飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

day.223 風は気まぐれ世は情け


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El cerrito - 南西130キロ地点

 

夜吹き荒れていた風の音と、一緒に寝ていた猫がよく動くことと、僕のテントの横で骨をボリボリと囓るワンちゃんのおかげで昨日は全然寝れませんでした。おはようございますやしまるです。ああ無情…

 

とはいっても三面壁と屋根に囲まれた空間で一晩過ごせたのは助かりました。作業員の人にお礼を言って、出発。

 
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朝は雨がポツポツ降っており雲行きもめちゃくちゃ悪かったんですが、進むほどになぜか天気は良くなり、昼頃にはこんなに晴れました。本当に天気が読めない。

 
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風も走り出した途端ピタッと止み、ほぼ無風の状態に。まぁ追い風だったのであまり止んで欲しくなかったんですが、方向変わって吹き荒れるなんてことよりはまだマシと考える。

 
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そういえば、これまで40日も4人で行動してたので一人でこの何もないパンパを走ったら寂しさ爆発するんじゃないかと心配していたんですがどうやら杞憂に終わりそう。

走ってる時は自分のペースで行くのが丁度良いし、写真撮ったり水飲んだりもほんとうに自由だし。あまりの違和感の無さに自分でもびっくりしました。僕は一人でうら〜と走ってるのが性に合ってるんですね。

 
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昨日までの起伏あるパンパは終わり、正真正銘真っ平らで何もないパンパが今日の道。

ここまで何もないとは……

 
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三時間走っても景色が変わらないただ一つの平野。PAMPA

まじで走るか歌でも歌うかくらいしかやる事がありません。

 

しかしそれでも130キロ走り、川沿いのキャンプ場に到着。川に反射する木々が無風っぷりを表してます。


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数少ない木も、緑から黄色に確実に変わってきています。季節の変わり目にいることを嫌でも実感させられる。早く夏が完全に終わる前にウシュアイア に着きたいものです。

 

そして今日はここで泊まるかもう少し進むか悩んでいたんですが、、ここでさっきまで無風だったのが一瞬で向かい風に変わる。しかも雨付き。驚くべき早さで嵐になる一帯。

 

キャンプ場には当然屋根はなく、トイレも簡素であまり綺麗ではない…そして風を防ぐ木も心許ない。ということで、

 
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選ばれたのは橋の下でした。

いやー橋の下パイセンパネェっす。

さすがホームレス御用達の場所ですね。

風は完全には防げていないけど、雨をガードできるのは有難いです。ごめんキャンプ場。

 

明日には追い風になってることを祈ります。

というかカラファテからリオガジェゴス までのこの区間、方向的に追い風で2日あれば行けると思ったんですけどね、パタゴニアの風を頼りにするのがそもそも間違いなようです。無念!!

 

走行距離130キロ

合計距離11775キロ

 

 

 

 

day.222 目指す先は世界の果て


El Calafate - El cerrito 

 

自転車も直り、僕の体調も結果的に3日休みだいぶ回復しました。あとは進むだけ!おはようございますやしまるです。

 

朝は予報通り雨がポツポツと降っていたのですが、昼前には上がり、青空が見え始めたのを機に宿から出発。もうこの街とはお別れしたい。というか早く離れないと更に連泊してしまいそうで怖い。

 
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幸い特に何も問題は起きずに進む事が出来ました。

 

目の前に広がるのは広大な平野、パンパ。

チリ海岸沿いに流れる寒流が引き起こす風がアンデス山脈を通る事によって乾燥した強風となり、それが吹き荒れることにより背の高い木が育たず、一面雑草か砂に覆われた不毛の土地

と高校の時教科書で読んだ気がします。

たしかに、当時高校生だった僕が思い浮かべていた景色と全く相違のない情景がここにはあります。

 

でも違う点が一つ。

習った通り、パンパは何もない、そして地平線まで真っ平らな平野だと思っていたんですが、案外登る。。。

 
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なんかやたら登るなぁ、パンパってこんなんだっけ、と思いながら実に一時間ずっと登ってました。まさか坂が8キロも続いているなんて!

 
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あの下の平野に道作ればいいじゃん!と最初は思ってたんですがまぁ景色が良いからいっか。

 
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その後は僕が思っていた通りの平原が広がっていました。しかも、東に向かっているのでかなり強い追い風になる。

 



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昼過ぎに出発したけど、6時前にはカラファテから90キロ地点に到着。ここにはチリのプエルトナタレスとアルゼンチンのリオガジェゴスへ向かう道の分岐があり、ついでに道路整備?の従業員の施設があります。

 

風的にはもう少し行こうかと思ったけど、雨もポツポツきてるし、何よりかわいい猫がいたのでここにテントを貼らせてもらうことに。


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完全に陣取られています。

 

屋根も壁もあり、ポータブルの水まである、素晴らしいシェルターです。

今回は僕だけだけど、シーズンには多い時20人のチャリダーがここに泊まることもあるんだとか。従業員の人も完全に対応慣れてましたし。

 

何にせよ、風と雨を防げるのはとてもありがたいです。ここから先は、風との闘いになる。

世界の果て、ウシュアイア まであと900キロを切りました。さぁラストスパート、気を引き締めていこう!

 

走行距離90キロ

合計距離11645キロ

 

 

day.221 カラファテから…出られない……

El Calafate 

 

合計5泊してしまったカラファテでの滞在。

まぁこれまでほぼずっと動き続けてきたので日程的には問題ないのだけど、そろそろ動かなくてはならない!と朝から気合いを入れて荷物を片付ける。

 

一昨日まではゆうちゃんとさとちんも一緒だったけど、二人がいない今僕が四人部屋を独り占めしており、当然荷物は散らばる。結局、全部まとめるのに一時間もかかってしまいました。

 

宿の人には僕が体調悪い時良くしてもらい、何か軽いものでも作る?と言ってくれるほどよいオーナーさん達でした。値段も200ペソ(1040円)で悪くない。wifi、キッチン、ホットシャワー有りとなかなか良物件だったのでは!

 
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そんな誘惑を振り切り、いざ走り出す!!

病み上がりで、一昨日なんて何も食べてないのでパワーが出るわけなく、坂を登るたびに息が乱れますが、それも坂を超えるたびに少なくなっていく。追い風もあって、どんどん気持ちは開放的になる。


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気づけば街はあんなに小さくなってました。

バイバイ、カラファテ!!

 

そして事件は起きた。

もともと僕の左ペダルは調子が悪くたまにゴキッ!と鳴ることがあったのですが、今日は特に悪く、ゴキッガキッゴキッッッ!と鳴って、でも調子悪いのはいつもだしなーと思ってそのまま走って…………最終的にはポロッと取れました。

 
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えぇ……(困惑)

 

なんすかねー、もうほんとに、はー全く、、、と本当にブツブツ言いながら拾い上げると、ある事に気がついた。

 

これ……ネジの溝削ってない??( ゚д゚)

 

ペダルを付けるのはくるくる回すだけなのでいいんですが、無理やり外れたのでペダルとチェーンリングを繋ぐ部分、クランクの溝が完全になめちゃってます。はい。

 

という事は。

 

これはもし自転車店に交換部品が無かったらクランクごと総取っ替えになるかもしれない。

そしてもしそうなると、お金がかかる。かなーりかかる。

 

はーーーーーーと深いため息をつきながら、僕は来た道を戻るのでした。

 
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カラファテからはとっくに15キロくらい進んでおり、更にこの区間はアップダウンが多い。そして当然西に戻るので向かい風。

片足だけでも回してやるぜ!!と意気込んだ最初は良かったけど最終的には下り以外死んだ目で歩いてました。。

 

なんだかなぁ、2日寝込んで、回復したと思ったら今度は自転車が壊れる。

僕もチャリもボロボロだ。

ネガティブなのはきっとまだ体調が戻ってないからだ、、、

 

 

街に戻り、もう全てが面倒臭くなり、5泊した宿にもう一度チェックイン。そのまま自転車屋へと向かいました。

 

 

幸い、この店には新しいペダルとクランクの溝部分だけ在庫であり、それを付けてもらうことで解決しました。お値段1150ペソ(5750円)なり。

 

 

直って良かったけど、

 

事故した訳でも怪我した訳でもないけど、

 

自転車旅ってやっぱ甘くないわーと思いつつ、早めに寝る事にします。こうなったらふて寝だふて寝!!

 

 

 

ちなみに、明日からの天気予報、これ。

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………自転車旅って本当に甘くないですね……

 

 

 

走行距離30キロ

合計距離11585キロ

 

day.217 - 220 我肉食う、故に我あり

El Calafate 

 

今朝震える手で、とあるスマホのボタンを押しました…そのページとは、スカイスキャナー!

そう!!【帰国日が決まりました!】

 

5/2 15:35 羽田空港

GWのど真ん中に帰国しますー!!

 

1週間ほどずっとカレンダーとチケットとにらめっこして、この日程にしました。

帰国後は一旦長野に戻り、その後地元仙台、後に九州、関西、中部、関東とお世話になった人達を回って行きたいと思っています。ぜひぜひ会ってくれると嬉しいです!!( ´▽`)

 

 

で、今いるのはエルカラファテ 。

この街は近くにペリトモレノ氷河という世界的にも有名な氷河があり、そのトレッキングツアーを行う会社でメイン通りは常に活気に満ちています。それだけでなく、マウンテンバイク、馬、はたまたターザンロープのようなもので氷河を楽しむツアーもあり、氷河はこの街の一大アトラクションでもあるわけです。

 

しかしきになるのはそのお値段。

氷河トレッキングに参加すると、相場で5000〜5500アルゼンチンペソ(26000〜27000円)かかり、おそらく僕の財布もターザンの如く吹き飛んでしまう。

 

そこで僕は考えた…

 

氷河行く金で肉食べた方が幸せになれるのではないかと……!!!

 

決断したら行動は早い。早いですよ僕達は。

スーパーに行き、買うのは勿論、肉!!!

 

昨日ぽりえの送迎会したばかりというのに、ひき肉ドーン!と買って400gハンバーグ(一人分)を作ったり

 
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肉をドドーン!!と買って!

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1キロステーキ(一人分)を作ったり!!

(誰だこのホームレスは…)

 

もうやりたい放題でした。

だって安いんだもの。牛肉1キロ700円くらいですし。ワイン2リットル300円くらいですし。そして何より美味しいですし!

 
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さて、問題は幸せになれたのかという点なんですが、、、、、、

 

結果的にいうとダメでした。

 
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おそらく400gハンバーグが生焼けだったらしく、その溢れんばかりの油と大量のにんにくが相まって僕のお腹の中で化学反応を起こし大爆発しました。要するにお腹を壊しました。

 

この壊し方が尋常じゃなく、1日は全く動けず、その次の日は自分でおかゆを作るのがやっと、といった感じ。

 

ゆうちゃんとさとちんも僕が意識朦朧としている中颯爽と日本へ帰って行きました…あぁ…わざわざ南米までありがとうございました……なんかこんな最後でごめん……

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何事も丁度良いが良いんですね、僕はまた一つ賢くなれたようです。

 

最初の話に戻ると、この氷河で有名な街で僕が五日間のうちにした事は、3日間食べて、2日間寝込んだ。

 

………以上、現場からでした。

day.216 酒池肉林の追い出しコンパ!

El Chalten 南西180キロ - El Calafate 

 

昨日の風の試練によりエルカラファテまでたどり着けなかった僕ら。しかし、今日の夜の便で日本に帰るぽりえの南米追い出しコンパはしてあげたい。

 

作戦を変更し、朝早く出発して昼前にエルカラファテに着き、しこたま酒と肉を買うことにしました。よっしゃー行くぞぉぉおぉおお!!!

 

ここから先は西に向かって進む。北東から風が吹くので、向かい風を真っ向から受けながら進むこととなります。昨日の風を思い出し、恐々とする僕ら。しかし、幸運にも、今日は無風でした。

 
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紅に染まった朝日の中出発!

風が吹かないという事がどれだけありがたい事か……自転車はふらつかないし、グングン進むし。昨日は何だったんだと言わんばかりにこいでいく。

 
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目標のエルカラファテには、あっさりと10時前には到着。ホテルも取り、自転車から荷物を運び込む。よし、じゃあパーティの準備を始めますか……!!

 
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近くのスーパーでチーズと肉2.5キロとワイン2ℓ、ビール2ℓ、ガンシア1ℓを購入!!


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そしてこれを焼く!

 
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焼く!!!

 
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焼く!!!!

 
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うおぉぉおぉおぉおおお!!肉のパンケーキタワーやーー!!

 

そして!これを!

大きく口を開けてガブリ!!!

 
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んーたまらーん!!

酒と肉とチーズが安いこの国は最高ですね。。。

 
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今までの苦労も相まって、話は弾む、酒は進む。

あの坂はきつかったーとか、あの道は綺麗だったーとか、ツナは元気にしてるかなーとか。

ここまでの40日間、短かったようで滅茶苦茶濃い日々でした。間違いなくこの旅のハイライトになるでしょう。。

 

ぽりえが出発する前に、夢を聞きました。

『やりたいことを、全てやる!』

 
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何か一つ好きな事をすると、また更にやりたい事が増える、夢とは進めば進むほど広がっていくものだと思っています。

今やりたい事を全部やり終わっても、今度はまた新たな目標が生まれてしまうでしょう。

どんな事にこれから挑戦していくのか、そしてそれが終わったら今度はどう発展していくのか、ぽりえの将来がとても楽しみです。

 
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バイバイ!また日本で会いましょ〜!

 

そこから残された僕とゆうちゃんとさとちんは爆睡。深夜まで起きませんでした。

 

残りの二人もあと三日で帰ってしまう。

楽しかった南米も残り僅かとなってきています。

今後の予定を決めるため、僕はここエルカラファテで3泊する事にしました。

 

走行距離40キロ

合計距離11555キロ

day.215 風の試練

 

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El Chalten南西55キロ - 南西180キロ

 

パタゴニア地方では風の方向が決まっており、北東、つまりはフィッツロイ方向から吹き下ろす形で基本的には風が吹く。

この風が厄介で、パタゴニアを走るチャリダーにとって大きな障害となっています。

 

昨日は南西に向かったためほぼ追い風となりましたがら見てください今日の行程。

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序盤は追い風なんですが途中は横風、そして最後は…向かい風。

実はぽりえの飛行機日程が迫っており、今日中に次の街エルカラファテに着きたいところ。ですが暴風吹き荒れる中160キロ進まなくてはなりません。ああ嫌だ…

 

万全の体制を整えるべく全員七時起きからの八時半出発。まだ太陽が出きっていない少し薄暗い中出発します。

 
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最初の20キロまでは追い風。朝からそれなりに強い風が吹いておりここはチュンで走る。が!!分岐を曲がった途端、風向きが変わり、途端に横風となって襲いかかってきました!

 
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僕もパタゴニアの風はヤバいという事はしっているし、風向き的に辛い行程になるということは重々承知の上でした。でも、これまでの風とは一線を画すもので、横風といえど進まない!!

 
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写真で見るとこんな良い景色ですが、地平線からゴォォオオオオ!!!と轟音が轟き思わずよろめいてしまうほどの風が吹きすさぶ。

 
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写真では全く分からないけど、実際は煩いほど空気がうごめいているのです。何これきっつー!!

 

 

そしてそのうち登り区間に入る。

登りといってもたった170mのアップなんですが、これが顔が歪むほどしんどい。

 
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パタゴニアの風がどのくらい強いかというと、僕は今体重と自転車本体、荷物含め120キロくらいの重さがあるんですが、この重量の物体が下りでも止まりそうになるほど。

それが上りで更に向かいからふかれたらそりゃたまったもんではありません。

 

時速3キロ、いや2キロほど、もはや歩いたほうが早いペースで一漕ぎ一漕ぎ進んで行く。こうなったらもう意地の勝負だ!

 

絶対に歩かない。風にも負けずに登りきってやる!!!何度も言い聞かせて、言い聞かせてなんとか登り切る。

たった170m何ですけどね、、、

 
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登った後は下り、でも勿論スピードは出ず厳しい道中が続く。このままでは全員街につくことは難しい、そう考えた僕達は作戦を立てることにしました。

 

明日の夜に飛行機で日本に帰るぽりえの為に何とかして今日中に街に着いて、酒盛りをしてあげたい。ので、まずは僕とゆうちゃんで先行して街に行き、ホテルと買い出しを済ませる。マウンテンバイクのさとちんとぽりえは後からきてもらい、揃い次第南米からの追い出しコンパの開催、これでいこう!!

 

街までは70キロ。時刻は5時。頑張れば日没までに着けるだろうか…といったところ。

 
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ここからは道の向きがちょっと変わり、追い風になってくれると見て僕達は動いたんですが、非常にも同じタイミングで風向きが変わったんですよね……

 

突如襲いかかる横風。

ゆうちゃんを風除けにして付いていけるかやっと、というところ。

それでも耐えて耐えて耐えて、こいで、街まで35キロの分岐点の近くの橋に差し掛かった時、

 

僕達は悟った。

無理です。

 

ここまで走ってきたけど、風が強くなって、まるで壁のように僕達を阻む。

自転車にへばりつくのがやっとで、とても前には進めない……

おそらくこのまま進んでも街に着くのは夜22時、皆が揃うのは24時とかになってしまうでしょう。そもそもスーパーもホテルも閉まってしまうし、それじゃ本末転倒です。

 

 

幸い、その近くに風が防げる木と空き地があったので今日はそこでキャンプすることにしました。すまぬぽりえ……

 
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皆でする最後のキャンプは、風が吹き荒れるなか唯一の台風の目のような場所で、粛々と進められるのでした。

 

走行距離125キロ

合計距離11515キロ

day.214 パタゴニアの風に吹かれて

El Chalten - 55キロ南東地点

 
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星空にうつつを抜かし、起きたのは…六時。

予定では…五時。寝坊です(´Д` )

おはようございますやしまるです。

 

寝坊したので早く出発しなきゃ!と急ぐも、やっぱり温かいものを取らねば体は動かぬ。何たってマイナス8度ですから。そんなこんなしてると、出発は七時半に。

 

空は明るくなり始め、遠くではやや橙色に染まりつつある。まずい、急がなくては……!!

 

princenot campgroundからフィッツロイの展望台までは2キロですが、約400mアップのきつい傾斜が続く難所です。しかも川が凍結し、道の至る所で氷が張り付いている。

 

この氷が非常に厄介で、僕のスポーツサンダルはグリップが全く効かずツルンツルン滑るし、暗くて見分けが付きにくい。

バックパックも背負っていたので膝に負担がかかり、いつもより疲れが増す。

 

しかしフィッツロイの朝日が見たい一心で突き進む。あのオレンジに染まった恥ずかしがり屋の奴が観たいんだ…!!

 

 
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後ろでは新海誠ワールドのような朝焼けが輝く中、一時間ほどかかり頂上に着いた先に見えたのは……

 
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一片たりとも隠さない全てを曝け出したフィッツロイの姿がありました!

 
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朝日で真っ赤に染まったその堂々とした姿に暫く見とれてしまう。凄い…凄いな全く。

 

時間が経つと色は変化し、赤から橙色、そして黄金へ。

 
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眩くばかりに陽の光を反射して、それが洪水のようになって押し寄せる。なんだこの光景は、、圧倒されるばかりでした。

 
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黄金色のショーが終わると、今度は写真で見た事のある風景へ。でも、一つだけ違う。

 
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麓の湖の反射が半端ない!!( ゚д゚)

いやいやいや、フィッツロイにこんな楽しみかたがあったなんて、全く知らなかったです。

 

この日、朝は風があったのですが徐々になくなり、気づけばほぼ無風状態に。天然の大鏡面の完成です。

 
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全く、シャイボーイと呼ばれたフィッツロイはどこに行ったのでしょうか。普段は隠れに隠れている、そんな姿を微塵も想像させないくらい全てを見せつけてくる彼に僕達も負けるわけにはいかない。

 
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お目汚し失礼しました。

でもこんな事、社会人になってからはできないでしょう?外人達も笑ってたし、皆が楽しければそれでいいのです。

 
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そんな茶番も過ごし、下山へ。

降りる最中も、後ろを振り返れば奴がいる

 
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不思議なことに、どんなに進んでも大きさがかわらない、寧ろ周りの山に囲まれて尚一層その存在感を増していく。

 
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恥ずかしがり屋だけどカッコいい山でした。次は違う角度からも見て見たいな。

 
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エルチャルテンに戻り、そのまま一泊…しようと思ったんですが、やっぱり走ることに。

何故なら、エルチャルテンは物価が物凄く高いんです!!

 

只でさえ辺境の地にあるのに、観光客が押し寄せたらそりゃインフレするでしょうよ。チョコ一枚750円ってなんやねん。

 

しかも村にはatmが二個しかなく、3000ペソ(15000円)までしか下ろせない。しかも手数料に123ペソ(約615円)かかるという!!なんやねーん!!

 

フィッツロイも観れたし、早急にこの村を出よう!となり、もう少し大きな街エルカラファテを目指すこととしました。

 
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エルチャルテンを出るとすぐにパンパと呼ばれる草原が広がります。この植生はアルゼンチン側のパタゴニアの広範囲に見られ、低い草と木に覆われた平原が地平線まで伸びるのが特徴。

 
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僕達はこれまで鬱蒼とした森の中を1000キロ走ってきました。アップダウンは激しく、しかもその大部分が未舗装。ここは舗装路で平原。。


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そしてパタゴニアの風は基本的に北東から吹くので、南西に向かっている今は強力な追い風となる。するとどうでしょう。

スイスイ進むではありませんか!!!

何だこれ!ガタガタしない!ぬるぬる動く!!アップダウンもない!!

 

もしかして僕達…!

私達!!

風になってるーーっ!?(*゚▽゚)

 
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皆『パンパ!パンパ!!』と連呼し、脳内レベルも幼稚園児になるほど歓喜の乱舞をしていました。まぁ実際、伊豆のアップダウンを散々走り倒した後に北海道の直線路を見たら感動するでしょうね。そんな感じです。

 

気持ちの良い追い風に吹かれ、前にはパンパの大草原。後ろにはフィッツロイの城のような姿を眺めながら、今日の野営地へ。

 
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道路脇に良い感じの廃屋を見つけ、今日も今日とてキャンプです。肉とワインを買ってきたのでいつもよりちょっとリッチな夜(いつも通り…?)を過ごし就寝。

 
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色々と濃い1日でした。

 

走行距離55キロ +トレッキング20キロ

合計距離11465キロ