、涙のお別れ。お前らいい奴だったよ…涙
この日は乗客15人ほぼサイクリストで、小型のフェリーに自転車も込みで乗れるのかと心配でしたがあっちはあっちで慣れた手つきで自転車を積み込んでいく。結果、座席の方まで自転車を入れましたが15人と13台くらい積み込んでいました。
フェリーの道中は快適な船旅、、とは言えず、たまに波に乗って船が飛ぶ。そして落ちるとゴンッッッッ!!と大きな衝撃と共に自転車を積んである方から嫌な音がきこえます。最初は遠足気分だった皆も次第に『これチャリやばくね……?( ゚д゚)』と真顔になり始める。
二時間半後対岸に着いた時には、皆我先にと自転車の点検!とりあえず皆無事だったみたいです。
荷物を積んで、ご飯を食べて、さぁ行くぞ世界一の国境越え!!と意気込んで進むと、まぁ最初からとんでもない傾斜が現れる。
早速歩きました。無理っしょ、これ。
おかしいなぁ、チリ側は自転車に乗れるって聞いてたんだけどなぁ、と皆で文句を言い合いながら押していくと、チリ側のイミグレーションオフィスにたどり着きました。
これでチリも見納めかぁと思って国旗と一緒に写真を撮っていたら、何故か職員ともとるっていう。チリの人々は陽気な人が多い。
さっと出国スタンプを押してもらい、外に出ると晴れてきた!おぉ、流石世界一美しいだけある。ここでちょっと休憩し、またトレッキングルートへ。
急傾斜や深砂で自転車に乗れない区間は押すしかない。何でやー!自転車乗れるなんて嘘じゃん!!この時は思っていたんですが、
終わった今考えると確かにチリ側の道は押す区間はあれど自転車に乗れたのです。
入り口から14キロほど進むとアルゼンチンとの国境があらわれます。よっしゃぁぁあぁあ7ヶ国目、アルゼンチン入国でーす!!
そして前を見ると、道が消えた。
さっきまでは車一台ギリギリいけるくらいの道幅だったんですが、明らかに人1人通れるか通れないかくらいの幅に激減!
バックやペダルを枝に引っ掛けながら進むと…
泥。
泥!
泥!!!
なんじゃこりゃーー!!!!(´Д` )
膝下まで泥に埋まり、自転車は途端に見るも無惨な姿へ!
というか全く進まない!!
迂回路はあるんですが、そっちはそっちで泥沼があり、各方面から『あかーん!こっちあかーん!!』『うわあぁぁぁあああ靴が脱げたぁぁぁぁ!』『やばい…ディレイラー(変速機)が……泥に埋まった……』と悲鳴が聞こえる。そう、ここはまさに
阿 鼻 叫 喚 !!!
泥区間が終わると今度は川を超えなくてはなりません。泥を綺麗に出来るので悪くはないんですが、問題はその水量と冷たさ。
雪どけ水が流れ込んでるので足を踏み入れると肌が痛いほど冷たいのと、膝まで浸かるので非常に動きにくい!!
結果的に、25キロの道を走破するのに六時間かかりました。いやはや世界一過酷な道は伊達じゃない……
でも途中晴れて、紅葉と相まって綺麗に見えた時もありました。自転車が無かったら楽しいかもしれない。自転車がなければ!!
今日はフェリー着き場の近くでキャンプ。
フェリー乗り場にアルゼンチンの入国オフィスがあり、ここでスタンプを押してもらえます。
とりあえず、湖で自転車に付いた泥と体をバシャバシャと洗い、夜ご飯を作って就寝。
明日はもう一度フェリーに乗って、フィッツロイトレッキングで有名な村エルチャルテンを目指します。
今日の感想:あぁあぁぁああ疲れたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
走行距離35キロ
合計距離11355キロ