飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

iceland day.33 さようならアイスランド

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今までの雨がなんだったんだってほど、晴れの日が続いている。朝起きると、窓の向こうに青い空と海、そして山が見える。良い朝だ…!

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泊まった宿、Tjarnahotelはキッチンがない代わりに電子レンジ、フリーコーヒーが置いてあり、朝にはなんと朝食が付く。

 

この朝食、どうせアイスランドの事だからパンとマーガリン、ジャムだけなのだろう、死ぬほどトースト食べてやろうと思っていたのですが、なんとハム、チーズ、卵取り放題、フルーツや野菜もあり、パンだけでなくシリアルやオートミールもあるというめちゃくちゃ高級な朝食でした!!

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ここアイスランドでは卵は一個50円、チーズは400〜500円は下らない高級食材なんですが、それがこんなにこんもりと…!

死ぬほど胃袋に詰めていきました。ええ。

 

 

今日はぽりえ、おかど、おーやまの帰国日。僕は少し遅れて、明日の朝帰国する。

特にやることはないのだけど、何か忘れた気がして、用もないのにスーパーや百貨店に寄ってしまう。まるで、アイスランドの空気を少しでも吸っておきたいかのように、なんとなく、空港に行きたくない。

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まあ行くんですけどね。

今日は天気がこれまでの中で一番良くて、ウイニングランでした。

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空港にはバイクピットがあり、中にはいろんな工具が揃っている。まずはここでパッキング準備!

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これを色々外して…

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こうじゃー!!!

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ペダルがなかなか外れてくれなかったのでクランクごと外してやりました。

 

あれだけあった荷物も、二時間足らずでここまで纏まってしまう。三人とは最後に乾杯をして、あとは日本で会おう、と言って別れた。

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日本から出国してから一ヶ月、ずっと一緒にいた三人と別れると、ひどく寂しい気分になる。コック兼メカニックで頼れるぽりえ、どこかツッコミどころのあるおーやま、若くてスタミナ溢れるおかどと、僕達は何だかんだ喧嘩一つなく走ってきた。案外、良いチームだったのかもしれない。

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誰もいなくなったバイクピットで今日は夜を明かす。目を閉じると、思い出がまぶたの裏を駆け巡って、全然寝付けない。

 

前回キューバから帰国する時は、日本に帰るのがとても楽しみだったけど、今は逆だ。

もっと、あの険しい山の中を走ってみたい。

氷河の上を歩いてみたい。

フィヨルドのアップダウンを登っていたい。

もっと…あの揺らめく光のカーテンの下で眠りにつきたい。

 

 

きっと、また来るだろうなと思う。

僕は未だアイスランドの表面の部分しか知らないのだ。綺麗な山の裏に、氷河の先に、透き通る川の元に、何があるのかを知らない。

 

幸いなことに、アイスランドは逃げない。

今すぐじゃなくて良い。

都会の喧騒に疲れた時、どうしても自分を試したくなった時、夜空に輝くオーロラが恋しくなった時。

きっと、また訪れるでしょう。

 

 

ようやく、『アイスランドは美しい』と言われた意味がわかった気がする。

あの雨も風も坂も全て引っくるめて、それでも美しいと思えるのだ。

自然の厳しさと優しさをかねそなえた、そういった、孤高の美しさ。

その断片を知れただけでも、来てよかった。

 

 

日本に帰ったら、まず何をしようかな。

多すぎる写真の現像、内定式、修士論文

やるべきことは多いけど、自転車であの暴風雨の中を走るよりはましかなぁ。なんてね。

 

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ふと飛行機の窓を覗くと、朝日が昇っていた。

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炎と氷の大地は、最後まで美しかった。

 

 

 

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自転車アイスランド一周 完

総走行距離 2286km