飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

ツォクトさんちのお馬さん ③

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連日満天の星空を見ている為、若干の寝不足気味で起床。とはいえ、ツアーの朝は非常にゆっくりで、お茶やコーヒーを飲みながらゆっくりと頭と体を起こしていく。

よく飲んでいたブルーベリーティーはモンゴルの特産らしく、草原でもよく育つという。

朝ごはんのプレートも彩り豊かで見ていて嬉しくなる。

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珍しく少し曇り気味で出発。f:id:remaker314:20230914101741j:image

これまで道より開けた場所が多いので、駆け足の練習をした。

馬の走る速度には僕の知る限り四段階(並足、早足、駆け足、襲歩)あり、駆け足は2番目に早い歩法になる。

早足は人間でいうジョギング、駆け足はランニング、襲歩ダッシュのような感じで、早くなればなるほど馬の背中は揺れ、お尻を浮かせる必要がある。

このお尻を浮かせる姿勢はいわば空気椅子みたいなものなので、太ももの筋肉がかなり使われて、段々辛くなってくる。

そして我慢できずにお尻を馬の背中に下ろすと……走る衝撃がお尻に直撃し、非常に悲惨なことになる。

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僕は普段から自転車やスノーボードなどで足を使う事が多いからそこまで辛くなかったが、普段運動しない人はスクワット等やっておくと良いかもしれない。


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途中、遊牧民の方のゲルに立ち寄り馬乳酒を頂く。

お茶飲んでかない?みたいなノリでお酒が出てくるのは面白い文化だが、小学生くらいの子供もごくごく飲んでいるのであまり違和感はない。

僕は初日に胃袋大爆発していた為少しだけにしたが、何も気にせずガブガブ飲んでいたマオ氏もこのあと大爆発していた。


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馬乳酒の他に、チーズを作るところも見せてもらった。馬乳は牛乳に比べて酸味を感じることも多く、チーズも通常売られているものよりかなり癖があるが、非常に栄養価が高いそうだ。

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昼ごはんを食べたあと、僕達は別行動となる。

ツォクトモンゴル乗馬ツアーではいくつか日程を用意しており、僕達は4泊5日で申し込みをしていた。但し、ツアーの参加者が全て同じ日程ではなく、あらゆる日程を組み合わせながら合流と離散を繰り返していく。

短い間だったが他の参加者と話す機会も非常に多く、そもそもモンゴルに来ている時点で海外旅行に慣れている経験豊富な人が多く、学びの多い時間だった。
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専属ガイドのビルゲイさんとも話す機会が多かった。日本に在住経験のある彼は細かいニュアンスの日本語もよく知っており、モンゴル人目線の話を分かりやすく話してくれるので、非常に頼もしい。

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彼の話で印象に残っているのは、日本とモンゴルの領地の違いだ。日本にはモンゴルのように何もない広大な草原や隅々まで見える星空はあまり多くない。土地という観点で言うと、どこに行っても人が多く忙しない日本に比べて少し羨ましく思う。

但し、日本には海がある。

海では魚介類の食料資源が取れる他、サーフィン、釣りのようなアクティビティも盛んだし、綺麗な海はそれだけで観光資源にもなり得る。

領海を含めると日本はモンゴルよりも広くなり、面積的も優位になる。海のないモンゴルから見た日本は、僕が思っている以上に魅力的な場所なのかもしれない。


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佇むアシモ

彼ともここでお別れになる。

結局僕に懐くようなことはあまり無く、常にマイペースだった。帰りに別の馬に乗ると、驚くほど乗りやすく、従順で、よく走った。しかしその馬に乗ってると、一筋縄ではいかないアシモが恋しくなってくるから不思議だ。f:id:remaker314:20230914122604j:image
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ツォクトさんの家では、現在100頭ほど馬を飼っている。そのうち、競走馬やまだ躾が済んでおらず乗れない馬を除くと、ツアーに連れて行ける馬は20頭ほどしかいないらしい。

それだけ初心者に乗せても問題ないよう躾をするには、とてつもない時間がかかるのかもしれない。それゆえ、遊牧民と馬の間には、絶対的な信頼顔がある。

遊牧民は馬には名前をつけないという。

それは、日本の動物に対する愛玩的視点ではなく、あくまで自然の一部と見做しているからではないだろうか。遊牧民という大きな群れの中の、馬と人の関係。お互いに個で判別することはないが、長年寄り添い、支え合う。ゆえに名前をつけない。

もしくは、単純に馬が多すぎて名前をつけてられないのかもしれないが。f:id:remaker314:20230914122600j:image

 

馬が遊牧民を見る目は、安堵と温和に満ちている。彼らのような関係のあり方を僕は初めて知り、少し羨ましく感じる。
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ツアーの最終日は一日目の夜に泊まったツーリストゲルに泊まり、シャワーとベッド、そして冷えたビールを楽しむ事ができる。次の日はそのまま空港まで送ってもらい、僕達は韓国へ向かった。

 

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日本に帰国し、また忙しい生活が戻ってきた。

太陽が昇るのと同じくらいに家を出て、日が沈んでから家に帰る。なんて事ない日常だが、ふとした瞬間に、青々とした草原を気持ちよさそうに駆けているアシモの姿が脳裏によぎる。

まさしく、あれは自由の姿だった。

 

相方のマオ氏とは、またモンゴルに行きたいね、と話している。その"また"が来るのは、意外と早いのかもしれない。

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〜モンゴル乗馬ツアー編終了〜

ツォクトさんちのお馬さん ②

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ユーラシア大陸の内陸に位置するモンゴルでは寒暖差が激しく、昼間は30℃近くまで気温が上がるが夜は10度前後まで冷え込む。

その気温差は大量の夜露と結露を発生させる為、乾燥している割に外で衣服を干すことはできない。

結果、昨日自分たちが着た服や下着に囲まれながらの起床になる。

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気分はあまり良くないが、今日も天気は素晴らしい。夏の間、雨が降ることは稀なんだそう。

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朝ごはんを食べ、テントを片したら出発。

今日のアシモは昨日に比べて転ぶことが少なく、足取りも軽く、僕の指示をよく聞いてくれる。

2日目にして懐いてくれたのかと思っていたが、次第に機嫌が悪くなり、他の馬を蹴り始めた。

どうやら、朝の涼しい時間で腹も満たされていたからのようだ。

荒れ始めたアシモは他の馬と距離を取るようにして、群れから離れて歩くようになった。

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馬に乗るまでは勝手に歩いてくれる便利な動物という印象が強かったが、馬は馬で感情があり、一筋縄ではいかない。

ツアー客のような初心者の場合は舐められる事も多く、言う事を聞かない場合も多いらしい。

アシモはまだ指示を出すと従ってくれるが、歩くのが遅かったり、すぐ道草を食べたりと非常にマイペースな馬だ。それは決して悪いわけではなく、馬に揺られる旅とはそういうものなのだと思う。

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タマガヌンウンドゥル山を超え、昼は開けた場所でご飯を頂く。

 

米粉の焼きそばのようなものを出されたが、なかなか喉を通りにくい。

昨日の馬乳酒による消化機能の爆発を少し引きずっているのと、正直マトンのクセが段々嫌になってきていた。

 

モンゴルの味付けは基本的に塩のみで、香辛料はほとんど使用しないことが多いらしい。

そうなるとメイン肉である羊が味の根幹になることが多く、料理が全て羊味になる。

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また、飲み物も朝に500mlもらえる水以外、全て暖かい茶、コーヒーのどちらかしか無料では飲むことができない。

日差しは暑く乾燥しているので冷たい水をガブガブと飲みたいところだが、水を大量に取ると汗を多くかき結局喉が渇いてしまう為、暖かい飲み物しか提供しないらしい。

遊牧民の無駄にしない考え方がツアーにも自然に溶け込んでいるのがよくわかるが、今はとにかく、お腹を壊しても馬乳酒のように冷えた炭酸の飲み物が欲しいと思う。

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この日は山頂にテントを貼り、昨日のホルホグの残りを使ってお粥を作ってくれた。暖かさと米が体に染みる。食文化というのは偉大で、食べ慣れたものが出てくるだけでほっと安心する。

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この日も星空を眺め、流星群を沢山見ることができた。

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ツォクトさんちのお馬さん ①

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ゲルの中は気密性が高いようで通気性は良く、丁度良い塩梅の気温を保ってくれる。天井には天窓が着いており、朝日の訪れをやんわりと伝えてくれる。日本で電子音に叩き起こされる生活と比べるとかなり健康的で気分も良い。

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扉を開けると、昨日の夜見えなかった大草原が広がっていた。

 

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なんて気持ちが良いのだろう。

朝ご飯にはパン、紅茶のほかにハム、卵、フルーツ、サラダの乗ったプレートも出してもらえた。
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今日は午前中に馬と対面、午後から馬で移動となるが、ツアーの前に他のお客さんがオーダーした羊の解体ショーを見ることができた。

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解体ショーと書いているが、決して華やかなものではなく、遊牧民のスタイルで羊を絶命させ、解体していく姿を粛々と見守る。

てっきり日本の罠猟のように、首の動脈を切って血抜きをするのかと思っていたが、モンゴルスタイルでは血抜きをせず、腹に腕一本分入るだけの切り口を作り、腕をそのまま入れ、心臓の弁を引きちぎる。

 

そうする事で血が体の外に出ず、無駄にしないどころか羊にとっても1番苦しまない方法らしい。

 

絶命した後は可食部と不可食部に分けてタライに入れていく。

血は可食部になり、腸を綺麗にした後、詰めてソーセージにする。

 

毛から肉、皮まで、余す所無く利用するのは遊牧民としての無駄の無さを追求した結果か、もしくは生命への感謝の表れだろうか。

 

勿論、解体された羊肉はツアー客に振る舞われ、僕達もそのおこぼれを頂くことができた。

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馬はガイドに選んでもらい、体格と性格の合う馬をあてがってもらった。

僕は恐らくツアー客の中でも大きく重い方だったため、かなり大柄な馬が選ばれた。

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意外なことに、馬には名前がないらしい。

僕の乗った馬は非常に足元が怪しく、すぐに転げそうになる為、『足元をもっとよく見て欲しい』と思い、アシモと名付けた。

不思議なことに名前をつけた途端に転ばなくなったが、足元の草に夢中になり、道草をよく食うようになってしまった。

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操馬方法はトゥ、と言って馬の腹を脚で蹴るとアクセルの意味になる。

止まる時は手綱を引き、曲がりたい時は曲がる方向に手綱を引っ張る。

加速したい時はさらにトゥと言えば良い。

至って簡単な動作だ。

 

ちなみに、馬に乗るまで馬の扱い方は教わっていない。全て進みながら学んでいく、まさに実践あるのみのスタイル。

何も知らずに、トゥと言い過ぎると馬も自分もよく分からないうちに全速力で駆けてしまう。

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午後からはゲルを離れ、山の中に入っていく。

荷物は全てツアーの車が持ってくれるため、撮影機材だけ持てばよい。

ゲルの周りの景色でも感動していたが、更に離れると人工物が極端に減り、まるでオープンワールドの世界の中に入ったかのような感覚になる。

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たまに出てくる電柱は新しく作られたのだろうか、まだ電線が通っていない。それがまるで大きな十字架に見え、遠い昔に滅んだ文化遺産を巡っているかのよう。

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馬の背中から見える景色はこれまでとはまた違う、風と地形の流れを感じらことができるものだった。

速度と馬の背中から伝わる振動がマッチして、まるで自分が大きな動物になって歩いているような気になる。

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途中に寄った遊牧民のゲルでは、馬の乳を醗酵させて作る馬乳酒を頂いた。馬乳酒は牛の胃袋で作った袋で常温醗酵させて作る、カルピスの祖先と言われている飲み物。袋の中には発酵を促す菌が常駐しており、継ぎ足しで作り続けている。まるで老舗のラーメン屋のような方法。

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夏の間はこれだけ飲んで過ごす人もいるほど栄養価が高いらしい。

 

ちなみに、酒と名前につくだけあって、アルコールは1〜2%含まれている。微発泡で飲みやすいのでゴクゴク飲んでいると、ほろ酔い気分になってくる。

遊牧民の方達は、小さな子供から老人までごくごく飲んでいた。モンゴルの人達が酒豪というのは単に中国、ロシアの酒豪大国に挟まれているだけでは無く、小さい頃からの英才教育の賜物なのかもしれない。

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ゲルを後にし、宿泊場所に到着。

泊まるところは山合いの開けた場所で、テントはスタッフの方が建ててくれる。

 

夕食は本日捌いた羊肉でホルホグを振る舞ってくれた。

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日本で食べるラム(生後12ヶ月以内の羊肉)とは違い、非常に硬い歯応えと独特のクセがある。

聞いてみると、モンゴルではラムはあまり食べられないそう。

理由は、どうせなら長く生きて欲しいから。

人間は他の危険な動物から守り、美味しい草が生えている所を提供する代わりに、羊は毛や肉を提供する。遊牧民の思想が食事にも反映されているのだと思うと、学びが非常に多い。

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しかし肉はやはり硬い。

僕の顎が筋肉痛になるのはそう遠くなかった。

 

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この日は数日後に新月を控えており、ペルセウス座流星群のピークにも近い。ペルセウス座がどこかは全く知らないが、昨日の夜雨が降った為塵も少なく、僕史上最高の星空を見ることができた。

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マオ氏とのツーショット。

 

ちなみに、星を眺めている時、ぼくの胃袋は爆発した。

勿論、昼間にごくごくと飲んだ馬乳酒の影響かと思われる。

馬乳酒はカルピスの元祖になったとも言われる乳酸飲料であるが、それ以前に常温醗酵、常温保存しているローカルドリンクである。

胃が強くない僕はツアーグループの中でもいの一番にお腹を下し、満天の星空の元、トイレを求め草原を駆けるのだった。

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(ちなみに現地の人もよくお腹を下すらしく、これを『腸が綺麗になる』と言い、良いことと捉えているようだった)

ツォクトさんちのお馬さん⓪

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モンゴルと聞いて、思い浮かべるのはどんなイメージだろうか。

どこまでも広がる草原、生活感を感じられるゲルと遊牧民、そしてのびのびと走る馬…

 

僕の中でのモンゴルはそんな感じだった。寧ろ、それ以外にない。なんなら行ったあとですら、それ以外記憶にない。

 

近いようで遠い気がする国。

 

そんなところだが、日本に帰国したあともふと惹きつける強い引力のような魅力がある。

強くおすすめするので、興味がある人にはぜひ行ってもらいたいと思う。

 

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もともと、婚約者であるマオ氏と夏休みに何をするか相談し、コロナも収まったことだし海外旅行に行きたいねという話になった。

問題は、どこで、どんな手段で旅行するか、だ。

 

僕は海外を自転車で回るのが好きだ。

とはいえそれを彼女に強制するわけにはいかない。

 

車移動以外で、安全と楽しさを両立できる移動手段は何かないか…と考えているうちに、馬に乗ることを思いついた。

 

馬なら体力が無くても乗れそう()だし、五感でモンゴルの風を感じることができる。

 

色々調べた結果、馬に乗りながら遊牧民のゲルを周り、星空の元テント泊するツアーを見つけた。その名をツォクトモンゴル乗馬ツアー。

モンゴル乗馬ツアー | 現地旅行会社 | ツォクトモンゴル乗馬ツアー

 

 

ちなみに、乗馬が楽そうとは書いたが、僕たちは一切乗馬をしたことが無い。

このキャンプは風呂無し、電源無し、ベット無し生活で数日間過ごすことになる。

果たして馬は言うことを聞いてくれるのか、マオ氏はアナログ生活を楽しめるのか、体(お尻)は無事なのか…

 

不安と希望とお尻防御用のサイクルパッドを持って、そっと申し込みボタンを押したのは5月のことだった。

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ウランバートル空港に着いたのは夜の23時。日本からは現在成田と関空から直行便が飛んでいる。

通常であれば、空港に到着した時点でツアーのピックアップがあるが、僕達は安い航空券を求めて一日早くモンゴルに入る。

その為、1日目は空港近くのホテルにチェックインし、2日目にウランバートル市内を観光してから乗馬ツアーに参加した。

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ホテルの窓からの景色。

着いた時は夜で分からなかったが、明るくなるとモンゴルの夏の景色が広がっていて感動した。

 


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時間があったのでナラントゥル市場を訪れた。

日用品からゲルの材料まで手に入るといわれるほど、様々なものを雑多に販売している。

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民族衣装のデールもかなり大量に置いてある。

ちなみに、基本的には値札がついていない商品がほとんど。

28万トゥグルグ(1万2千円ほど)と言われ、最初はふっかけられてると思ったが、後から聞くと意外と正規の価格だった。現地の人も普段からよく着用しているのを見かける。


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モンゴルの議会議事堂前広場。

英雄チンギスハン像が入り口に鎮座しており、地域の人からの信仰を実感できる。

有名なドラマVIVANTでちょくちょく出てくる。

 

市内をぐるっと見た後、日本大使館の前でピックアップしてもらった。

 

ドライバーのアビーさんは現地の方だが、3年ほど日本に住んでいた事があり、日本語が話せるので安心。

なにしろ、モンゴル語は読むことができなければ話すこともできず、レストランで注文するのにもGoogle翻訳が欠かせない。

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余談だが、モンゴルではトヨタ車が人気で、中でも旧世代のプリウスが非常に多い。

 

アビーさんの車もプリウスで、理由を聞いてみると燃費が良いからだそう。

そりゃそうだと思うが、ロシアから燃料供給を受けているモンゴルは、昨今の情勢からガソリン価格高騰がめざましく、かなり切羽詰まった状況らしい。

加えて電車が走っていないので必然的に車移動が多くなる。燃費=ランニングコストに直結するのだ。

 

しかし面白いのが、カーナビに映っているのは日本語なのである。

恐らく日本からの中古輸入車がそのまま売られているのだと思うが、勿論カーナビにはモンゴル語は入っていないから、そのまま使うしかない。

アビーさん曰く、モンゴル人は日本語が分からない人が多いが、カーナビの中の日本語は全員が知っているとの事だった。

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そうこうしているうちに、ツーリストゲルに到着。

こんなにも広い空を見たのはいつぶりだろう。

丁度夕日が水平線に沈んでいく姿を見ることができた。

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夕ご飯も美味しそう。

シンプルな味付けで好感が持てる。

このツアーでは三食準備してもらえる為、気が楽だ。

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明日から念願の馬ライフが始まると思うとワクワクする。

知らない天井を見上げながら、明日への思いを馳せるのはとても好きな時間だ。

 

NZ day.14 僕はニュージーランドを知らない

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昨日の夜、自転車がウ○コまみれになった挙句何も釣れなかったことで、僕達の釣り欲に火がついてしまい、朝から釣り場に向かう。

帰国日だろうともはや関係ない。

僕達はトラウトが釣りたいのだ。

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まさかの朝5時発。

朝食を済ませ、テントも撤収するから鬼の4時起きである。
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しかし、そういう殺気だっているときには魚も勘づくのか、全く釣れない。

そういうものかと諦め、自転車を走らせる。

 

ちなみに今日は80km走らなくてはいけない。

自転車走行というのは、パンクやスポーク、チェーン切れ等、突発的なハプニングがいつ発生するか予測不可能だ。

締め切りが決まっている場合、できるだけ上記のようなリスクを減らすため、走行距離を少なくしたり、宿からバスや電車で向かったりする。が、今回は釣りに脳内を支配され、そんか考えが吹き飛んでしまった。

 

一体、僕がサラリーマン生活で学んだリスク管理だの、先読み行動というのは何だったのか。かれこれ3年も働いているが、全く身についていない。

 

今できることは、せめてトラブルが起きないよう、慎重にペダルを進める事だけだ。

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途中からはwakatipu湖沿いの風光明媚な道を走る。

クイーンズタウン南の山をぐるっと回るような設定されているaround the mountainトレイルだが、このwakatipu湖周りの舗装路区間は車によるピックアップ推奨となっている。

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アップダウンは多少あるが、車の中から見るには惜しい景色が広がっている。

 

舗装路は自転車道だとみなされていないのか、それともこんな景色はニュージーにありふれているからわざわざ走るまでもないのか、少し疑問に思う。

こんなにも綺麗なのに。
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そうこうしているうちに、クイーンズタウンに到着。

懸念していたことは何も起こらず、本当にスムーズに着くことができた。

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あまりにもスムーズ過ぎて時間が余ったので、トレイルと釣りで遊ぶことに。


クイーンズタウン内にもトレイルは各所に敷き詰められており、街中とはいえ、こんなダイナミックな景色を見ることができる。
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もしニュージーランドに生まれていたら、この景色が当たり前になっていたのかもしれない。そう思うと、少し寂しいものがある。

 

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最後に投げたルアーは、今まで耐えていたものが切れるように、wakatipu湖に飛んでいってしまった。

湖を汚してしまったのは申し訳ないが、何だかスッキリして終えることができた。

もっと釣りをして、自転車で走りたいが、また来れば良い。

 

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自転車をダンボール箱に入れて出国手続きをする。

ダンボールはニュージーランド航空のカウンターで買うことができるため、非常に楽。

 

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行きのようにダッシュすることもなく、ゆったりと飛行機に乗り込むと、あっという間に空の中へ。

さっきまで見上げていた山々が、眼下に広がっている。

そこには、僕達が二週間で通ってきた道のりが確かにあった。
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あそこの坂きつかったな、あの道綺麗だったなと思い出が蘇る。

自転車旅行の良いところは、通った軌跡がそのまま轍となり、記憶に残ることだ。

街や道、山や出会った人、魚達が、全て旅を彩る思い出になりうる。

 

そうしてふと目線を上げると、全く知らない山々が飛び込んできた。

そしてそれは地平線までずっと続いている。
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ああ、僕はまだニュージーランドを何も知らないんだな、と思った。

僕達が通った、経験したのは本当にほんの一部で、まだまだ知らない場所がこんなにもある。

ニュージーランドに入国した時よりも、少し知識が増えた分、余計にニュージーランドの懐の深さを実感できるようになった。

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次に来れるのはいつだろうか?

そしてその時は誰と、どんな旅になるのだろうか?

今はまだ見当もつかない。

でも、今の自分には見当もつかないような旅を将来の自分にはしてもらいたい。f:id:remaker314:20230709185335j:image

不思議と夕闇は地平線のすぐ上を残り続け、その場所だけ時が止まっているようだった。

 

南には、サザンクロスが煌々と光り続けている。

明日から仕事に戻ることが信じられないが、不思議と憂鬱な気持ちはなかった。

 

 

 

 

NZ day.13 マタウラ川にトラウトはいるか?②

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Lumsdenを中心に、南側を攻めた昨日とは打って変わり、マタウラ川北側を狙う。

そろそろ帰国日が迫っており、空港には近づきたいが、釣りはやめられないというわがままっぷりを発揮してしまう。

僕はサラリーマン生活で一体何を学んだのだろうか。

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まずはAtholのキャンプ場に荷物を置き、予約を済ませる。このキャンプ場は無人のため、ネット予約ができない。シャワーやトイレはあるため合法的キャンプができるのだが、土日はキャンピングカー勢とのサイト取り合い合戦が勃発する。

 

絶対にサイトを取りたい僕達は、チェックアウトの10時をすぎた瞬間に予約しに行き、我が物顔で荷物を広げた。

 

Atholの街にはトラウトカフェなるものがあり、出るメニューは普通のカフェと同じだが、トラウトにまつわる絵が飾られている。

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こんな大きくて美しいトラウトを釣りたいものだ。

トラウトカフェで英気を養い、いざマタウラ川へ。

昨日釣れなかった分、今日は釣れるのでは無いか、とパチンコ狂さながらの期待感を持って川へ向かう。

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A tholから南に5kmほど走ったところにマタウラ川への分岐があり、そこからは砂利道を走りながらポイントへ向かう。
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一つ目のポイントは橋の下で、かなり川幅が広く、流れもそこそこ強い。

何のアタリもなく、躍起になって投げていたらヤブウチが根がかっているのが見えた。
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それを見てほくそ笑みながら、自分は釣ってやるぞと投げる。

そんな邪心を見透かされたのか、僕も根がかった。

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この場所で撮影したのは魚ではなく、お互いの情けない姿になってしまった。

 

しかし、次のポイントでヤブウチが小さいブラウンを当てる。

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小さすぎて両手に収まるが、アタリがない僕にとってはとても羨ましい。

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20センチくらいで、まだ赤ちゃんサイズだが、流れも相まってかなり引く。

容赦なく水面から飛び跳ねるので、バレないよう必死になってしまう。


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ポイントを移動。路面自体が悪くないのと、景色も良いので移動は苦じゃない。


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3つ目のポイント。

一応今日行ける中では最奥ポイントで、是非ともここで釣りたい。

なんせ帰国日前日、釣りに専念できるのは今日がラストになる。

 

祈るように投げていると、良い感じに空気を読んでくれたブラウンが釣れてくれた。
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このサイズ、本来なら書くまでもないサイズではあるが、自分が釣ったことのない魚というのはどんなに小さくても嬉しい。

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満面の笑みである。

 

お互いにホクホクしながら帰路に着く。

本当に大したサイズも数も釣れていないが、僕達初心者にしたら、釣れただけで非常に嬉しい。ある意味1番幸せなのかもしれない。
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Atholのキャンプ場からは、自転車ですぐのところに川が流れており、ここも釣りのポイントになっている。
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しかしこの川に向かうには牧場を突っ切る必要があり、今回も例に漏れず牛が立ち塞がっていた。

 

ここまで何度も牛に阻まれ、泣かされ、撤退を余儀なくされていた僕達。

しかし、釣りに脳内を乗っ取られた人間とは醜いもので、気づけば『おらーーー!』と牛に向かって突進していた。

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逃げ惑う牛を横目に、川へ向かう。

入国したばかりの時はビクビクしていた二人が、逞しくなったものだなぁと感心していたら、思いっきり牛のウ○コを踏んだ。

彼らは逃げながらも、しっかり糞尿を垂れ流していく。いつ何時も油断できない、やるかやられるかの間柄なのだ。

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ちなみにこんなにも苦労してたどり着いたこの川では、全く釣れなかった。牛の祟りだろうか。

 

最終日にして、僕達は自転車を牛のウ○コまみれにし、とぼとぼと帰る。

ふと顔を上げると、ニュージーでは珍しい、満天の星とサザンクロスが輝いていた。

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NZ day.12 マタウラ川にトラウトはいるか?

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昨日Oreti川で惨敗を喫した僕達は、更に実績の高いマタウラ川に向かった。

自転車での移動は小回りは効くが、大幅なポイント変更は難しい為、事前の準備が不可欠だ。

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ネットとは便利なもので、釣果、入渓点、使用ルアーなどいくらでも情報が出てくる。

釣り上級者であれば自分流のやり方や川の選び方が確立されているだろうが、ガチ初心者の僕達にとってはこれが非常に有難い。

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今回はArdlussa方面と目標を定め、朝霧のかかる中出発。

釣りに脳内を侵された人間とは愚かなもので、普段は全く起きれない早朝でもテキパキと準備をこなし、100mのアップダウンも何も言わずにせっせと登る。

僕達は今日もトラウトを求めて血走っていた。

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第一入渓点に到着。

ここは牧場を横切るため、車から降りて通行しなくてはいけない。

自転車の唯一の利点を活かし、川まで突き進む。

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渓相は悪くない。

瀬の後に対岸にブッシュがあり、自分がトラウトならあそこにいるだろう、目の前にルアーが通ったら必ず食いついてしまうだろう…と思いながらルアーを投げてると、あっさり10投目くらいで釣れた。

 

やってきたのは40cmほどのブラウン。

流れはそこまで強くない為割とすぐに寄ってきたが、幸先が良い。

 

ちなみに、写真は無い。

 

なぜなら写真を撮ろうとして油断していたところ、綺麗に針を外して帰ってしまったからだ。

こうなると僕が釣ったと証明する手段は無くなってしまったわけだが、そこは信じてもらう他ない。

 

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2ポイント目。

実はここの前にもう一つポイントがあったのだが、見つけられずスキップしてしまった。

何匹かチェイス、バイトはあったが、釣り上げることができない。先行者らしき車が止まっており、魚が擦れてしまってたかもしれない。

 

僕はさっきの失敗を取り戻すべく、躍起になって投げまくってた挙句ルアーロストしてしまった。

リーダーというクッションの役目をする糸も失ってしまった為、ノットを結び直さなくてはならない。

すっかり不貞腐れて、重りと化していたドローンで撮影してみると、あまりの美しさにため息が出た。

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僕達はなんて贅沢な場所で釣りができているんだろう。

ここには釣りを遮る人や騒音、境界は存在しない。

鳥と虫達の囀りを聞きながら、足元までチェイスしてくれる無垢な魚達、それだけで十分じゃないか…

 

と悟りを開きかけたが、冷静になり竿を振り続けた。やっぱり僕は魚が釣りたい。

しかしそういう時に限り、魚は釣れないものだ。

 

 

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3ポイント目はcatle flatという奥まった場所。

途中から車では通行できず、柵を乗り越えて歩いていく必要がある。

ここもまた自転車の専売特許とばかりに突き進んで行くと、その先には…牛がいた。

 

正確には牛達がいて、僕達の前を通せんぼしていた。

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初日の悪夢が蘇る。

彼らは時間が経てば経つほど群れをなし、ところ構わず糞尿を垂れ流し、僕らのやる気を削ぐフィールド魔法を発動し続ける。

 

気づけばそこには巨大な沼地が出来上がっており、いかに釣りに脳を侵されていようと、サンダルで悪臭の漂う泥を踏み締めて行く情熱は無い。

 

次第に雨も降り始め、雨雲に後を押されるようにして、その場を立ち去った。

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走っても前から雨、走らなくても後ろから雨。

どこに行っても雨に降られながら、泣く泣くLumsdenに敗走。

 

今日は結局、ヤブウチと僕は二人ともトラウトを釣り上げることはできなかった。

マタウラ川でただ股裏を冷やしただけだ。


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ヤケになったので、宿に付属のレストランでしこたま食って飲んで寝た。

ベッドに倒れ込むようにして寝ていると、昼間の光景が蘇る。

一日中走り、竿を振り続け、ひたむきに自然と向き合うのは心地が良かった。

あとは釣れてくれさえすれば完璧だが、何かが欠けてるくらいの方が、案外丁度良いのかもしれない。