飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

【ニュージーランド自転車釣り旅】day.12 マタウラ川にトラウトはいるか?

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昨日Oreti川で惨敗を喫した僕達は、更に実績の高いマタウラ川に向かった。

自転車での移動は小回りは効くが、大幅なポイント変更は難しい為、事前の準備が不可欠だ。

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ネットとは便利なもので、釣果、入渓点、使用ルアーなどいくらでも情報が出てくる。

釣り上級者であれば自分流のやり方や川の選び方が確立されているだろうが、ガチ初心者の僕達にとってはこれが非常に有難い。

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今回はArdlussa方面と目標を定め、朝霧のかかる中出発。

釣りに脳内を侵された人間とは愚かなもので、普段は全く起きれない早朝でもテキパキと準備をこなし、100mのアップダウンも何も言わずにせっせと登る。

僕達は今日もトラウトを求めて血走っていた。

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第一入渓点に到着。

ここは牧場を横切るため、車から降りて通行しなくてはいけない。

自転車の唯一の利点を活かし、川まで突き進む。

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渓相は悪くない。

瀬の後に対岸にブッシュがあり、自分がトラウトならあそこにいるだろう、目の前にルアーが通ったら必ず食いついてしまうだろう…と思いながらルアーを投げてると、あっさり10投目くらいで釣れた。

 

やってきたのは40cmほどのブラウン。

流れはそこまで強くない為割とすぐに寄ってきたが、幸先が良い。

 

ちなみに、写真は無い。

 

なぜなら写真を撮ろうとして油断していたところ、綺麗に針を外して帰ってしまったからだ。

こうなると僕が釣ったと証明する手段は無くなってしまったわけだが、そこは信じてもらう他ない。

 

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2ポイント目。

実はここの前にもう一つポイントがあったのだが、見つけられずスキップしてしまった。

何匹かチェイス、バイトはあったが、釣り上げることができない。先行者らしき車が止まっており、魚が擦れてしまってたかもしれない。

 

僕はさっきの失敗を取り戻すべく、躍起になって投げまくってた挙句ルアーロストしてしまった。

リーダーというクッションの役目をする糸も失ってしまった為、ノットを結び直さなくてはならない。

すっかり不貞腐れて、重りと化していたドローンで撮影してみると、あまりの美しさにため息が出た。

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僕達はなんて贅沢な場所で釣りができているんだろう。

ここには釣りを遮る人や騒音、境界は存在しない。

鳥と虫達の囀りを聞きながら、足元までチェイスしてくれる無垢な魚達、それだけで十分じゃないか…

 

と悟りを開きかけたが、冷静になり竿を振り続けた。やっぱり僕は魚が釣りたい。

しかしそういう時に限り、魚は釣れないものだ。

 

 

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3ポイント目はcatle flatという奥まった場所。

途中から車では通行できず、柵を乗り越えて歩いていく必要がある。

ここもまた自転車の専売特許とばかりに突き進んで行くと、その先には…牛がいた。

 

正確には牛達がいて、僕達の前を通せんぼしていた。

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初日の悪夢が蘇る。

彼らは時間が経てば経つほど群れをなし、ところ構わず糞尿を垂れ流し、僕らのやる気を削ぐフィールド魔法を発動し続ける。

 

気づけばそこには巨大な沼地が出来上がっており、いかに釣りに脳を侵されていようと、サンダルで悪臭の漂う泥を踏み締めて行く情熱は無い。

 

次第に雨も降り始め、雨雲に後を押されるようにして、その場を立ち去った。

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走っても前から雨、走らなくても後ろから雨。

どこに行っても雨に降られながら、泣く泣くLumsdenに敗走。

 

今日は結局、ヤブウチと僕は二人ともトラウトを釣り上げることはできなかった。

マタウラ川でただ股裏を冷やしただけだ。


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ヤケになったので、宿に付属のレストランでしこたま食って飲んで寝た。

ベッドに倒れ込むようにして寝ていると、昼間の光景が蘇る。

一日中走り、竿を振り続け、ひたむきに自然と向き合うのは心地が良かった。

あとは釣れてくれさえすれば完璧だが、何かが欠けてるくらいの方が、案外丁度良いのかもしれない。