飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

【ニュージーランド自転車釣り旅】 day.14 僕はニュージーランドを知らない

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昨日の夜、自転車がウ○コまみれになった挙句何も釣れなかったことで、僕達の釣り欲に火がついてしまい、朝から釣り場に向かう。

帰国日だろうともはや関係ない。

僕達はトラウトが釣りたいのだ。

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まさかの朝5時発。

朝食を済ませ、テントも撤収するから鬼の4時起きである。
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しかし、そういう殺気だっているときには魚も勘づくのか、全く釣れない。

そういうものかと諦め、自転車を走らせる。

 

ちなみに今日は80km走らなくてはいけない。

自転車走行というのは、パンクやスポーク、チェーン切れ等、突発的なハプニングがいつ発生するか予測不可能だ。

締め切りが決まっている場合、できるだけ上記のようなリスクを減らすため、走行距離を少なくしたり、宿からバスや電車で向かったりする。が、今回は釣りに脳内を支配され、そんか考えが吹き飛んでしまった。

 

一体、僕がサラリーマン生活で学んだリスク管理だの、先読み行動というのは何だったのか。かれこれ3年も働いているが、全く身についていない。

 

今できることは、せめてトラブルが起きないよう、慎重にペダルを進める事だけだ。

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途中からはwakatipu湖沿いの風光明媚な道を走る。

クイーンズタウン南の山をぐるっと回るような設定されているaround the mountainトレイルだが、このwakatipu湖周りの舗装路区間は車によるピックアップ推奨となっている。

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アップダウンは多少あるが、車の中から見るには惜しい景色が広がっている。

 

舗装路は自転車道だとみなされていないのか、それともこんな景色はニュージーにありふれているからわざわざ走るまでもないのか、少し疑問に思う。

こんなにも綺麗なのに。
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そうこうしているうちに、クイーンズタウンに到着。

懸念していたことは何も起こらず、本当にスムーズに着くことができた。

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あまりにもスムーズ過ぎて時間が余ったので、トレイルと釣りで遊ぶことに。


クイーンズタウン内にもトレイルは各所に敷き詰められており、街中とはいえ、こんなダイナミックな景色を見ることができる。
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もしニュージーランドに生まれていたら、この景色が当たり前になっていたのかもしれない。そう思うと、少し寂しいものがある。

 

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最後に投げたルアーは、今まで耐えていたものが切れるように、wakatipu湖に飛んでいってしまった。

湖を汚してしまったのは申し訳ないが、何だかスッキリして終えることができた。

もっと釣りをして、自転車で走りたいが、また来れば良い。

 

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自転車をダンボール箱に入れて出国手続きをする。

ダンボールはニュージーランド航空のカウンターで買うことができるため、非常に楽。

 

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行きのようにダッシュすることもなく、ゆったりと飛行機に乗り込むと、あっという間に空の中へ。

さっきまで見上げていた山々が、眼下に広がっている。

そこには、僕達が二週間で通ってきた道のりが確かにあった。
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あそこの坂きつかったな、あの道綺麗だったなと思い出が蘇る。

自転車旅行の良いところは、通った軌跡がそのまま轍となり、記憶に残ることだ。

街や道、山や出会った人、魚達が、全て旅を彩る思い出になりうる。

 

そうしてふと目線を上げると、全く知らない山々が飛び込んできた。

そしてそれは地平線までずっと続いている。
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ああ、僕はまだニュージーランドを何も知らないんだな、と思った。

僕達が通った、経験したのは本当にほんの一部で、まだまだ知らない場所がこんなにもある。

ニュージーランドに入国した時よりも、少し知識が増えた分、余計にニュージーランドの懐の深さを実感できるようになった。

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次に来れるのはいつだろうか?

そしてその時は誰と、どんな旅になるのだろうか?

今はまだ見当もつかない。

でも、今の自分には見当もつかないような旅を将来の自分にはしてもらいたい。f:id:remaker314:20230709185335j:image

不思議と夕闇は地平線のすぐ上を残り続け、その場所だけ時が止まっているようだった。

 

南には、サザンクロスが煌々と光り続けている。

明日から仕事に戻ることが信じられないが、不思議と憂鬱な気持ちはなかった。