飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

旅情報: アウストラル街道 世界一の林道

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未舗装でなおかつ急なアップダウンがあるものの、その景観と、手付かずの大自然が自転車乗りを魅了し、いつしか世界一の林道と呼ばれるようになったアウストラル街道。

 

勿論これまで数多のサイクリストが通っているため、情報は沢山あるのですが、過去のよりは最新の情報を。ということでまとめておきます。

 

*2018年3月1日現在、Villa Santa Lucia の土砂崩れは解消され、昼間のみ通れるようになっています。そのため、チャイテンまでフェリーで行き、その後自転車で走るルートを採用。

 

期間 :3/2 〜3/24 (22日間) 

 

【ルート】

 

:プエルトモント 〜 チャイテン (フェリー)

チャイテン 〜 オイギンス 自転車

オイギンス 〜 エルチャルテン フェリー & 自転車

 

アウストラルの始発点プエルトモントからはフェリーが出ており、チャイテンからスタートする事ができる。自転車で走ることもでき、チロエ島を通ってフェリーでチャイテンに来るチャリダーも多い。その場合、3〜5日ほど更にかかる。

チャイテンからはルート7に従って南下すれば良い。1日の走行距離は50〜80キロくらい。

オイギンスからはアルゼンチン側のエルチャルテンまでフェリーとトレッキングルートを通ることになる。この国境越えが壮絶であり、出来れば避けたいところではあるけど、オイギンス手前の景色がかなり良いのでチャリダーなら最後まで見て廻る事をお勧めします。

一応、セロカステージョ 、コイアイケ、コクランからアルゼンチン側に抜ける事ができ、40号線で南下することも可能。そっちはそっちで景色が綺麗らしい。

 

【自転車屋状況】

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コイアイケ、コクラン、オイギンスに自転車用品を売っているショップがあります。品揃えはまちまちで、コクランのはブレーキシューやワイヤー等の消耗品だけでした。他は知らないけど、割と品揃えは良いらしい。

セロカステージョ 以降未舗装になりブレーキシューの減りが尋常じゃないレベルになるので換えのシューはほぼ必須であると思う。

他に、オルトリーブやキャリアのネジがかなり飛ぶので換えのネジ、チューブ、心配ならタイヤもあった方が良い。僕はペルーから走ってきた後輪のタイヤがバーストしました。

 

【舗装状況】

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世界一の林道と聞いていたのでてっきり全面未舗装かと思っていたのだけど、走行した1000キロのうち、600キロはアスファルト舗装されていた。区間で言うとチャイテン〜セロカステージョ まで。思ったよりアスファルト舗装は進んでおり、このままのペースで行くと三年後にはオイギンスまで舗装されてるのではないかと思う。

 

【食料補給】

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補給地点は南へ行けば行くほど少なくなるので食料の買い出しは計画的に。といっても地図に名前が乗るような村には商店の一つか二つは必ずあります。値段は南へ行くほど高くなっていく。

コイアイケ、コクランには大型のスーパーがあり、買い溜めするならおすすめ。基本的に4〜5日分の食料を携帯し、途中に寄った村でパンやクッキー等の補給食を補充するスタイルで走っていた。

無補給最長区間はコクラン〜オイギンスの230キロ。水は川から汲んでそのまま飲めるが、雨の降ったあとだと水に泥が混じり茶色くなるので雨が降る前、できれば曇りか晴れを一日挟んだ後がベスト。まぁ茶色くても飲めるんだけど。

 

【天候】

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雨が非常に多い。凄い多い。ムカつくくらい多い。1日のどこかではほぼ確実に小雨が降り、間違いなく3日に一回はまとまった雨が降ります。晴れ男、晴れ女を連れて行きましょう。

 

気温に関しては、昼間は半袖短パンかもしくは長袖、雨が降れば上下の雨具を着る程度で問題なかった。放射冷却や標高が高い場所でのみ、雨具の下に防寒具を着用したくらい。水濡れ以外で寒いと感じたことはあまりなかったですが、夜は零度前後まで冷えていました。まぁテントに入れば問題なし。

 

【宿情報】

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基本的には野宿、たまにキャンプ場、村で休みたい時はホテルかカバナを取っていた。

野宿場所は林の中、川沿い、草原等選り取り見取りで夕方頃ふらっと走りながら物色していれば適当な場所を見つける事ができる。治安もすこぶる良く、熊やコヨーテなど危険な動物もいないし、雨が降っていなければ焚き火をして思う存分キャンプ生活を楽しむ事ができる。

 

キャンプ場は村の周囲20キロくらいに存在する事が多く、値段は5000ペソくらい(約900円)

オススメはコイアイケ手前40キロの川沿いのキャンプ場、エル・ブランコの村はずれにあるキャンプ場が良かった。とにかく雨が多いので、野宿するにせよキャンプするにせよ、木や岩で風と雨除けができるところでテントを張るのが吉です。

 

ホテルに関しては、僕は四人で行動していたのでカバナ(貸切ロッジ)を取る事が多かった。値段は一人12500ペソ〜15000ペソ(約2000〜2500円)程。一般的にホテルが一泊10000ペソを下らないので、人数が多いならカバナの方が快適に過ごせると思う。主に大雨が連続した日のシェルターとして使っており、テントや洗濯物を一気に干せるのでおすすめ。

 

たまに走っていると道の横に廃屋のような建物があるのを見かける事があるが、その多くが実はチャリダーの避難所となっている。勿論私有地なので人が住んでいるのか、住んでいる痕跡はあるかどうか見極める必要があるが、使われていない小屋であれば休憩、宿泊時大いに役立った。自己責任でどうぞ。

 

【観光ポイント】

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基本的には走っているだけで天気が良ければめちゃくちゃ綺麗な景色が見れます。天気が良ければ。

一応観光ポイントで言うと、プユアピの後の氷河、セロカステージョ トレッキング、リオトランキーロのマーブルカテドラル、オイギンスからフェリーで行く氷河ツアーが挙げられる。

天気と日程の関係上僕が行ったのはマーブルカテドラルだけだけどまぁ、行って損はないかな、といった感じ。そもそもアウストラルは一つの観光を楽しむような場所ではなく、ここを通る事が既にチャリダー、バイカーにとっては観光のようなものだと感じた。

 

景色に関しては、セロカステージョ を境に段違いに良くなる。僕の好きなポイントはリオトランキーロ周辺とオイギンス村の手前。時間がない人はコイアイケまで飛行機で飛んでそこからエルチャルテンまで走行、というルートでも存分にアウストラルを楽しむ事ができると思う。

 

【最後に】

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僕達は日程に余裕がなく、チャルテンからオイギンスまで20日間で走るという強行ルートで行ったが、かなり楽しむ事ができた。毎日大自然と大いに戯れる事が出来、天気が良い日はキャンプ生活全ての至福が詰まっていると言っても過言ではない、贅沢な時間を過ごせた。

驚く事に、バックパッカーの人も多く、バスやヒッチハイクで村と村を行き交っていた。トレッキングルートも多いし、物価が高い事を気にしなければ自転車やバイクじゃなくても楽しめるのだと思う。

 

少し気がかりなのは、やっぱり日程がカツカツだったのでここの村良いな、と思った時に連泊出来なかったこと。後は、晴れた湖で釣りをしながらぼーっとしたり、景色の良いところでひたすらたそがれる、なんて事も出来なかった事はちょっと残念だったかな。でもそのくらいで、他に特に気になるような事はなく、今でもやっぱり楽しかったな、と思えるステキな場所です。