
Kushma - Pokhara - Kathomanth

今回の旅の目的の一つ、アンナプルナサーキット走行は無事叶った。もう一つの目的は魚を釣ることだ。
現地を自転車で走りながら現地で魚を釣る。
自転車では同じ道を走ることはあまり無い。
つまり、もし魚を釣ることができたなら、それは魚との一期一会であり、一筆書きの旅の中でとても印象に残る出来事になる。
今回も、勿論それを狙っていたのだが…
ここまでの道中、単純に自転車ルートとしての強度が高すぎて釣りの時間がほとんど取れなかった。
そうこうしているうちに、気づけば最終日である。

幸い、昨日雨の中頑張って走ったことにより、少し時間に余裕ができた。
朝5時起きでホテルを出発し、地図で目星をつけていたポイントへ向かう。朝日に照らされるマチャプチャレが神々しい。

ちなみに、ネパール河川での釣りをするためのルールやライセンス等は、なかなかインターネットで調べても出てこない。
本当は釣具屋やガイドに聞くのがベストだが、今回は行き合うことがなかったため現地の人に聞きつつ釣りができるポイントを探すことにした。

一つ目のポイントはダム下で水が良い感じに流れているところ。
魚影は見えないが、雰囲気はとても良い。ここであればいる可能性が高い、と思いつつ準備を進めていたのだが。
地元の少年2人がおもむろに現れ、僕達の様子を見るや否や、ルアーフィッシングはネパールで禁止されている、と言い始めたのだ。
実際に、ポカラ近郊ではルアーフィッシングは行われている。
もしかするとこの川が禁止なのか、ルールが変わったのか聞きたいというと、別の家に案内された。
そこではおじさんとおばさんが現れ、以下のことを説明された。
・ルアーフィッシングは禁止である。
・餌釣りはOK。
・ネパールの川は全部同じルールである。
僕としては、釣れるなら餌釣りでも良い。
但し、餌釣りのセットが問題で、錘となる石ころが2000円、餌が1000円と言うのだ。
…怪しい。
とても怪しい。
ネパールで餌釣りしかできないと言うのも聞いたことないし、他の地域の人もそんなことは言っていなかった。
しかも3000円というのは、観光客にとっては払えるかもしれないが、地元の人にとってはかなりの大金だろう。
地元の人が釣りをしているのを見た事があるが、そんな大金を払っているとは思えない。
極め付けは、話し方だ。
少年はおじさんとおばさんにニヤニヤしながら耳打ちをし、おじさんとおばさんは英語を話せないふりをして売りつけようとしてくる。

もうええでしょう!
色々と質問をしても、3000円が1セットだ、しか言わなくなったので、無視をして上流に進み、そこで別の人に聞くことにした。
ちょうどアンナプルナサーキットのACAチェックポイントがあったので、事務員に聞いてみると『何も問題ない。川のどこでもOKだよ』と言う反応。
ルアーもOKだし、魚もいるという。
さっきの彼らの言い分はなんだったのか。
都合が良いかもしれないが、ACAチェックポイントの人の方がルールには詳しく、正当であると判断し、こちらを信じることにした。

川の水量は多く、少し濁りがある。
季節は春なので、雪解け水が混じっているのだろう。
上流に上がると、少しマシになったので釣りを開始した。

しかしなんだろう、雰囲気は良いのだが、魚影が全くない。
チェイスもなければライズもない。
魚の存在を感じれない。
ネパールの魚はどこに行ってしまったのだろうか?
結局、魚の姿すら見えず、時間が来てしまったのでポカラに向かうことにした。完全敗北である。

ポカラに西側から入る際には峠を一つ越す必要がある。
10kmかけて600mほど登る、かなり長丁場の登りをゆっくりと確実にこなしていくと、次第に景色が開け、眼科にポカラの街が見え始めた。

そこからはひたすらダウンヒル。
マチャプチャレやアンナプルナ峰を眺めながらの舗装路の下りはかなり気持ち良い。
正直、僕達を(恐らく)騙そうとして時間を無駄に使わせた少年たちに結構イラついていたのだけど、このダウンヒルでそんな気持ちは吹っ飛んだ。ありがとう下り坂。


ポカラ近郊まではすぐにたどり着いた。
ポカラの街は美しい、とよく現地の人から聞いていたので期待していたのだが、僕はあまりそう思わなかった。

理由は交通である。
ボッコボコの道、縦横無尽に走り回るバイクとタクシー、鳴り響くクラクション…
そこは一般的なアジアの街と何一つ変わらない、喧騒な街並みであった。

バイクとのマリオカートを楽しみつつ、早々に空港へ。
着いてから気づいたが、後輪がパンクしていた。それほど、街中のマリオカートは白熱していたということだろう。

ポカラ空港からはブッダエアーでカトマンズまで一度飛ぶ。
あまり情報が無かったが、ブッダエアーに自転車は輪行バックで超過料金なく乗せることができた。
ブッダエアーはよく遅延すると聞いていたが、飛行機も早い便に変えてもらうことができ、結果的に時間通りに到着することができた。
カトマンズに戻った理由は、一日目の宿に預けておいた段ボールを回収するため。
忘れて捨てられてないか心配だったが、しっかり残しておいてくれたおかげで無事梱包できた。

そして最後の夕食はやはりダルバート。
きつい時、疲労が溜まった時、なぜか食べたくなるのはダルバートだった。最後ということもあり、盛大に三度ほどおかわりし、眠りに着いた。
これで、今回の旅は終了。
この後、火曜日の朝に日本に到着し、そのまま僕は出社した。
遊んで帰って、すぐ仕事があるということはサラリーマンの特権だと思う。
本当に幸せなことだ。
今回の旅は、特に時間の無さと体力の減衰を感じた。
7年前、大学院生の時に僕は休学して9ヶ月間自転車で旅をした。
その時は時間も体力も有り余っていた。
やろうと思ったことを、すぐ実行に起こすことができた。
今は状況が違う。
僕は結婚して家族がいるし、仕事もある。
その中で日々トレーニングをし、時間を見つけ、休みを作るのは中々難しい問題ではある。しかし、そんな困難を乗り越えて集まる仲間がいる事は、とても勇気づけられた。
今後とも、面白いことを見つけ、行動し続けたい。
このブログが、同じような思いの人の一助になっていれば嬉しい。
それでは、また次の旅で会いましょう。



























































































































