前回、僕はアイスランドを旅して、『自転車で走ることが好きではない』ということに気づいた、と書きました。
これからのはなし〜35日間の旅を終えて〜 - 旅とカメラと自転車と
この考えに至ったのはとてもシンプルで、
雨が降っている中自転車で走るのがとても嫌いだったから。服も濡れるしテントの中は湿気だらけだし、自転車のブレーキはすり減るし景色は汚いし……
そしてふと、
もし自転車で走ること自体が好きなら、雨の日でも風の日でも楽しめると思ったんですよね。(現にそういう先輩もいる)
旅にその国の気候や地形、景色や現地での出会いなどの要素が加わった時、自転車で走ること自体はプラスでもマイナスでもない状態で、寧ろそれ以外の要素での影響が大きいことが分かったのです。
自転車は手段にしかすぎず、僕は自転車で走ることよりも自転車がもたらしてくれる副産物のようなもののほうが好きだったんですね。そしてこれは旅や自転車に限った話ではなく、もっと僕の生き方の根本的な部分でした。
登り坂で苦しみながらペダルを回し、ふと顔を上げた時に見えた風景や、
西日本でヒッチハイクしたら宗教の人と20時間を共にした時、
日常のふと見上げたら綺麗に見えた夕日や
極寒の真夜中に空中に揺らめいていた光のカーテンなど、
自分の予想もしていなかった、想像を超えた出来事に対して僕は魅力的に感じていたのです。
そして、自転車で海外を走るとそういう場面に出会うことがとても多いんですよね。
だから行きたくなっていたんだなあと。
ちなみにこれって本当に大したことない事なのですが、自分にとってはかなり大きな気づきでした。
なにしろ、自分が一年間ほぼ毎日続けてきたものが、もしかしたら好きではないことなのだとしたら、無駄に一年間過ごしてしまったのではないかと感じたから。
無駄な訳はないんですが、あの時の絶望感は半端なかったです笑
今は少し整理されて、本質により近づけた気がします。
だから自転車は好きではないけど自転車旅は好きだし、それによってもたらされた経験は何より大切な宝物です。
やっぱり伝わりづらいかもしれません。
とりあえず今日はここまで。
bye!\( ˆoˆ )/