Checacupe - Santa Rosa
クスコからボリビアのラパスに向かうには、標高4300mの峠を越えなくてはなりません。
クスコの時点で3400mあるのですが、高山帯での峠超えがこれほどきついとは…身をもって標高の恐ろしさを知りました。
起きた時から憂鬱な気分。
今日は峠越えか…しかも雨が降りそうな雲がもくもくしており、宿から出たくない。。。
とは言っても出るんですが。10ソルと安かったんですが、wifiやシャワーはないですし。
ペルーの道は思ってたより整備されていて、斜度もとても緩い。ゆっくりでも走っていればいつのまにか富士山と同じ高さにいる、という事があります。
しかし、4000mを越えた辺りから異変が始まりました。
まず、息切れが激しい。平坦路なのに、息がすぐ切れて立ち止まらないと辛くなるレベル。
それに、手が震え始める。寒さのせいもあったんですが、力が入らなくなったり、感触が無くなったり。
最後は頭がぼーっとしてくる。最終的にこれは寧ろ夢想状態で走れたので楽だったのですが、視界がボヤッとする中車がビュンビュン隣を通過していくのでなかなか危険でした。
どうやらまだまだ高度順応できていなかったようです。しかも、遂に雨まで降ってくるし。
一番辛かった峠超えは?と聞かれたらあの三日間続いたメキシコの山越えですが、単純な登りならここが圧倒的一番でした。
何でこんな事をしているのか、自分でも全く分かりません。雨のせいもありクスコからプーノまでバス使おうかと悩んだときもありました。
でも、とある旅行者に『自転車で周ってるんです。』と言ったら、『贅沢だねぇ』と返ってきたことを思い出しました。
今まで散々、『大変だね』や『若いうちしかできないね』と言われ続けてきて、そう言われたのは初めての答えだったのです。
思えば、自転車を携えてここにいれるというのがまず贅沢。怪我もなく、走れる状態にあることも十分贅沢。
それに、この辛さは経験。
渇きは心の潤い。
息苦しさは成長。
今感じてる全ての苦しみは、自転車でしか味わえない"宝物"なんじゃないかと感じました。
ひとこぎひとこぎに呼吸を合わせ、1m、また1mと少しずつ標高を上げていく。前に学んだ『顔を上げて進み続けること』だけを意識して、決して立ち止まらないようゆっくり、そして確実に登っていき…
ようやく昼過ぎに頂上に着きました。
あぁ、くたびれた。。。
達成感より『疲れた』という感想が一番ですが、まだ乗って2日目のチャリで超えられたことは自信に繋がる気がします!
雨は頂上でも降り続いていたんですが、少し下ると止み、次第には晴れ始めました。
雨が止んだ後の晴れ間って何でこんなに綺麗なんでしょうか。。お昼ご飯食べながらしばらく眺めてました。
そのまま下り、今日はサンタローサの街で宿を見つけました。10ソル(350円)。この値段で雨風凌げてベッドで寝れて、電源もあるなんて贅沢です。
しばらくベッドで横になって動けませんでした。この標高帯だと、100キロ走るだけで平地で200キロ走るくらい疲労がたまる気がするなぁ。。。
あと1ヶ月は3000m以下に下れませんが、終わった時肺活量だけはオリンピック選手並みになれるんじゃないかと密かに期待しています!!
走行距離110キロ
合計距離8945キロ