飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

day.215 風の試練

 

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El Chalten南西55キロ - 南西180キロ

 

パタゴニア地方では風の方向が決まっており、北東、つまりはフィッツロイ方向から吹き下ろす形で基本的には風が吹く。

この風が厄介で、パタゴニアを走るチャリダーにとって大きな障害となっています。

 

昨日は南西に向かったためほぼ追い風となりましたがら見てください今日の行程。

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序盤は追い風なんですが途中は横風、そして最後は…向かい風。

実はぽりえの飛行機日程が迫っており、今日中に次の街エルカラファテに着きたいところ。ですが暴風吹き荒れる中160キロ進まなくてはなりません。ああ嫌だ…

 

万全の体制を整えるべく全員七時起きからの八時半出発。まだ太陽が出きっていない少し薄暗い中出発します。

 
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最初の20キロまでは追い風。朝からそれなりに強い風が吹いておりここはチュンで走る。が!!分岐を曲がった途端、風向きが変わり、途端に横風となって襲いかかってきました!

 
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僕もパタゴニアの風はヤバいという事はしっているし、風向き的に辛い行程になるということは重々承知の上でした。でも、これまでの風とは一線を画すもので、横風といえど進まない!!

 
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写真で見るとこんな良い景色ですが、地平線からゴォォオオオオ!!!と轟音が轟き思わずよろめいてしまうほどの風が吹きすさぶ。

 
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写真では全く分からないけど、実際は煩いほど空気がうごめいているのです。何これきっつー!!

 

 

そしてそのうち登り区間に入る。

登りといってもたった170mのアップなんですが、これが顔が歪むほどしんどい。

 
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パタゴニアの風がどのくらい強いかというと、僕は今体重と自転車本体、荷物含め120キロくらいの重さがあるんですが、この重量の物体が下りでも止まりそうになるほど。

それが上りで更に向かいからふかれたらそりゃたまったもんではありません。

 

時速3キロ、いや2キロほど、もはや歩いたほうが早いペースで一漕ぎ一漕ぎ進んで行く。こうなったらもう意地の勝負だ!

 

絶対に歩かない。風にも負けずに登りきってやる!!!何度も言い聞かせて、言い聞かせてなんとか登り切る。

たった170m何ですけどね、、、

 
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登った後は下り、でも勿論スピードは出ず厳しい道中が続く。このままでは全員街につくことは難しい、そう考えた僕達は作戦を立てることにしました。

 

明日の夜に飛行機で日本に帰るぽりえの為に何とかして今日中に街に着いて、酒盛りをしてあげたい。ので、まずは僕とゆうちゃんで先行して街に行き、ホテルと買い出しを済ませる。マウンテンバイクのさとちんとぽりえは後からきてもらい、揃い次第南米からの追い出しコンパの開催、これでいこう!!

 

街までは70キロ。時刻は5時。頑張れば日没までに着けるだろうか…といったところ。

 
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ここからは道の向きがちょっと変わり、追い風になってくれると見て僕達は動いたんですが、非常にも同じタイミングで風向きが変わったんですよね……

 

突如襲いかかる横風。

ゆうちゃんを風除けにして付いていけるかやっと、というところ。

それでも耐えて耐えて耐えて、こいで、街まで35キロの分岐点の近くの橋に差し掛かった時、

 

僕達は悟った。

無理です。

 

ここまで走ってきたけど、風が強くなって、まるで壁のように僕達を阻む。

自転車にへばりつくのがやっとで、とても前には進めない……

おそらくこのまま進んでも街に着くのは夜22時、皆が揃うのは24時とかになってしまうでしょう。そもそもスーパーもホテルも閉まってしまうし、それじゃ本末転倒です。

 

 

幸い、その近くに風が防げる木と空き地があったので今日はそこでキャンプすることにしました。すまぬぽりえ……

 
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皆でする最後のキャンプは、風が吹き荒れるなか唯一の台風の目のような場所で、粛々と進められるのでした。

 

走行距離125キロ

合計距離11515キロ