飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

day.247 お金に関するあれやこれや

Cien Huegos - Giron

 

宿の人に聞いた話によると、今日いこうと思っている海岸沿いに、キューバ1綺麗なところがあるらしい。ワクワクするなぁ。

 

そんな話を聞いたら、もういてもたってもいられずいつもより大分早い8時には出発。早すぎて昨日のアイス屋はまだ空いてませんでした。

 
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そういえばシエンフエゴスから国道沿いに西へ向かうルートで数多くのロード乗りのひとたちとすれ違いました。キューバロードバイクってあるんだ!!というのと、乗っていたのが少年達で2度驚きました!二年前にはレース機材どころかスポーツ自転車屋すら無かったという話を耳にしたので、キューバは日々発展しているのを実感。

 

いつもは午前中快晴の事が多いんですが、今日は朝から曇り模様。海沿いに行けば回復するかな…と思っていたらまさかの雨に。まじすか。

なかなか強い雨だったのでたまらずレストランに入りました。

 
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このレストラン、街と街の間にあるようなよくあるカフェだったのですが、値段も良心的で雨も降っていたので少し早めのお昼はご飯にする事に。

鶏肉のグリルとサラダ、ジュースで22cup(88円)やたら安いなぁと思いつつ、会計に向かうとそこで問題は起きた。

1cuc = 110円 1cup = 4円 1cuc = 25cup )

 

メニュー表にはcupで鶏肉が20、ジュースが1と記載されており、僕はジュースを二杯もらったので確かに22cupの支払いです。

しかしレジでは『じゃあ5cuc(550円)ね』と言われる。

 

え?と思い再度尋ねると、やっぱり5cucらしい。僕は注文する前にメニュー表の表記がモネダ(cup)であることを確認していたので、それはおかしい、22cupのはずだ、と主張すると、それは現地人の価格で旅行者用ではないという。

 

じゃあ言えよ!書けよ!o(`ω´ )oと思いつつ、何が何円か確認してみると、鶏肉とサラダで3cuc、ジュースが一杯1cucなのだと言う。

 

ここで僕は納得がいかなかった。

鶏肉が3cucというのはわかる。20cup(80円)にしては大きいし、しっかり味付けがされていたのでたしかに75cup(3cuc分)を払う価値は十分にあると思った。

 

でもたったコップ一杯の、それにかき氷シロップを水で薄めたようなジュースに1cuc(110円)払うのは納得がいかない。普通、キューバでコップ一杯のジュースといったら2.3cup(8〜12円)が妥当。おととい飲んだ美味しいカクテルで1cucだし。いくらなんでも高すぎる。

 

そう主張すると、僕のスペイン語なのでうまく伝わったのかは分からないけど、『5cucよ。あなた達と私たちではお金の価値が違う』と帰ってきました。

 

流石に僕もカチンときて、旅行者はお金があるから多く取っていいわけじゃない、このジュースには1cucの価値はない、それにちゃんとメニュー表に書くべきだ、と伝えてはみたもののやはり伝わらない。(伝わらないふりをしているだけかもしれませんが…)

 

月給が平均2000円〜3000円のキューバ人にとって、1日に使える金額は100円程度。つまり20cupほど。確かに、彼らにとっての22cup(88円)はぼくたち旅行者にしたら5cuc(550円)と同じかもしれない。もしくはそれ以上か。

 

 

『お金の価値が私達と貴方達では違う』

この言葉が妙に引っかかり、30分の睨み合いの末、結局僕は5cucを支払いました。

 

二通貨制度、社会主義のこの国にいると、あまりに他国と違いすぎてピンとこない時があります。

そもそも僕はお金がある人が多く払うべきという制度は好きじゃない。

お金を得られるのはその人にそれだけの価値があるからだし、日本が国際的に経済有利を保っていられるのは企業戦士達が日夜を問わず今も働いているからであって、とても悪く言えば仕事も時間もテキトーなこの国とはそもそも違うのだ、と思う。

 

でも彼らがお金を得にくいのは社会主義だからであり、そこには彼らの努力はあまり加味されない。仕事をしたからといってお金が比例する訳ではないこの国では他国と金銭価値が変わってしまうのは致し方ないことでもあるし、ゆっくりとした雰囲気はこの国の魅力でもあるわけです。

 

 

うーーん、実際どうなんだろうこの制度。

僕は資本主義のような、努力した人が報われるべきという意見に賛成だからなかなか良いように思えないんです。医者や弁護士になれる資格を持ってもタクシー運転手の方が稼げるから、勉強が無駄になるという話も聞くし、特にキューバは医療や学問が発達しているから勿体無く思う。

でも街を歩いてもホームレスはいないし、衣食住が国から提供されることにより治安は非常に良い。制限は多いけど、その中ではある程度の自由が保障されているから国民にとっては住みやすいのかもしれない。

 

 

ちょっと視点を変えてみる。

デートの時、男性が多く払うべきという意見に当てはめてみるとしよう。

この際、一般的に収入が多い男性は『海外旅行者』、収入が比較的少なく、化粧や生活用品にお金がかかりやすい女性を『キューバ人』とする。

 

バーで飲んだとして、会計が10000円、二人で割ればそれぞれ5000円ですが、先ほどのお金の価値に当てはめると7:3, もしくは8:2くらいになるとする。男性における7000円と、女性における3000円は金額は違うけど互いにとって同じくらいの割合の出費になるという事ですね。

 

こう考えるなら、僕は旅行者とキューバ人にとって同じ金額でも価値が違う事がよく分かるし、デートの時少し多く払ってあげたいという気持ちにもなるし、納得もする。

逆にもし会ったばかりの人に貴方の方が収入多いから、多く払ってくれない?と言われたらイラつくでしょう。いくらこちらが多いとは言え、なんじゃそりゃ、と。

 

つまり、相手の金銭事情がよくわかり、信頼できる関係であれば問題はないのでしょう。

僕が引っかかるのは、会ったばかりの人にお前の方が金持ちだから多く払えと言われる部分。それも座って携帯片手に言われたらねぇ。要するに僕は制度ではなく人柄にイラついていたんだと思います。

 

……というのを雨が降りしきる中考えていました。考えるというか考察に近いですが。

難しい問題だけど、ここまで金銭価値について考える機会はなかったので、良い勉強になったと思います。。。

 

というか、今までが安すぎたんですよね。屋台でご飯を食べると100円あればお腹いっぱいになりますし、少々現地通貨に依存し過ぎていたのかもしれません。地球の歩き方にも、『節度を持った使い方をしましょう』と書かれていたし、今までは現地通貨を"使わせてもらっていた"ということにようやく気づきました。

でもちゃんと金額表示していないおばちゃんも悪いと思うよ僕は。

 

そんな昼下がり。答えが出ると天気も回復してくる。雨が弱くなったタイミングで、ヒロンまで進むことにしました。

 

綺麗だと言われる海はあと15kmほど進んだ先だけど、雨が止むようにも思えなかったし走る気も失せたのでそのままカサへ。

この村、驚くことに道沿いの家全部カサ!

こんなに観光客が来るのかこの村は……

 
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一応、昔革命が起きた時アメリカ軍が攻めてきたけど、あまりにも小さい村にアメリカ側が驚いて、本部と確認を取っている間に撃退された、という逸話がある村だけど、特に何かがあるわけではない…

 
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値段も観光地価格。ピザが1cucだと!!(普段なら6cup(24円)くらい)しかもwifiって名前なのにwifiないし。なんやねん。

 

お金の価値かぁ。考えさせられるなぁ。

 
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まぁお腹減ってるので食べるんですけどね。日本感覚でいけば安いので。

 
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この後、村をぶらぶらした後カサに帰るのですが、道中一人のリキシャ(自転車タクシー)のおっちゃんに着いてこられ、やれ無料で乗せてやるぞやらラム酒飲むかやら言われ、僕はさっきの件もあり物凄く警戒していたんですが、彼は本当に親切で話しかけてくれてたらしく、結局無料で、そしてラム酒やピーナッツまでいただいたりしました。

 

なんだかもう人がわからーーん!!

カオスです。良い人なのかそうでもないのか、見た目じゃ全くわからないっていうのが難しいところ!ステータスで頭の上に表示されたりしないかな。でもまぁ最後優しい人に出会えたのは良かった。

 

 

…久しぶりにネガティブな投稿になりましたが、お陰様ですっきりしました。

明日はまた海に行きます!!ラスト3日、楽しむぞーー!!よっしゃーーー!

 

走行距離80キロ

合計距離13240キロ