飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

day.229,230 エンパナーダを食べに行こう!

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Rio Grande - Tolhuin 

 

リオグランデのキャンプ場では結局2泊しました。膝にかなり負担がかかっているようだったし、天気も良くなかったし、そしてそろそろYouTube も見たかったし…!

 

幸いキャンプ場の近くにスーパーマーケットがあり野菜や果物を買うことができました。

最近お腹の調子がすこぶる悪く何を食べても素通りしている感じがあったのでビタミンと食物繊維をしっかり摂取する。ほんとう、僕のお腹は過酷な場所であればあるほどその弱さを遺憾無く発揮してくれます。

 

ヒーターのついた部屋でひたすらネットで遊びながら養生し、野菜と果物を食べまくり、ゴロゴロしていたおかげで今はむちゃくちゃ元気になりました!

 

 

そんな素敵なキャンプ場のオーナー、グラシエラさんに夢を聞いて見ました。

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Hola ! Mi Sueno es que lleguen a casa Azul .

Hermosos espiritus como el tuyo !

Gracias duende del camping !! A seguir los Suenos !! Abrazote . 

 

『この小さなキャンプ場に来てくれるあなた達のような強い心を持つこと。』

 

聞けばこのキャンプ場は二年前にオープンしたばかりで、前は違う場所でホステルを営業してたんだそう。でも客と合わずに、今のキャンプ場のスタイルにしたらしい。

この自分の家の空いたスペースでキャンプしていいよ、というスタイル、僕もかなり好きです。オーナーも使うので整頓されてる事が多いし、何より客と管理人とはっきり別れないアットホーム感が居心地が良いのです。

 

実を言うと、アルゼンチンの人ってスペイン語に訛りがあるのと早いので聞きづらい、なおかつ伝わりづらいので会話が難しかったんですが、グラシエラさんは僕の言いたいことをしっかりと聞いてくれて、単語の意味を調べる時もゆっくりまっててくれたので安心して会話をする事が出来ました。これも居心地の良い理由の一つだと思う。

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リオグランデに行く時はぜひぜひこのキャンプ場La Casa Azul de Graciala をお勧めします!(主にチャリダー、バイカーしか行かないと思うけど…)素敵なおばちゃんが歓迎してくれるはずです!

 

リオグランデからは海沿いに向かって進んでいきます。今日は良いことに追い風。悪い事は続くっていうけど、良い事も続くものです。

海岸線を気持ちよく走っていく。


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そのうち、山の中へ入っていきます。

驚いた事に、木が生えている!勿論そこまで大きくはないのですが、今まで草原一辺倒だったのでなんだか新しい発見をしたみたい。紅葉もギリギリ残ってくれているようです!

 
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追い風のおかげでビューンと進み、気づけばトルウィンの村へ着いてました。ここにはある用があります。

 
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それは…パン屋さんに泊めてもらうこと!


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なんと27キロも前から看板を出しているこのパン屋さん、チャリダーにはとても有名な所で、オーナーさんが無料でここに来たサイクリスト達を泊めているのです。

リオグランデから90キロ、ウシュアイアまでも100キロという絶妙な立地にあるため多くの自転車乗りがここのパン屋に集まる。ハイシーズンには人が溢れるくらい集まるそうです。

 

現在はもう秋も終わりかけ、寒い中自転車をこぐ季節外れのチャリダーは少なくこの日は僕と二人組のバックパッカーのみ。

部屋にはベットが丁度三つあり、実にエルカラファテ ぶりにベットで寝れる事になります。

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壁にはびっしりと今まで泊まってきたサイクリスト達の書き込みが。そしてそこには知っている日本人のメッセージもありました。

 
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ここのことは、実は日本にいる時から知っていました。数々の日本の自転車旅行者達がこのパン屋にお世話になり、そのブログや写真を通じて日本の僕に届いていたのです。

 

 

その記事を読んでいた頃は、まさか自分がここに来るなんて思っていませんでした。まさか、海外を自転車で旅するなんて。そんな世界があるなんて。あの頃は想像もできなかったなぁ。

 
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そんな数々の先人達と、今僕は同じ場所にいる。。。勿論、距離も経験も全然違うけど、確かに同じ土俵に立っているのです。


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なんだかジーンと来るものがあります。

 

コメントにも書いてある通り、ここはパン屋でエンパナーダが絶品らしい。ので僕も食べに行ってみました。店に入ると、まずその品揃えに驚く!

 
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パンだけで20種類、そのほかケーキも同じくらい種類があり、チョコレート等のお菓子も作っている。すげー!!!南米入ってこんな規模のパン屋見たことないっすよ僕!

 
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肝心のエンパナーダも7種類くらいあり、じゃあ5種類ほど貰おうかとオーナーさんに言うと、

 

…無言で7種類のエンパナーダを容器に入れて渡してくるではありませんか!

 
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えぇ!?( ゚д゚)と驚く僕に対し、無言でd( ̄  ̄)グッとしてくるおっちゃん。

 

おっちゃん…漢だよ……!!

チャリダーっていうだけでこんなに恵まれていいんだろうか。感謝です…

 

ちなみに味はめちゃくちゃうまかった!!!!

すげえ美味い。なんだこれ。パリパリ生地に噛むと肉汁が溢れてくる。すげぇ。南米一だよ、おっちゃんプロだよ…頬が勝手に緩んでにやけながら食べてると、

またおっちゃんがd( ̄  ̄)グッとしてくる。ほんとうに、ありがとうございます。大変美味しゅうございました!!

 

部屋に戻ってすぐ、僕もコメントを壁に書かせて貰いました。今日は感謝ばかりだ。ウシュアイアまであと100キロ、あと1日か2日で到着するけど、良い気持ちで明日走り出せそうです。とりあえず明日の朝もエンパナーダ食べに行こう。今度は買わせてもらうぞ、おっちゃん!!

 

走行距離90キロ

合計距離12330キロ

day.228 自転車の原点


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- Rio grande 

 

雨風に晒されることのなく小屋の中で目覚める。隙間風は無いものの、周りに何もない平地にポツンとある形状のせいか、夜中は特に冷えました。水たまりが凍っているところを見ると−5℃くらいまで下がったんじゃなかろうか。寒いっす。

 
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壁に書かれたコメントを見ると、どうやらこのバス停はチリ政府が自転車旅orヒッチハイク旅をしている旅行者用兼工事員用として建てたものらしい。チリはほんとにこういう小さい所に手が届くというか、気が効くんですよね。この100km圏内に街などない辺境の地にある小屋にどれだけ多くのサイクリストが助けられてきたか、小屋の壁にびっしりと書かれたコメントが物語っています。

 

そんな小屋を出発し、今日は東へ!

朝から強い西風が吹いており、追い風となって僕を押してくれる。May the wind be with you ! 何度も頭の中でヨーダの声で再生される、、、良い言葉です。

 

オナイシンの小屋からアルゼンチン側のイミグレまでは道は未舗装になるんですが、何故かすぐ横に使われてない(工事中?)舗装路があり、自転車ならばガードをスルスルと抜けて入って行くことができます。

結果、50キロほど車も来ない、綺麗な道を進むことができました。ついてる、今日はついてるぞ!!

 
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景色は今日も変わらず平坦路で何もない草原が広がる。パンパに入ってもう10日ほど経ち、この景色に飽きてきたかというと、そうでもない。

地平線まで無限にある世界を力いっぱい好きなだけ追いかけることのできる、これって自転車の楽しさの原点みたいなものなんですよね。

 
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自分自身の力で目的地を目指す、この単調に見えて単純な作業こそ旅の中で唯一最初から変わらないスタイル。

チャリって意外とシンプルイズベストな手段なんですよね。何も考えずに、ただただ進めば良い。

 

追い風も相まって、久しぶりに自転車に初めて乗って近くの公園を駆け回った時の気持ちを思い出しました。

 
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昼前にはチリ側のイミグレーションへ。出国の際は特に荷物検査はされないので、スタンプを押されて終了。10キロほど進んでアルゼンチンの入国の時も同じです。

 
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しかしここまでは東に進んでいたので追い風を目一杯受けて最高に楽しかったんですが、ここから先は進路は南になり、曲がった瞬間から追い風が凶悪な横風へと変貌する。

 

 

はーーっと深いため息を吐いて、今日も今日とて消耗戦。でも昨日は横風+向かい風だったのに対し今日は横風のみ。フラフラしながらペダルを回し続け、6時頃にリオグランデの街へ到着。

 
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てっきりフエゴ島にある街なので寂れているんだろうと高を括っていたら、案外新しく発展した街のよう。建物も街も綺麗で、交通量もかなり多くなる。

 

この交通量が非常に厄介で、今まで一時間に数台しか来ない道を通っていたので非常に鬱陶しく感じました。日本帰国後が心配ですね…

 

宿は高いのでそのままキャンプ場へ。

リオグランデには大層評価の高いキャンプ場があって、僕もそこへ行って見ると噂通りめちゃくちゃ優しいオーナーさんに歓迎され、手厚くもてなしてくれました。

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エルカラファテ から1週間、ずっと風と戦ってそろそろうんざりしてきたので、ちょっとここで休憩しようかと思います。

というか、もう暴風雨の中走りたくない……(´Д` )

 

走行距離130キロ

合計距離12240キロ

旅情報: アウストラル街道 世界一の林道

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未舗装でなおかつ急なアップダウンがあるものの、その景観と、手付かずの大自然が自転車乗りを魅了し、いつしか世界一の林道と呼ばれるようになったアウストラル街道。

 

勿論これまで数多のサイクリストが通っているため、情報は沢山あるのですが、過去のよりは最新の情報を。ということでまとめておきます。

 

*2018年3月1日現在、Villa Santa Lucia の土砂崩れは解消され、昼間のみ通れるようになっています。そのため、チャイテンまでフェリーで行き、その後自転車で走るルートを採用。

 

期間 :3/2 〜3/24 (22日間) 

 

【ルート】

 

:プエルトモント 〜 チャイテン (フェリー)

チャイテン 〜 オイギンス 自転車

オイギンス 〜 エルチャルテン フェリー & 自転車

 

アウストラルの始発点プエルトモントからはフェリーが出ており、チャイテンからスタートする事ができる。自転車で走ることもでき、チロエ島を通ってフェリーでチャイテンに来るチャリダーも多い。その場合、3〜5日ほど更にかかる。

チャイテンからはルート7に従って南下すれば良い。1日の走行距離は50〜80キロくらい。

オイギンスからはアルゼンチン側のエルチャルテンまでフェリーとトレッキングルートを通ることになる。この国境越えが壮絶であり、出来れば避けたいところではあるけど、オイギンス手前の景色がかなり良いのでチャリダーなら最後まで見て廻る事をお勧めします。

一応、セロカステージョ 、コイアイケ、コクランからアルゼンチン側に抜ける事ができ、40号線で南下することも可能。そっちはそっちで景色が綺麗らしい。

 

【自転車屋状況】

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コイアイケ、コクラン、オイギンスに自転車用品を売っているショップがあります。品揃えはまちまちで、コクランのはブレーキシューやワイヤー等の消耗品だけでした。他は知らないけど、割と品揃えは良いらしい。

セロカステージョ 以降未舗装になりブレーキシューの減りが尋常じゃないレベルになるので換えのシューはほぼ必須であると思う。

他に、オルトリーブやキャリアのネジがかなり飛ぶので換えのネジ、チューブ、心配ならタイヤもあった方が良い。僕はペルーから走ってきた後輪のタイヤがバーストしました。

 

【舗装状況】

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世界一の林道と聞いていたのでてっきり全面未舗装かと思っていたのだけど、走行した1000キロのうち、600キロはアスファルト舗装されていた。区間で言うとチャイテン〜セロカステージョ まで。思ったよりアスファルト舗装は進んでおり、このままのペースで行くと三年後にはオイギンスまで舗装されてるのではないかと思う。

 

【食料補給】

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補給地点は南へ行けば行くほど少なくなるので食料の買い出しは計画的に。といっても地図に名前が乗るような村には商店の一つか二つは必ずあります。値段は南へ行くほど高くなっていく。

コイアイケ、コクランには大型のスーパーがあり、買い溜めするならおすすめ。基本的に4〜5日分の食料を携帯し、途中に寄った村でパンやクッキー等の補給食を補充するスタイルで走っていた。

無補給最長区間はコクラン〜オイギンスの230キロ。水は川から汲んでそのまま飲めるが、雨の降ったあとだと水に泥が混じり茶色くなるので雨が降る前、できれば曇りか晴れを一日挟んだ後がベスト。まぁ茶色くても飲めるんだけど。

 

【天候】

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雨が非常に多い。凄い多い。ムカつくくらい多い。1日のどこかではほぼ確実に小雨が降り、間違いなく3日に一回はまとまった雨が降ります。晴れ男、晴れ女を連れて行きましょう。

 

気温に関しては、昼間は半袖短パンかもしくは長袖、雨が降れば上下の雨具を着る程度で問題なかった。放射冷却や標高が高い場所でのみ、雨具の下に防寒具を着用したくらい。水濡れ以外で寒いと感じたことはあまりなかったですが、夜は零度前後まで冷えていました。まぁテントに入れば問題なし。

 

【宿情報】

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基本的には野宿、たまにキャンプ場、村で休みたい時はホテルかカバナを取っていた。

野宿場所は林の中、川沿い、草原等選り取り見取りで夕方頃ふらっと走りながら物色していれば適当な場所を見つける事ができる。治安もすこぶる良く、熊やコヨーテなど危険な動物もいないし、雨が降っていなければ焚き火をして思う存分キャンプ生活を楽しむ事ができる。

 

キャンプ場は村の周囲20キロくらいに存在する事が多く、値段は5000ペソくらい(約900円)

オススメはコイアイケ手前40キロの川沿いのキャンプ場、エル・ブランコの村はずれにあるキャンプ場が良かった。とにかく雨が多いので、野宿するにせよキャンプするにせよ、木や岩で風と雨除けができるところでテントを張るのが吉です。

 

ホテルに関しては、僕は四人で行動していたのでカバナ(貸切ロッジ)を取る事が多かった。値段は一人12500ペソ〜15000ペソ(約2000〜2500円)程。一般的にホテルが一泊10000ペソを下らないので、人数が多いならカバナの方が快適に過ごせると思う。主に大雨が連続した日のシェルターとして使っており、テントや洗濯物を一気に干せるのでおすすめ。

 

たまに走っていると道の横に廃屋のような建物があるのを見かける事があるが、その多くが実はチャリダーの避難所となっている。勿論私有地なので人が住んでいるのか、住んでいる痕跡はあるかどうか見極める必要があるが、使われていない小屋であれば休憩、宿泊時大いに役立った。自己責任でどうぞ。

 

【観光ポイント】

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基本的には走っているだけで天気が良ければめちゃくちゃ綺麗な景色が見れます。天気が良ければ。

一応観光ポイントで言うと、プユアピの後の氷河、セロカステージョ トレッキング、リオトランキーロのマーブルカテドラル、オイギンスからフェリーで行く氷河ツアーが挙げられる。

天気と日程の関係上僕が行ったのはマーブルカテドラルだけだけどまぁ、行って損はないかな、といった感じ。そもそもアウストラルは一つの観光を楽しむような場所ではなく、ここを通る事が既にチャリダー、バイカーにとっては観光のようなものだと感じた。

 

景色に関しては、セロカステージョ を境に段違いに良くなる。僕の好きなポイントはリオトランキーロ周辺とオイギンス村の手前。時間がない人はコイアイケまで飛行機で飛んでそこからエルチャルテンまで走行、というルートでも存分にアウストラルを楽しむ事ができると思う。

 

【最後に】

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僕達は日程に余裕がなく、チャルテンからオイギンスまで20日間で走るという強行ルートで行ったが、かなり楽しむ事ができた。毎日大自然と大いに戯れる事が出来、天気が良い日はキャンプ生活全ての至福が詰まっていると言っても過言ではない、贅沢な時間を過ごせた。

驚く事に、バックパッカーの人も多く、バスやヒッチハイクで村と村を行き交っていた。トレッキングルートも多いし、物価が高い事を気にしなければ自転車やバイクじゃなくても楽しめるのだと思う。

 

少し気がかりなのは、やっぱり日程がカツカツだったのでここの村良いな、と思った時に連泊出来なかったこと。後は、晴れた湖で釣りをしながらぼーっとしたり、景色の良いところでひたすらたそがれる、なんて事も出来なかった事はちょっと残念だったかな。でもそのくらいで、他に特に気になるような事はなく、今でもやっぱり楽しかったな、と思えるステキな場所です。

day.227 May the wind be with you !!

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- Onaishin 

 

深夜遅くまでフェリー待ちのトラックや車が長蛇の列を作っている横で、ぐーすかと気持ちよく寝れるレベルには野宿スキルが戻ってきました。おはようございますやしまるです。

 

そんな列も朝にはほぼ無くなっていたのでもしかしたらフェリーは結構遅くまで運行しているのかもしれません。そんな一人ぼっちの朝、まずはご飯を作ります。

 

最近ハマっているのが、このスープパスタ!

パスタを茹でて、そのままそこにコンソメと粉ミルクをぶち込むだけなんですが、パスタの茹で汁がいいとろみを出し、ありえん美味い。

しかもパスタでネックな茹で汁も水分として補給できるし、掃除も簡単。おススメです!

 

 

インフォメーションでwifiと電源を使わせてもらい、しっかり準備した上で、よし、今日も行くか〜!

 

と道路に出たら後輪がパンクしている事に気づき、直してたら結局11時過ぎに。まぁこんな日もある…

 

 
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海を跨いだことで景色に変化が出ると思ったんですがそんな事は一切なく、目の前にはお馴染みのパンパが広がる。

 
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そして風は強い。パタゴニアは今日も元気です。

 
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本日のルートは南西に向かう道。風は西から吹いているので、横風+向かい風といったところ。

勿論昨日よりは風の勢いは落ちているけど、それでも今の時期あの冷風を横から受け続けるのは体力を大幅に削られる。

そしてそういう時に限って雨も降る。


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完全に消耗戦といった感じで、身も心も擦り減らしながら進んでいきました。

 

 


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途中、羊の大群に出くわす。

草の中にぼこぼこした塊あるなぁと思ってたの、全部羊でした。

一応柵があったので飼われているのだと思うのだけど、この数を管理しきれるのでしょうか……

 
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結局この日は日暮れまで走る事に。

途中、ギリギリ泊まれそうな避難所はいくつかあったのですが、今日は行きたい所がありました。

 
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それがここ、オナイシンの交差点にあるバス停!

今まで数々のチャリダーが泊まっており、中には感謝の落書きがびっしり。

ここのことはこれまであったチャリダーに教えてもらっていたのでどうしても来てみたかったのです。

 
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当然、ここで宿泊!

雨風凌げるのは本当にありがたい。

2日連続で風にボコボコにされているので脚がかなりしんどくなってきました。こんな日に飲む酒は美味いぜ。

 

そんな中、寝る前にふと目に付いた文字。

 
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『May the wind be with you ! 』

『風のご加護がありますように!』

思わずふふっと笑ってしまいました。良い言葉だ。

明日は風のご加護があると良いなぁ。

 

走行距離130キロ

合計距離12110キロ

 

 

 

day.226 かぜ と たたかう !

- Punta Espora

 

部屋の中で雨風におびえることのない夜を過ごし、濡れたものも全て乾き昨日失ったものを全て取り戻しました。おはようございますやしまるです。

 

朝国境警備の人にお礼を言いに行くと、 更にコーヒーをご馳走になり、結局何から何まで至れり尽くせりでした。しかも、『ここは初めてか?ハハハ、チリにようこそ!!』といたって陽気。チリってほんとに良い国ですわ。

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最後に写真を撮る。ありがとうございました!!

 

外に出ると昨日あんなにどんよりしてた雲が全て吹き飛ばされ、快晴。そして、、、、

 

50km/hの向かい風。

すっかり忘れてましたこいつの存在を。

昨日走ったおかげでだいぶ短くなったものの、向かい風区間はあと30キロほど続いてるんですよねー、、、

今日もテンションは低めでスタート。

 
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僕はこれまでパタゴニアの強風というのは日本で言う台風とか春一番とかそのくらいに考えてたんですが、そんなチャチなもんじゃぁ断じてなかった。

 

天災とか、大災害とか、その類のレベル。これは大げさに言ってる訳ではなく事実を述べています。

そんな風の中当然自転車には乗れず、押すしかないんですが、押せない。

正しく言うと押しているのにじりじりと後ろに押し返される。

凄いですよ、まだまだピチピチの23歳が本気で体重をかけて自転車を押しているのに、ビクともしないんです。

まるでオブジェか標識のようにその場に留まり続ける。これが精一杯。なんすかこの罰ゲーム。

 

ようやく風が弱まった所でグイグイ進み、体が前のめりになったところで急激に風が吹き、今度は後ろにべしゃんとなぎ倒される。今日だけで何回この冷たい大地に投げ出された事か…こんなの初めて!!きええええええ!!!(´Д` )

 

そんな戦い(ほぼ敗北)を繰り返すこと一時間半、ようやく一つ目のバス停に辿り着く。

 
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チリの良いところって、こういう避難所的なバス停が10キロおきにあることなんですよね。チャリダーにとって死活問題レベルのシェルターがちゃんと用意されている。

しかも屋根、壁ともにしっかりと作られておりゴミ箱も完備。なかも綺麗。やっぱりチリ好きですわー。

 

ここに着いたのはまだ11時だったんですが、正直今日はここに泊まっても良いと思えるくらい。というか外に出たくない。あの風の中これ以上進むのは得策ではない。

それに、無理をすると負担が溜まっている膝にあまりよろしくない。普段から痛む訳ではないんですが、長い坂道や向かい風があると、最近痛みを感じるようになりました。

 

 

でも、走らないと進まないんですよね。凄い当たり前だけど、それが事実で。幸いなことに、10キロ先にもまたバス停があるし、今日はまだ時間もあるし、ゆっくりでも良いから進もう、もしどうしてもダメならヒッチハイクしようと自分を励ます。いつだって自分を奮いおこすのは自分だ。持ってくれよオラの膝…!!

 
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また風の中進み続ける。

今度は地面に転がされないように、低重心で、なおかつ風に対して平行に進む。車通りが少なかったので後ろを気にせず進めたのが良かったです。

 
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そして二つ目のバス停。

転がり込むように中へ入り、お菓子をバリバリ食べる。ほんと、このバス停無かったら休憩もろくに出来ないし大変でした。このバス停までは三時間押し続け、それでようやく13キロほど。

 

地図を見ると、もう10キロ先にまたバス停があり、そこから南へと曲がっていくことが分かりました。とりあえず、もう10キロ進めば何とかなるかもしれない…!

 

そうして3度目のチャレンジ。

ぶっちゃけここまでくると風の対処が分かってきて、自転車にも乗れるレベルになってきました。勿論登りは押すけど、最初よりは格段に早くなり、案外一時間ほどでクリア。

 
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やっぱりバス停はこの形をしていた。安心と信頼ですね。

 

そしてここからは僕のターン!!西に進んで向かい風だったのが南に方向転換する事で横風となる。横風はそれはそれで走りにくいけど、向かい風に比べたら断然進むし、何より自転車には乗れる。今までの分を取り返すように走り続け、夕方にはフェリー乗り場へ!!

 
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ここで僕にとっては初めての大西洋とのご対面。特に感動はしないけど、ここまで来たんだなぁとじんわり感じるものはありました。

 
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てっきりこの風の影響でフェリーは欠航していると思ってたんですが、流石パタゴニアの大地を結ぶ船、波を乗り越えて元気に運行していました。着いたのも束の間、そのままフェリーに乗って対岸へ。ちなみにチャリダーは無料みたいです。

 
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30分後、対岸のフェリー付き場に。ここはもう南米大陸ではなく、最終ステージのフエゴ島

ウシュアイアはこのフエゴ島の南端にあるので、正確にいえば"大陸"の最南端ではないんですよね。まぁどうでも良いんですが。

 
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今日は疲れたのでそのままフェリー付き場近くのインフォメーションセンター脇にテントを貼らせてもらうことに。このインフォメーション、トイレ、wifiに加え僕は使っていませんがシャワーも付いている完璧仕様。営業時間も8:00〜21:00と丁度良い。となりに商店もあり、余ったチリパソを使い切ることもできました。

 

なんだか疲れた1日でしたが、達成感があります。僕はパタゴニアの風に立ち向かったのだ!半分以上自転車押してたけど……

 

走行距離55キロ

合計距離11980キロ

 

day.225 チリの素敵なおもてなし

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Rio Gallegos - Gendarmeria

 

【本日のキャンプ場へのクレームのコーナー】

全く酷い目にあった。

キャンプ場にサッカー場や遊具が併設されてるのは良いとして、テントサイトの横にダンスクラブを建てるのは流石に頭悪すぎないですか!

 

お陰で朝5時までドゥン♪ドゥン♪と軽快な音楽と人々の嬉々とした声が僕のテントの中に響き渡っていました。いやいやいや立地ミスでしょ!ドゥン♪ドゥン♪じゃねーよと。あれか、キャンプしながら踊りたくなったら踊れますよ的なアレなのか、いやでも朝5時までは暴力的過ぎるでしょう。

まぁ要するに寝れませんでした。無理っすよ無理!たまに酔った客がテントに体当たりしてくるし。

以上、不平不満のコーナーでした。

 

 

そんな夜を過ごし、今日はどうするかな〜と思って天気予報を調べると、今日は一日中雨。

寝不足で眠いし、雨ならホテルに逃げ込んで惰眠を貪ってやろうと心に決め…かけた。決めかけて、明日の天気を見ると晴れ。そして、なんと風速50km/hの向かい風…!

まじすか。

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今日は追い風気味の風が吹いており、雨を我慢すればアルゼンチンとチリの国境を越える事ができそう。

逆に、今日惰眠して明日走ると、天気は良いけど暴風に真っ向から立ち向かわなくてはなりません。

 

正直なところ、眠いしYouTube見たいしゴロゴロしたいし雨の中走りたくないし一日くらい休んだって日程的には問題ないし…

走る気は全くなかったんですが、雨予報の雨がいつまで経っても降って来ず、追い風があるなら走れる内に走った方が良いぞ…と頭の中の意識高い僕にそそのかされ…

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結局走ります。ええ、走りますとも!!走ればいいんでしょ走れば!!

 

こういう時昔の僕なら絶対走らなかっただろうなぁと思います。面倒くさい性格になったものです。

 

リオガジェゴス からは南西にまっすぐ進む道。一旦チリに入国してフェリーに乗り、最終ステージのフエゴ島へ渡ります。

国境までは70キロ、国境からフェリー乗り場までは50キロほど。この追い風ならフェリー乗り場まで行けちゃうんじゃないかとワクワクしていたのもつかの間、大粒の雨が降ってきた。

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気分が一気に萎える。

さっきまでは霧雨といった具合で雨具が濡れるのと乾くのが拮抗しており中まで染みてくることはなかったんですが、大粒となるとどんどん沁みてくる。しかも雨が降り出すと同時に風向きが変わり、強い横風となって走行を阻んできます。

 

だから走るの嫌だったんだ…!!と思うけど、アルゼンチンには休憩場所やバス停のようなシェルターは基本的にありません。

雨と風が牙を剥いていても、今更僕には逃げ場所はどこにもなくただただもがき続けるしか方法はないのです。

 

手足の感覚が消え、歯をガチガチ鳴らし、背筋に寒いものを感じ始めた頃、ようやく国境へ。

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この頃には雨と風は勢いを増し、と化していた。結果、僕は三時間半ノンストップで走り続け、服はずぶ濡れ、荷物は泥だらけ、寒さで顔面蒼白、我ながら酷い格好でした。

 

チリに陸路で入国するには厳しい荷物チェックを受ける必要があり、基本的に自転車から荷物を全て外し、X線を通さなくてはなりません。そして食べ物(主に野菜や果物、種子類)を検査し、審査に引っかかるものがあればその場で没収されます。これが、食べることが命のチャリダーにとってはなかなか厳しいものです。

 

しかし、ここで奇跡が起きた。

僕の悲惨な格好を見かねてか、事務員の人が暖かい紅茶とお菓子を用意してくれたのです。

その時僕は文字が書けないほど手が震えており、本当に体に沁みました。

 

そして荷物検査をしようとしたところ、

『君の荷物はキャンプ道具だけだよな?』

『あ、いえ、ここに食べ物が入って…』

『いや、君の荷物はキャンプだけなはずだ。つまりスキャンする必要はない、そうだよな?』

『……ウス。』

と荷物は全部お咎めなしにされ、寒いだろうから、とヒーターのある部屋に通され、更にはお腹が減ってるだろうから、とご飯まで頂くことに…!何ですかこの待遇は……!

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しかも、降り止まない雨に対し、『フェリーも出ないだろうから今日はここに泊まっていきな!』と有り難いお言葉まで。

 

そして僕の入国手続きをしてくれた係員の人も来て、『お前ここに泊まるのか!雨で大変だったな!これでも食って元気出せ!』とお菓子を置いていく始末。

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久々にうるっと来ました。齢23歳、心に沁みました。泣かせてくれるじゃない…!!

 

何て言うか、本当にありがとうしか言えないのがもどかしい。スペイン語がもっとできれば上手く伝えることが出来るのだろうけど、ありがとうを何かで伝えることができれば…!

 

そう考えて折り紙の手裏剣をあげたら、思いのほか喜んでくれてよかった。チリでもナルトは有名なんですね。

 

 

自転車旅をしているとこういう風に人に良くしてもらうことが少なからずあります。食べ物を頂いたり、泊めてもらったり、詳しい情報をもらったり…そんな彼らの"おもてなし"に対し、常に謙虚でなくてはなりません。

 

優しさを受け取りはするけど、それに甘んじて人に期待したり、施しを受けて当然のように考えてはいけない。

 

僕はこれまで色んな人々から優しさをいただいてきたけど、その度にしっかりとお礼を言えているだろうか。毎度どうもーとそれが当たり前のようになっていないだろうか。旅の武勇伝のように考えてはいないだろうか。

 

今までも受けてきたおもてなしに対し、こういった機会にもう一度振り返って自分自身を諌めてみようと思います。

いやー、それでも言いたい。ありがとう!ビバチリ!!

 

走行距離70キロ

合計距離11925キロ

day.224 360°何もない世界

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- Rio Gallegos 

 
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ふと光につられて起きると、昨日は雲に隠れていた夕日が朝陽となって登っていました。昨日は夕方からテントにこもっていたので気がつけば暗くなっていて、そして気づけば寝ていました。

 
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朝日に照らされながら朝ごはんの準備をする。

そういえば、テントの前室でご飯を作ることが多くなりました。これは風を避けるためという意味もありますし、単に気温が下がって外で作りたくなくなってきたというのもあります。冬が近づいてきている。

 

太陽が出れば半袖短パンで走れるんですが、少しでも隠れると雨具の下にセーターを着ないと寒く感じるほどに。

あぁ、ほんとうに季節が変わってきているんですね…

 

走っていると、ふとあることに気がつきました。

あれ……前を見ても、後ろを見ても何もない…

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見渡す限り草原が広がるのみで、その他には人も建物もない。

風もないので自転車を止めるとシーーーーーーン………と静寂が辺りを包む。

 
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まるで世界に自分一人だけがいるような、人類が滅亡した後自分だけが生き残ったかのような、そんな世界。こんなところ、宝石の道以外無いと思っていたのだけれど。

 

このご時世、人を感じることのない場所のほうが、希少であると思う。どんな所も開発が進み、建物が立ち、そして人の居住区となる。人が住めば更に人がやってきて、いつのまに集落から村へ、村から街へどんどん大きくなっていき、しまいには最初の頃の面影は失われていく。

 

ここはそんな世界に数少ない大自然の"安全区"であるわけです。何もないからこそ、素晴らしい。

 

まぁそんな静寂も五分と持たずに後ろから来たトラックに破られたんですが。というかこんな所で黄昏てる場合ではない。またせっせと自転車をこぎ始めました。

 
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リオガジェゴス まで30キロを切ると、道路灯が出てきて、建物も増え始める。なんだか日本の高速道路みたいだと苦笑いしていたら、看板にウシュアイア の文字が!

 
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ようやくここまで来たんだなぁ、とじんわりする。ここまで長かった…先もまだあるけど…

 

リオガジェゴス はかなり大きな街で、超大型スーパーが500m間隔で立っているほど。久しぶりにwifiとシャワーを使いたかったので、今日は街の中のキャンプ場へ。

 
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このキャンプ場がなかなかハイテクで、施設の中にどでかい遊具やサッカー場まである。

 

勿論キャンプもできて、トイレは中にヒーターもありポカポカ。なんとトイレットペーパーも完備!素晴らしい!!

今夜は快適な夜を過ごせそうです。

 

走行距離80キロ

合計距離11855キロ