飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

熊野古道 *6 馬と象の背を超えて

 

 

雨で停滞した昨日とは異なり、今朝は朝から曇りのない晴れ模様。海の近くに泊まっていたため、せっかくのなので早起きして朝日を眺めることに。

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ホテルから出てみると、黒い海岸線から絵具が染み出すように、じわじわとオレンジ色が空に広がり始めていた。朝日の見える時間に起きたのなんていつぶりだろう。昨日しっかり休んだ分、軽い足取りで『鬼ヶ城』へとむかう。

 

 

鬼ヶ城とは、熊野市の北の海岸線1キロに渡って広がっている、隆起と波と風の浸食作用によって生み出された奇岩地域の名称。

 

大地と海と空の影響で削られてできたその景観はまさに自然の芸術と言えるだけの迫力がある。もしかしたら、本当にここには鬼が住んでいるのかもしれない。
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こんなに贅沢な朝日を見れたのは本当にいつぶりだろう……


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とりあえず寒いので、コーヒーを淹れるところから1日は始まる。

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光の当たり具合で岩の質感がかなり変わる。太陽が完全に登ったあと、初めてその雄々しい全貌が明らかになった。
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その後電車に乗り、尾鷲市へ。

本当は伊勢路の全てを歩いてみたいのだけど、それをするには時間も体力も足りなさすぎる。

今回はその伊勢路の中でも一番有名な『馬越峠』を歩いてハイライトとすることに。


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駅を降りると、いかにも普通の街が広がっている。歩いてる人も、観光地らしく旅行者ばかりというわけでもなく、地元の人が普段通りの会話を楽しんでいる様子だ。

そんな全く変わりのない普通の街並みの中の隙間を縫うように、熊野古道はある。


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ふと道に入っただけでさっきまで歩いていた尾鷲市の景色と雰囲気が変わり、今でも江戸時代から続く巡礼の気を感じる事ができる。


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馬越峠自体は300m程の峠で、路面状況はそこまで良くないものの、中辺路を歩いてきた人にとってはウォーミングアップくらいの難易度なはず。

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木々から差し込む光が今日も美しい。

 

そして峠の頂上から尾根線上に西に進むと急登が現れる。この日は気温が高く、三月初めといえど半袖短パンで登れるほどに暑く、汗をポタポタと垂らしながら、一段ずつ階段を上がっていく。

ふと後ろを見ると、先ほどまで自分がいた街が見えた。


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そして馬越峠から歩くこと1時間半、遂に頂上が現れた。

先ほどまでの鬱蒼とした森が突如晴れ、白い一枚岩がまるで展望台のように山からせり出している。

これが有名な便石山の『象の背』だ。


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岩の上に乗ってみると、足が少し強張ってしまうほどの高度感を感じる。

自分が降りた駅もしっかり眼下に見下ろせ、ここまで登ってこれたことへの達成感がじわじわと心を満たしてくれる。

 

 

 

 

 

ふと立ち上がってみると、海からのふわりとした清々しい風が肌に触れていく。その風が先ほどまでの暖まった自分の体をスーッと冷やしてくれて非常に気持ちが良い。


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この紀伊半島とは、アクセスも悪く目立った観光地もないため、あまり認知していなかった。しかしいざ登ってみれば、そのリアス式の海岸と山の新緑のコントラストが非常に美しい。僕の住んでいる長野も美しいけど、ここも同じくらい綺麗だ。

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まだ日本にもこんなところがあるとはね。

やっぱり、僕が見るべきものはまだまだたくさんありそう。晴れた空と綺麗な景色を見せてくれた便石山に感謝しながら山を降りる。

 

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ちなみに、この便石山から降りるルートは非常にタフなルートで登りと同じくらい時間がかかる。ふもとのキャンプ場にたどり着く頃には膝はガクガクになっており、伊勢路の侮れなさを物語っていた。やはり僕はまだまだ自力で動いていく必要がありそうだ…
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電車を乗り継ぎ、伊勢路の最終目的地、伊勢神宮の近くでご飯を食べる。チャーハンとラーメンというデブまっしぐらの高カロリー食事ですが、この時ばかりは罪悪感を感じずに食べる事ができた。
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ご馳走様でした。

 

今日はここまで。

アディオス!!\( ˆoˆ )/

 

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●ライター:やしまる

理系大学院生、来年3月から大阪に引っ越しします。

大学3年生の夏休みに自転車で日本を縦断、その後大阪-長野間ブルベやバリ島一周を経て、大学院1年時に休学し自転車でアメリカ大陸を縦断。その後アイスランドを経て10カ国約16000kmを走り、帰国後は報告会や展示会を開催し、主に自転車旅で得た経験を伝達しています。プリンづくりが好き。

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