旅とカメラと自転車と 

大学院生のゆるゆる冒険記録

day.225 チリの素敵なおもてなし

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Rio Gallegos - Gendarmeria

 

【本日のキャンプ場へのクレームのコーナー】

全く酷い目にあった。

キャンプ場にサッカー場や遊具が併設されてるのは良いとして、テントサイトの横にダンスクラブを建てるのは流石に頭悪すぎないですか!

 

お陰で朝5時までドゥン♪ドゥン♪と軽快な音楽と人々の嬉々とした声が僕のテントの中に響き渡っていました。いやいやいや立地ミスでしょ!ドゥン♪ドゥン♪じゃねーよと。あれか、キャンプしながら踊りたくなったら踊れますよ的なアレなのか、いやでも朝5時までは暴力的過ぎるでしょう。

まぁ要するに寝れませんでした。無理っすよ無理!たまに酔った客がテントに体当たりしてくるし。

以上、不平不満のコーナーでした。

 

 

そんな夜を過ごし、今日はどうするかな〜と思って天気予報を調べると、今日は一日中雨。

寝不足で眠いし、雨ならホテルに逃げ込んで惰眠を貪ってやろうと心に決め…かけた。決めかけて、明日の天気を見ると晴れ。そして、なんと風速50km/hの向かい風…!

まじすか。

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今日は追い風気味の風が吹いており、雨を我慢すればアルゼンチンとチリの国境を越える事ができそう。

逆に、今日惰眠して明日走ると、天気は良いけど暴風に真っ向から立ち向かわなくてはなりません。

 

正直なところ、眠いしYouTube見たいしゴロゴロしたいし雨の中走りたくないし一日くらい休んだって日程的には問題ないし…

走る気は全くなかったんですが、雨予報の雨がいつまで経っても降って来ず、追い風があるなら走れる内に走った方が良いぞ…と頭の中の意識高い僕にそそのかされ…

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結局走ります。ええ、走りますとも!!走ればいいんでしょ走れば!!

 

こういう時昔の僕なら絶対走らなかっただろうなぁと思います。面倒くさい性格になったものです。

 

リオガジェゴス からは南西にまっすぐ進む道。一旦チリに入国してフェリーに乗り、最終ステージのフエゴ島へ渡ります。

国境までは70キロ、国境からフェリー乗り場までは50キロほど。この追い風ならフェリー乗り場まで行けちゃうんじゃないかとワクワクしていたのもつかの間、大粒の雨が降ってきた。

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気分が一気に萎える。

さっきまでは霧雨といった具合で雨具が濡れるのと乾くのが拮抗しており中まで染みてくることはなかったんですが、大粒となるとどんどん沁みてくる。しかも雨が降り出すと同時に風向きが変わり、強い横風となって走行を阻んできます。

 

だから走るの嫌だったんだ…!!と思うけど、アルゼンチンには休憩場所やバス停のようなシェルターは基本的にありません。

雨と風が牙を剥いていても、今更僕には逃げ場所はどこにもなくただただもがき続けるしか方法はないのです。

 

手足の感覚が消え、歯をガチガチ鳴らし、背筋に寒いものを感じ始めた頃、ようやく国境へ。

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この頃には雨と風は勢いを増し、と化していた。結果、僕は三時間半ノンストップで走り続け、服はずぶ濡れ、荷物は泥だらけ、寒さで顔面蒼白、我ながら酷い格好でした。

 

チリに陸路で入国するには厳しい荷物チェックを受ける必要があり、基本的に自転車から荷物を全て外し、X線を通さなくてはなりません。そして食べ物(主に野菜や果物、種子類)を検査し、審査に引っかかるものがあればその場で没収されます。これが、食べることが命のチャリダーにとってはなかなか厳しいものです。

 

しかし、ここで奇跡が起きた。

僕の悲惨な格好を見かねてか、事務員の人が暖かい紅茶とお菓子を用意してくれたのです。

その時僕は文字が書けないほど手が震えており、本当に体に沁みました。

 

そして荷物検査をしようとしたところ、

『君の荷物はキャンプ道具だけだよな?』

『あ、いえ、ここに食べ物が入って…』

『いや、君の荷物はキャンプだけなはずだ。つまりスキャンする必要はない、そうだよな?』

『……ウス。』

と荷物は全部お咎めなしにされ、寒いだろうから、とヒーターのある部屋に通され、更にはお腹が減ってるだろうから、とご飯まで頂くことに…!何ですかこの待遇は……!

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しかも、降り止まない雨に対し、『フェリーも出ないだろうから今日はここに泊まっていきな!』と有り難いお言葉まで。

 

そして僕の入国手続きをしてくれた係員の人も来て、『お前ここに泊まるのか!雨で大変だったな!これでも食って元気出せ!』とお菓子を置いていく始末。

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久々にうるっと来ました。齢23歳、心に沁みました。泣かせてくれるじゃない…!!

 

何て言うか、本当にありがとうしか言えないのがもどかしい。スペイン語がもっとできれば上手く伝えることが出来るのだろうけど、ありがとうを何かで伝えることができれば…!

 

そう考えて折り紙の手裏剣をあげたら、思いのほか喜んでくれてよかった。チリでもナルトは有名なんですね。

 

 

自転車旅をしているとこういう風に人に良くしてもらうことが少なからずあります。食べ物を頂いたり、泊めてもらったり、詳しい情報をもらったり…そんな彼らの"おもてなし"に対し、常に謙虚でなくてはなりません。

 

優しさを受け取りはするけど、それに甘んじて人に期待したり、施しを受けて当然のように考えてはいけない。

 

僕はこれまで色んな人々から優しさをいただいてきたけど、その度にしっかりとお礼を言えているだろうか。毎度どうもーとそれが当たり前のようになっていないだろうか。旅の武勇伝のように考えてはいないだろうか。

 

今までも受けてきたおもてなしに対し、こういった機会にもう一度振り返って自分自身を諌めてみようと思います。

いやー、それでも言いたい。ありがとう!ビバチリ!!

 

走行距離70キロ

合計距離11925キロ