飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

day.226 かぜ と たたかう !

- Punta Espora

 

部屋の中で雨風におびえることのない夜を過ごし、濡れたものも全て乾き昨日失ったものを全て取り戻しました。おはようございますやしまるです。

 

朝国境警備の人にお礼を言いに行くと、 更にコーヒーをご馳走になり、結局何から何まで至れり尽くせりでした。しかも、『ここは初めてか?ハハハ、チリにようこそ!!』といたって陽気。チリってほんとに良い国ですわ。

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最後に写真を撮る。ありがとうございました!!

 

外に出ると昨日あんなにどんよりしてた雲が全て吹き飛ばされ、快晴。そして、、、、

 

50km/hの向かい風。

すっかり忘れてましたこいつの存在を。

昨日走ったおかげでだいぶ短くなったものの、向かい風区間はあと30キロほど続いてるんですよねー、、、

今日もテンションは低めでスタート。

 
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僕はこれまでパタゴニアの強風というのは日本で言う台風とか春一番とかそのくらいに考えてたんですが、そんなチャチなもんじゃぁ断じてなかった。

 

天災とか、大災害とか、その類のレベル。これは大げさに言ってる訳ではなく事実を述べています。

そんな風の中当然自転車には乗れず、押すしかないんですが、押せない。

正しく言うと押しているのにじりじりと後ろに押し返される。

凄いですよ、まだまだピチピチの23歳が本気で体重をかけて自転車を押しているのに、ビクともしないんです。

まるでオブジェか標識のようにその場に留まり続ける。これが精一杯。なんすかこの罰ゲーム。

 

ようやく風が弱まった所でグイグイ進み、体が前のめりになったところで急激に風が吹き、今度は後ろにべしゃんとなぎ倒される。今日だけで何回この冷たい大地に投げ出された事か…こんなの初めて!!きええええええ!!!(´Д` )

 

そんな戦い(ほぼ敗北)を繰り返すこと一時間半、ようやく一つ目のバス停に辿り着く。

 
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チリの良いところって、こういう避難所的なバス停が10キロおきにあることなんですよね。チャリダーにとって死活問題レベルのシェルターがちゃんと用意されている。

しかも屋根、壁ともにしっかりと作られておりゴミ箱も完備。なかも綺麗。やっぱりチリ好きですわー。

 

ここに着いたのはまだ11時だったんですが、正直今日はここに泊まっても良いと思えるくらい。というか外に出たくない。あの風の中これ以上進むのは得策ではない。

それに、無理をすると負担が溜まっている膝にあまりよろしくない。普段から痛む訳ではないんですが、長い坂道や向かい風があると、最近痛みを感じるようになりました。

 

 

でも、走らないと進まないんですよね。凄い当たり前だけど、それが事実で。幸いなことに、10キロ先にもまたバス停があるし、今日はまだ時間もあるし、ゆっくりでも良いから進もう、もしどうしてもダメならヒッチハイクしようと自分を励ます。いつだって自分を奮いおこすのは自分だ。持ってくれよオラの膝…!!

 
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また風の中進み続ける。

今度は地面に転がされないように、低重心で、なおかつ風に対して平行に進む。車通りが少なかったので後ろを気にせず進めたのが良かったです。

 
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そして二つ目のバス停。

転がり込むように中へ入り、お菓子をバリバリ食べる。ほんと、このバス停無かったら休憩もろくに出来ないし大変でした。このバス停までは三時間押し続け、それでようやく13キロほど。

 

地図を見ると、もう10キロ先にまたバス停があり、そこから南へと曲がっていくことが分かりました。とりあえず、もう10キロ進めば何とかなるかもしれない…!

 

そうして3度目のチャレンジ。

ぶっちゃけここまでくると風の対処が分かってきて、自転車にも乗れるレベルになってきました。勿論登りは押すけど、最初よりは格段に早くなり、案外一時間ほどでクリア。

 
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やっぱりバス停はこの形をしていた。安心と信頼ですね。

 

そしてここからは僕のターン!!西に進んで向かい風だったのが南に方向転換する事で横風となる。横風はそれはそれで走りにくいけど、向かい風に比べたら断然進むし、何より自転車には乗れる。今までの分を取り返すように走り続け、夕方にはフェリー乗り場へ!!

 
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ここで僕にとっては初めての大西洋とのご対面。特に感動はしないけど、ここまで来たんだなぁとじんわり感じるものはありました。

 
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てっきりこの風の影響でフェリーは欠航していると思ってたんですが、流石パタゴニアの大地を結ぶ船、波を乗り越えて元気に運行していました。着いたのも束の間、そのままフェリーに乗って対岸へ。ちなみにチャリダーは無料みたいです。

 
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30分後、対岸のフェリー付き場に。ここはもう南米大陸ではなく、最終ステージのフエゴ島

ウシュアイアはこのフエゴ島の南端にあるので、正確にいえば"大陸"の最南端ではないんですよね。まぁどうでも良いんですが。

 
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今日は疲れたのでそのままフェリー付き場近くのインフォメーションセンター脇にテントを貼らせてもらうことに。このインフォメーション、トイレ、wifiに加え僕は使っていませんがシャワーも付いている完璧仕様。営業時間も8:00〜21:00と丁度良い。となりに商店もあり、余ったチリパソを使い切ることもできました。

 

なんだか疲れた1日でしたが、達成感があります。僕はパタゴニアの風に立ち向かったのだ!半分以上自転車押してたけど……

 

走行距離55キロ

合計距離11980キロ