飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

day.178 宝石の道⑧ 美しきアンデス

Quetena tico - Laguna kollpa

 

ホテルのおっちゃんの発言でウトゥルンクへの想いが完全に吹っ切れました。おはようございますやしまるです!奴め!!

充電も完全復活し、ここからはチリを目指してアンデスの山々を駆け抜けていきます。

 
f:id:remaker314:20180220114317j:image

昨日もなかなか天気が良かったのですが、今日の晴れは宝石の道1良い!!

朝からこんなに雲ひとつない青空が広がるのは初めて。

ウキウキで村を出ます。

 

途中、アルパカの群れに遭遇。
f:id:remaker314:20180220114421j:image

彼らはバッチリカメラ目線をきめてくれるから楽‼

f:id:remaker314:20180220114448j:image

 
f:id:remaker314:20180220114619j:image

晴れた時の宝石の道は本当に綺麗。

山の茶色と、草の緑と空の青のコントラストが美しい!それに雪が加わると、もうここどこだよって感じです。

 
f:id:remaker314:20180220114654j:image

 
f:id:remaker314:20180220190132j:image

ここは果たして地球なんでしょうかっていう景色にただただ感動。

 
f:id:remaker314:20180220190252j:image

村から20キロほど走ると、登りが始まります。


f:id:remaker314:20180220190403j:image

今日の峠は宝石の道の中でも随一のきつさを誇ると言われている箇所。

高さは4700mまで上がり、深砂利と急傾斜で自転車には全く乗れず。

 
f:id:remaker314:20180220190640j:image

傾斜のお陰で自転車の下にもぐりこむようになりながら、一歩一歩押していくんですが、、、

 
f:id:remaker314:20180220190910j:image

10mも進むと息はゼーゼー、肩はハーハー、

1分ほど動けなくなります。

道の状態も良くなく、埋まるわ滑るわでうまく前に進めない。

これ、きっつ…!!_:(´ཀ`」 ∠):


f:id:remaker314:20180220191010j:image

 

でも、よく考えると当初はこんな状況になったらイライラして絶対あ゛あ゛あ゛あ゛!!と叫んでたんですが、今日は一言も叫ばず、舌打ちもせず、自転車を投げ出すこともせず切り抜ける事ができた。

 
f:id:remaker314:20180220191433j:image

前よりちょっとは成長したんでしょうか。

それともただ叫ぶ余裕もなかっただけか…

 
f:id:remaker314:20180220191201j:image

6キロ登るのに2時間半かけ、なんとか昼過ぎには頂上に到着しました。よっしゃあああああ!!

頂上では少し遅めの昼御飯を。

30個あったパンも、もうすぐ10個を切る。

あれだけ食料を積んで重くなっていたバックパックも、気づけばだいぶ軽くなっていました。

 
f:id:remaker314:20180220191549j:image

そこから第6の宝石、エディオンダ湖までは下り!!今まではことごとく曇っていたのであまり綺麗じゃなかったんですが、エディオンダ湖はその美しい姿を見せてくれました。

 
f:id:remaker314:20180220191731j:image

空と山が反射してる…

なんだかウユニを思い出す。

あの時が楽しすぎて、やっぱり今でも毎日写真や動画を見返してしまうんですが、これは皆には内緒で!!笑

 
f:id:remaker314:20180220191905j:image


f:id:remaker314:20180220192214j:image

エディオンダ湖沿いには何もないので、そのまま2キロほど進み、コルパ湖へ。

湖沿いには廃村のような場所があり、鍵の空いてる物置小屋があったので今日はそこを拝借する事にしました。

 
f:id:remaker314:20180220191953j:image

辛い事、きつい事にこれほど真っ向から立ち向かった経験はなく、そのお陰でなんだか強くなっている気がします。あくまで気ですが。。


f:id:remaker314:20180220192345j:image

f:id:remaker314:20180220192312j:image
宝石の道も残り3日、気を抜かず、楽しみます!!)^o^(

 

走行距離40キロ

day.177 宝石の道⑦ 遠い世界一

Quetena tico - Uturunku

 

いよいよ挑む時がやって来た。宝石の道に入って7日目、本日は『世界で最も標高の高い道』へ向かう。

 

最大標高5900mに到達するらしい。

前にワイナポトシを登った時は、5000mを超えた辺りから息がしんどくなり、足取りが一気に重くなった。あの高さに、今度は自転車で行けるというのは些か不安とワクワクの両方を感じます。

 
f:id:remaker314:20180220102747j:image

朝は7時半にホテルを出発。

ほんとはもう少し早く出たかったのですが、昨日の夜貰った宇宙兄弟を読みすぎて夜更かししてしまい、結果寝坊。予定より30分遅れでのスタートとなりました。

 

朝の天気は良い感じ。

ウトゥルンクは雪を被った銀白色に輝いており、、、っていうか昨日より雪積もってる気がする。。

どうせ除雪とかは絶対してないだろう。

まぁ、行ける所まで行ってみようの精神で進もう…おっちゃんも行けるって言ってたし。

 

しかし、僕は完全に忘れていました。

雨季の今、雨が降って川が増水している可能性について…!

 

f:id:remaker314:20180220113224j:image

街を出て初っ端で一回川を渡るんですが、

これが増水してとんでもない大川へと変化していたのです。

ななな、なんじゃこりゃーー!

渡れな…くはないけど、少なくとも自転車の担ぎ上げが必要。そして、深さと流れがあるので、場所を見極めないと恐らく自転車ごと流されます。

 
f:id:remaker314:20180220113303j:image

この渡れるポイント探しに時間がかかり、街を出てから1キロ進むのに1時間半を要しました。水も雪解け水が混じっているのでかなり冷たく、膝まで浸かりながらようやく突破。

 
f:id:remaker314:20180220113328j:image

そして渡った先にも…川が。

は?(´Д` )と思うかもしれませんが、僕もそう思った。渡った先にある道にも川から水が浸水して、第二の川が誕生しているのです。

もはや下半身ビショビショなので構わずゴリ押ししていくのですが、時間は刻一刻と無くなっていく。

 
f:id:remaker314:20180220113403j:image

第一陣の川をようやく抜け、なんとか先を急ごうと向かうも、今度は深砂と泥で動けない。ぐぬぬぬ…となりますが、もうこの対自転車決戦道路に入ってから1週間。君には慣れた( ´_ゝ`)荷物は置いてきているので、むしろいつもより楽です。

 
f:id:remaker314:20180220113501j:image

街から5キロほど走ると、こんな光景が。

 
f:id:remaker314:20180220113437j:image

 

凄い、なんだか冒険してるみたい!!

険しい山、広がる草原、曲がりくねった道…

リアルRPGの世界が広がります!

 
f:id:remaker314:20180220113608j:image

何度も言うけど晴れた時の宝石の道ってものっそい綺麗なんです。毎日晴れてくれ!

 
f:id:remaker314:20180220113652j:image

川で手こずったけど、なんとか進むぞー!と意気込んで、先へ行くと…

おいおいおいおいまた川が。

 
f:id:remaker314:20180220113810j:image

もちろん増水して水深は膝上くらいまであるけど、さっきまで僕は腰まで浸かってたんだもう失うものはない!!とゴリ押しで越えようとしたところ、

 

ズボッと僕の脚は地面にめり込んだ。

 

なんだこれ!!なんだこれ!!と慌てて戻ろうとすると、もういっぽの脚もズボッと。

 f:id:remaker314:20180220185905j:image

きづくと両足が膝まで地面に消えた。

 そしてそのまま五分ほど僕は地面に突き刺さったまま

…もう帰りたい…(´Д` )

と思うのでした。

 

しかも、自転車をよく見るとボトルが無くなってる!!

散々担ぎ上げをしたのでそのうち落としてしまったのでしょう。ボトルがない状態であと1500m以上登るのは無理だ…

 
f:id:remaker314:20180220113906j:image

絶望した顔で山を見ると、綺麗な雪化粧したウトゥルンクがある。

残念だけど、今回は時間的にも、環境的にも頂上へ行くことは難しい。川を越えるのにこれだけ時間がかかって尚且つボトルもなし、着替えも無しでこれ以上進むことは命に関わる。雪だって積もっているし、時期が悪かった。

そう自分を納得させつつも、あの高さまで自転車で行ってみたい!という自分も居て、心の中で相当葛藤しました。が、

 

結論を言うと、ここでリタイア。

街から8キロまではなんとか来れたのですが、引き返す事にしました。

これだけ悔しいことはない。

あれだけ昨日辛い思いをしてここまで来たのに、あっさりと半分もいかない距離でリタイアしなくてはならなくなった。しかも、今日は珍しく天気がよく、景色も綺麗なのに。。

 

そして何より、日本人サイクリストがこの道に到達したのはつい最近で、今のところまだ3人しか登りきった人はいないとのこと。是非とも、僕が4人目としてあの場所に立ってみたかった。

 

勿論、川が増水して越えるのが難しくなっているという情報を確認していなかった僕が悪いのですが、そもそもこの時期に行った人がいないから分からない。情報が無かったというのが今回の敗因かもしれません。

 
f:id:remaker314:20180220114019j:image

帰ってホテルのおっちゃんにそのことを話すと、『当たり前だ。車でも行かんのにチャリで行けるか!冗談かと思ったわい』と大笑いされました。おおーーい!!!

これだけ悔しいことはない…!!

僕はどうやらおっちゃんの掌の上で転がされていたようです。

 

なんだか宝石の道に入ってから、自分の思うようになったことが一度もないような…

砂に埋まり風に煽られ体調を崩しそして今度は川に浸かって…

 

こうまで自然に振り回されると、

つくづく自分の力の無さを痛感させられます。

 

がっかりだったけど、一つ分かったことは、『この時期にウトゥルンクへの道走破は困難である』という事。

そして、またこの道に来るきっかけができたという事。

まだまだ世界一は遠かったけど、今度来るときのお楽しみにとっておこうと思います。願わくば、川も雪もない時に!

 

走行距離20キロ

合計距離10130キロ

day.176 宝石の道⑥ 涙と敗北

Laguna Colorada - Quetena tico

 

充電!0!

あと停滞できる日数!0!

使える金も!0!

でも体調は!ダメ!!

 

もう進むしかない…!おはようございますやしまるです。

 

コロラダ湖沿いのホテルで2泊し、3食おかゆを食べ、そしてずっとワンピースを読んで完璧な病人生活を送ったのにも関わらず、僕の体調は一向に良くなりませんでした。

しかも、このホテルにはコンセントがなく充電は全くできず、モバイルバッテリー含めほぼ0の状態に。お金も日数も限られてるので延泊も厳しい。

 

そして何より天気も良くない…!!

昨日の夜から朝までまた雨が降り、道はズルズルのベトベト。ちくしょおぉぉぉお!!なぜ晴れぬ‼

 
f:id:remaker314:20180220085952j:image

こんな状況なら、寄り道せずに通常コースで早く抜けるのが一番ですが、絶対に行かなければ後悔する。

何たって世界一の道。

後から行かなかった事を後悔するくらいなら、ドロドロの道でも行ってやる!!という事でホテルを出発したのですが…

 

甘かった。

連日の雨で水を含んだ未舗装路達はいつもの数倍タチが悪く、乗るのも押すのも一苦労。

 
f:id:remaker314:20180220090357j:image

コロラダ湖を抜けるために20キロほど回り道しないと行けなかったんですが、埋まるわ埋まるわ。乗ったら埋まって、自転車から降りて押して、そしてまた乗れそうになったら乗って、すぐに埋まって…の繰り返し。

 
f:id:remaker314:20180220090609j:image

イライラが募ってなんじゃこりゃーー!と叫ぶも湖畔のアルパカはいつも通り。

 
f:id:remaker314:20180220090702j:image

それが終わると今度は登りが始まる。

この道は状態も良く傾斜も緩いから自転車に乗れると情報があり、なんとかいけるかなと思ってたんですが…

 
f:id:remaker314:20180220090756j:image

川の跡ができており、石はゴロゴロ、地面はズルズル。

しかも横のタイヤ跡が付いているところは泥地帯で滑りまくる。

 

この水を含んだ土が厄介で、荷物をこれだけ積んだ自転車だと後ろから引っ張られてるんじゃないかというくらい抵抗を生んでくれる。もはや乗れず、押そうにも進んでくれない。そして連日の体調不良で全く力が入らない。

 

気づいたら僕は泣いていました…

嬉し涙でも悲し涙でもなく悔し涙。

自転車乗りにとって、一番悔しいのは40キロ巡航でも20%傾斜の登坂でもなく、進めないということ。自分の力が通じないという事が分かってしまった。

 

しかも、今日は70キロ進まないと次の街まで行けない。雨季の今、しっかりした風除けが無い場所でスコールでも喰らうとテントごと流されます。

 

しかし進めない。。。

焦りと絶望で頭いっぱいになりながら、自転車にもたれかかっていました。

 

すると、偶々偶然、通りがかる車が。

乗っていたのはおじいちゃんで、泣きながら自転車を押してた僕を見て一言『乗ってけ』

僕にはそれを断る気力も理由もありませんでした。

 

なんと情けないことか…と悲しんだけど、実際はとてもありがたかった。実は僕が進んでいた場所はまだこの道のなかでも進める方で、奥に行けば行くほど水の量は増え、コルゲーションは増し、険しさを増していた。

途中からはもうほぼ普通の川みたいになっており、冗談でも『チャリンコで無理矢理でも行けばよかった』とは思えない状態になってました。本当に助かった。なんやねん宝石の道。乾季と全く話が違う。

 
f:id:remaker314:20180220090831j:image

昼過ぎには目的地のQuetena ticoに。乗せてもらったおじいちゃんに丹念に感謝を伝えてからホテルへ。


f:id:remaker314:20180220090916j:image

Quetena tico のホテルは高いと聞いていたのですが、村の東側のこのホテルでは一泊30ボリで充電も可能でした。あぁやっと宇宙兄弟が読める!

 

結局僕は自分に負けてしまったのだろうか。。

もしかしたら、あの熾烈な道もギリギリ自転車で行けたのかもしれない。と思う自分もいますが、それは結果論であり結果はわからないまま。

でも大事なのは何しに寄り道したのか、という事。僕は厳しい道を何が何でも進みに来たのではなく、世界一の道に挑戦したいからこっちに来た。

 

今日車に乗せてもらった事を『勝ち』にする為にも、明日はぜひ頑張りたい。

 

因みに、世界一の道とは【世界一標高の高い道】一番高い所で5900mあるそうです。その道はこの山に沿って存在するんですが、

 
f:id:remaker314:20180220091119j:image

ええ。。思いっきり雪被っとる。。。

ホテルのおっちゃん曰く、『難しいけど行けるかも。ガンバ!』ほんとか。

 

次回に続く!

 

走行距離30キロ

合計距離10110キロ

day.175 宝石の道⑤ 休息日


f:id:remaker314:20180220085452j:image
 

昨日の昼から寝ていたのですが、体調が一向に良くならない…のでコロラダ湖沿いのホテルでもう一泊する事にしました。

薬を飲んでるんですが、お腹はゆるゆるのまま、熱と頭痛はなんとか良くなった感じ。

昨日は昼からずっと雨が降っていて、路面状況が芳しくなかったので、程よい停滞ではあります。(と納得させる)

 
f:id:remaker314:20180220085707j:image

とりあえずご飯は全てお粥にして、あとはベッドで貰ったワンピース82巻分を読破することに専念しています!なんだこの休日!良いぞー!!

 

後は、ここからのルートを考えていたんですが、通常のルートで行くとあと3日ほどで宝石の道が終わってしまう。

雨に打たれ、砂に埋まり、自転車を押し続けたあの苦労が、あと3日進んだだけで終わってしまうのは味気無さすぎる。

実は、コロラダ湖から合計100キロほど寄り道すると、『自転車で行ける最も標高の高い道』に行けるという情報をゲットしました。

 

どうせここまで来たのだから宝石の道走破だけでなく、なんなら世界一になってこよう、というわけで、明日からちょっとだけ寄り道してきます!

 

早く天気良くなれ…そしてお腹治れ…!

day.174 宝石の道④ 頭痛と腹痛と寒気と苛立ち

Arbol de pietra - Laguna Colorada 

 

脅威の12時間睡眠を決め、なんとか動けるくらいには熱が下がりました。しかし、体のダルさは抜けず、寒気はして、頭も痛いし、今日もお腹はゆるゆる。絶賛体調不良!!

 

しかも朝から雨が降ってくる…

苦悶の表情を浮かべながらせっせとテントを片してると、今度はツアー客に何故か動画を撮られる。

 

いつもならウェーイww(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎写りにいくのですが、今日は体調も悪いし、天気も良くないしでテンションはガタ落ち。なんやねん!と半ばイライラしながら出発。

 

大半のツアー客は、『よう!こんなとこチャリンコは大変だろ?腹減ってるか?水は大丈夫か?』と大変ありがたい声をかけてくれるのですが、たまーにハローもなしに無言で写真だけ撮っていく人もいる。ここは動物園か。子供の方がちゃんと挨拶してくれるし、人としてそれが普通じゃないかと思う。ましてや動画とか意味わからーん!!

 

なんて思いながら走る。体調が悪いと機嫌が悪くなるのは僕の悪い癖です。。。

 
f:id:remaker314:20180220084710j:image

エドラから8キロほど走ると、第五の宝石、コロラダ湖が見えてきます。赤ーい!あまりの赤さに、反射して雲も赤くなってる!

 
f:id:remaker314:20180220084919j:image

f:id:remaker314:20180220084810j:image

道は下っているはずなんですが、砂が深くて今日も今日とて自転車を押す。でも、一昨日に比べれば下ってる分全然マシ。10時半にはコロラダ湖沿いの事務所に到達。

 

ここでは150ボリ払って、チケットを購入する必要があります。一応期限が4日と書いてあるんですが、どこからどこまで期限内なのかは分からず。まぁボリビアだしその辺りはガバガバなんでしょう、多分。そうあって欲しい。

 

今日は体調も悪いし、天気も良くないしでホテルに泊まることを決意。こんなにダルいのは久しぶり。何が悪いのかは分かりませんが、とりあえず胃腸薬を飲みました。

 

今日は色々と良くない日だった。。。

しかし、結局は自分との闘いなのです。

自分の甘さと弱さが際立つ、逆に言えば指摘してくれる、厳しくも優しい道なのかもしれません。。

 

走行距離20キロ

合計距離10080キロ

 

day.173 宝石の道③ 一本の轍

Hotel tayka - Arbol de pietra 

 

夜起きてトイレ行くとそこには…

満点の星空があった。まぁウユニで散々撮ったので撮らなかったんですが。寒いし。

こんばんはやしまるです。

 

情報によると、今日までが大きなヤマ場らしい。昨日もなかなか大変でしたが、今日も困難があるっぽい。ああ無情。

 
f:id:remaker314:20180220083148j:image

お世話になったホテルを出発し、4キロほどはなんとか自転車に乗れるも、そこから4キロほど深砂パラダイスになり、乗れなくなる。

 
f:id:remaker314:20180220083320j:image

ふかふかの砂の上で自転車を押すというのはこの宝石の道の中でもしんどいランキングトップを独走しています。

 

想像してみてください。

公園の砂場で、女性が乗ったママチャリを押して進むようなもの。

足も滑るし、踏ん張りが効かないので重心をなるべく下げて、綱引きの逆バージョンのようにしなくてはなりません。

更に、ここは標高4500m台。

下を向いて押してたら、10秒で息がゼーゼーになります。

 
f:id:remaker314:20180220084226j:image

景色は綺麗なんだけど、、、

とにかく、辛い。辛すぎる。(´Д` )

昨日ほどでは無いものの、今日も時々怒りを露わにしながら進む羽目となりました。

 
f:id:remaker314:20180220083510j:image

しかし、昨日までとは違うことが。

ランドクルーザーのタイヤ跡に紛れて、自転車の轍を見つけたのです!

 
f:id:remaker314:20180220083417j:image

おそらく、割と新しい。2.3日前くらいじゃないかと推測します。

この道を通っているのは僕だけじゃないんだ…!!

どんなタイヤ跡よりも細くて弱々しいその一本の轍は、僕にとって最も心強いものでした。

 

その轍は結構長く続いており、最初はぴったりくっついて行ったんですが、そのうち、『そっちは埋まるっしょ。こっちのが良いよ』『ほらみろ、埋まって轍が荒れてる。僕のが正解ルート!』と轍と会話するようになりました。皆まで言うな、寂しいんです。(´・ω・`)

ただし轍を介しての見えないサイクリストとの会話は案外面白く、

僕が砂に埋まって押さないといけなくなった時、隣で同じように細く深い溝が出来ていると、それだけで勇気付けられました。

 
f:id:remaker314:20180220083625j:image

そして目的地のArbol de pietraへ。ここは風や砂その他諸々によって削られた珍しい形をした岩がたくさんあります。

ツアーの人たちは岩に乗ってかっけえ写真を撮るのに夢中ですが、僕は専ら今日の寝床探し。

 
f:id:remaker314:20180220084409j:image

本当はもう20キロ先のコロラダ湖まで行きたかったんですが、体調がすこぶる悪く、頭痛いし熱っぽいしお腹はゆるゆる。水か、食べ物か、それとも標高か…原因はよく分かりませんが、とりあえず休むことに。雨も降ってきたし、どこか良いとこないかな〜と探していたら、

見つけました!!

 

f:id:remaker314:20180220083820j:image

f:id:remaker314:20180220084112j:image

これぞ男のロマーーン!!この超キャンプ感!!うおおぉおおぉおぉお!!

雨風しっかり凌いでくれて、なおかつこの秘密基地感!

 

ここでなんとか回復さして、明日はホテルでゆっくり休もうかな…充電もやばいし…

 

走行距離30キロ

合計距離10060キロ

day.172 宝石の道② 気持ちの持ちよう

Laguna Hedionda - hotel tyka 

お腹痛い…

どうやら昨日食べた玉ねぎが良くなかったっぽい。おはようございますやしまるです。

 

昨日の夜少し雨が降ったようですが、室内に泊めてもらったのでノープログレム!というか、雨季はやはり雨が降るようです☔️

 

今まで乾季の情報しか無かったので、これは良いパイオニアになれるのかも。


f:id:remaker314:20180220080914j:image

エディオンダ湖を出発して、まずはオンダ湖を目指す。雨が降ると水の流れが川のようになるらしく、通常のルートで行こうとすると

 f:id:remaker314:20180220185212j:image

地形に邪魔されます。しょうがなく迂回。

 f:id:remaker314:20180220185303j:image

また、水がたまって泥地帯になっているところもあります。しょうがなく迂回。

 
f:id:remaker314:20180220185337j:image

更には道が川になり…しょうがなくうか

 

いや、地形変化多過ぎでしょ!!(´Д` )

なんなんですかね、全く車の轍に沿っていけない。しかも、オンダ湖を超えると、今度は深砂で自転車に乗れなくなる。

 
f:id:remaker314:20180220080730j:image

これがキツい。この登り、4700mまで続いてるんですが、いくら登っても登っても終わりが見えない。勿論、自転車を押すのは普通に歩くより遅いのですが、息は切れるし、砂に足を取られて転ぶことだってある。

 
f:id:remaker314:20180220081101j:image

そうやって進んでいると、隣の轍が進みやすそうに見えてくる。えいやっと砂の山を越えて、その轍に入ってみても、全く変わらず。そうしていると今度はまた隣の轍が気になってくる。

 

f:id:remaker314:20180220081510j:image

ずっとこの繰り返し。隣の芝生は青く見えるとはよく言ったものです。そうやって一本に絞らず、横へ横へ動くので更に進まない。なんだか人生みたいだ。。

 

急傾斜の道は、くうぅぅぅ…!!と声を絞り出して登り、砂に足を取られた時はくっそーー!!と大声を出して怒りを露わにする。

そして感情がネガティブになればなるほど、向かい風は強さを増し、雨も降ってくる。

これほどまでにキツいとは…さすが南米最難関なだけある。

 

そんな様子を、ランドクルーザーからツアー客達はポカーンとした様子で眺めている。

何度か目があったんですが、マジで皆( ゚д゚)こんな顔してます。当たり前だ、こんなところでこの時期にチャリンコ押してる奴は激レアでしょう。

 

でも、その顔を見てるとなんだか可笑しくなってしまいました。こっちは南米最難関だー!と気合入れて、食料ガン積みして、奇声を上げながら苦しんでるのに、車を使えば只の楽しいツアーだ。

使う道具一個でこうも違う。

僕の苦しみなど、凄くちっぽなものに感じる。

 

何かが違うだけで、状況なんて一変するのかもしれない。

もしかしたら気持ちの持ちようだけでも、変わるのかもしれないな、、そう思うと、今まで道にぶつけていた怒りがスッと消えました。

 

きっと、この苦しさは全部、自分の弱さなのだ、、、これまで生きてきた23年間の弱さが、こういう過酷な所では露わになる。

砂に怒り、天気に呆れ、風に泣く。

今まで逃げてきたものが、全部ここでは真正面から向かい合わなくてはならない。

 

 

僕は今、試されている。

誰も助けてくれない状況、頼れるのは自分自身だけ。前に進むしかない。

 
f:id:remaker314:20180220081154j:image

何度も何度も言い聞かせて、ようやくピークに辿り着く頃には天気も回復し、道もなんとか自転車に乗れるようになっていました。

 
f:id:remaker314:20180220081326j:image

そこから今日はテントを建てさせてもらったホテルまでは12キロ。10キロのダウンヒルは深砂&コルゲーションとの闘いでしたが、やっぱり乗れるだけで速度が一気に違う。5時前には、ホテルには着くことができました。

 

ホテルではシャワーを使わせて貰うことができ、久々に洗濯も!更に仲良くなったドライバーの皆から差し入れも頂いた。ありがたやありがたや…

 f:id:remaker314:20180220185412j:image

情報によると、今日と明日がヤマ場らしい。

自分の弱さを曝け出してくれる宝石の道だけど、それを克服できるのは自分の強さだけ。自分の強さが弱さを上回った時、きっと僕は宝石を見つけられる…はず。。

 

 

走行距離40キロ

合計距離10030キロ ←1万キロ、ようやく超えましたーー!!