飯とカメラとアウトドア 

家にいるとソワソワする。外に出ると家が恋しくなる。何をしていても落ち着かない、社会人のブログ。

熊野古道の歩き方

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個人的に忙しい時期が重なり、1週間ほど何も更新できない日々でした。今は長野に戻り、少し落ち着いた生活をしています。

 

まさか引越しのために大阪と長野を2往復するのは思いませんでした笑 このシーズンはやはりどの引っ越し屋さんでも高くついてしまうので、出来るだけ早めに予約するのが必要ですね。

 

そんなことがありつつ、忘れないうちに熊野古道についてまとめておこうと思います。もしこれから行く人がいれば、参考になりますように。

 

ルート

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全てのルートを合わせると1000kmを超えるという熊野古道を全て歩くのは難しいので、日程や行きたいところに合わせていくのがおすすめです。

 

大きく分けると、

・山の中を歩いていく中辺路

・海沿いを歩く大辺路

・高尾山に向かって登っていく険しい小辺路

・中辺路から三重の海沿いを歩く伊勢路

に分かれます。

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僕は今回中辺路と伊勢路の一部を歩きましたが、おすすめはやはり中辺路です。

 

真っ直ぐに伸びる杉の木と神社のコンビが美しすぎます。

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情報が多いのと、道も整備されているので一番歩きやすく、アクセスも良いと思います。

バスを使えば土日で行き帰りも可能なので、ぜひ初めての方には行ってもらいたいな。

 

アクセス

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基本的には大阪や三重、和歌山までバス、飛行機、電車で行って、そこから路線バスで各ルートの起点に向かうことが多いと思います。

 

路線バスは便は少ないものの、かなり熊野古道に沿って張り巡らされているので、時間がない場合はある程度バスで進んだり、きついところだけをスキップするのもアリだと思います。

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1日に四本しか来ないところとかもあるので時間には注意しましょう。

 

僕は

長野→大阪(高速バス)

大阪→紀伊田辺(電車)

紀伊田辺→滝尻王子(路線バス)

 

道の駅くまの→新宮大社(舟下り)

 

新宮市→熊野市(電車)

 

熊野市→尾鷲駅(電車)

 

尾鷲駅→伊勢市(電車)

 

で移動しました。今考えるとかなりの区間歩いていないな……

 

宿

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熊野古道世界遺産なので、基本的に野宿はアウトです。例外的な状況も含めるとかなりグレーゾーンですが、少なくとも大っぴらにテントを広げることは難しいです。

 

幸い10km間隔くらいで町はあるので、半日歩ければ宿にたどり着くことはできます。

 

値段は大体3000円〜5000円ほど。宿によりますが、キッチンがついているところは少なく、宿にご飯コースが付いていることが多いので、自炊したい人はコンロやバーナーがあると便利です。

 

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ハイシーズンだとかなり混み合うことが予想できるので予約していくことがおすすめです。

 

僕はairbnbとbooking.comと予約しましたが、場所によっては電話予約のみのところもありました。山奥では電話もつながらない場所があるので、やはり早めに予約しておくのが吉ですね。

 

 

服装

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僕が行った3/4〜10の間は最高気温18度、最低気温2度ほどでした。夜はやはり山なのでかなり冷えます。

 

日中は長袖の上下インナーに半袖短パンの格好でちょうど良かったです。

風があるときはそれ+ゴアテックスのジャケットを着るくらいでした。

 

夜は割と冷えるので、ヒートテックを着た上に長袖長ズボンを着る感じですね。

 

晴れたときなんかは半袖短パンでいた時もありましたが、関西にしては少し寒い寄りで服装を考えると良いと思います。
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お金

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大体1週間いて、全部宿泊、昼ごはん以外は自炊で過ごしたところ、

およそ50000円弱ほどかかりました。

 

テント泊できればもう少し抑えられたかもしれませんが、大体このくらいかかるのではないでしょうか。1万五千円ほど交通費でかかっているので、1日あたりは5000円ほどでしょうか。

 

スタイルにもよりますが、そこまで物価が高いとかは感じませんでしたね。

 

 

持ち物

 

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・下着 ×2

ヒートテック上下 ×1

・靴下 ×2

・半袖 ×2

・短パン ×1

・長ズボン ×1

ゴアテックス上下 ×1

・ガスバーナー

・コッヘル ×2

・洗面用具

・充電機系(モバイルバッテリー等)

・ミラーレス一眼

・三脚

・GoPro

 

・食糧(チョコレート、クッキー等の行動食+パスタやラーメン等の昼ごはん)

・水700ml

 

基本的に

2日分の歩く服を交互に着回している感じで、荷物は極力減らしていきました。

 

ガスバーナーは宿にキッチンが付いていないことが多かったので割と使う機会はありました。道中の昼ご飯時にも温かいコーヒーや食事を取ることができるので、余裕があればもっていくといいと思います。

 

食料は昼ごはんと行動食くらい。宿に泊まるので朝晩は宿で作っていました。思いの外水を補給できるところが少ないので、夏場は1.5Lほど水分をもっていくといいと思います。小川はあるのでグレイル等の浄水器もあれば便利だと思います。

 

 

 

これ以上書くと少し長くなるので、続きは明日にしようかな。もし必要な情報が有れば言ってもらえれば書きますので、コメントください。

 

今日はここまで。

アディオス!!\( ˆoˆ )/

 

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●ライター:やしまる

理系大学院生、来年3月から大阪に引っ越しします。

大学3年生の夏休みに自転車で日本を縦断、その後大阪-長野間ブルベやバリ島一周を経て、大学院1年時に休学し自転車でアメリカ大陸を縦断。その後アイスランドを経て10カ国約16000kmを走り、帰国後は報告会や展示会を開催し、主に自転車旅で得た経験を伝達しています。プリンづくりが好き。

Contact

Twitter : remaker314

instagram: kenyaaaaaaaa8

●Mail: kenya8bycycle@gmail.com

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熊野古道 *7 最後のお伊勢参り

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昨日はかなり強い雨が降ったため一日中宿でライターのバイトをしていた。

今までは雨だとやる事がなくて大人しくYouTube見てるくらいしか出来ないことがリモートでもできる仕事があると、こういう時の時間をうまく使えることに気づいた。

 

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今日は最後のお伊勢参り伊勢神宮に行く。

1週間前に中辺路の滝尻王子を出発し、長い長い熊野古道もここ伊勢神宮を巡ることで終了する。

 

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朝のピリッとした少し緊張感の漂うおかげ横丁を通って神社を目指す。普段であれば観光客で賑わいを見せる通りも、朝は閑散としており少し寂しい雰囲気が流れている。

 

トコトコ歩くこと5分、伊勢神宮前の大鳥居に到着。人がいなくて寂しげな雰囲気は、神社の中では厳かな気配へと変わった。
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今日も鳥居が美しい。ここ1週間で何度も見たけど、なぜ鳥居はここまでカッコよく見えるのだろうか。なにか形に黄金比率でもあるのだろうか。


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鳥居だけでなく、境内には樹齢800年を超える杉が生えている。人工物である鳥居に対して、こちらは自然の生み出したものであり、その迫力は到底人力では到達できない域にいるのではないだろうか。
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思えば人力で旅をすればするほど、自然の脅威や美しさに圧倒されることが増えた。

自分の足で動くからこそ、自分の力の限界をよく思い知る。それは悔しくもあり、己の力が小さいからこそ、人や動物と共存していくことの大切さに気づく良い機会となる。

 

今回はこれまでとは違い、自転車を置いて歩きでの旅となったが、その分これまで知らなかったことにたくさん気づくことができた。

 

大きな点では二つ。

一つは徒歩のスピード感。

 

車や電車に比べて自転車はとても移動時間が遅い。そのため、進める距離は少なくなるが、その分ゆっくり見て考えることができる。

 

徒歩は自転車よりも遅い。

自転車が平均18キロとかで走るのに対し、徒歩は時速3〜4キロほど。

僕は行くまでは、到底この5分の1の速度では遅すぎて退屈してしまうのではないかと感じていた。

 

実際は別だった。

自転車でもかなり普段より多くのものを見られると思っていたが、徒歩だとさらに見えるものが細分化される。

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例えば自転車では『あの木、綺麗だな』と感じるものが、

 

徒歩だと『あの木は葉っぱが広葉樹で太陽の光が十分に当たって緑色が映えていて、影になる幹とのコントラストがはっきりするから綺麗に見えるんだな』

というように細かく見ていくことができる。

 

一歩一歩進むので、葉の葉脈まで眺めることができるし、砂の一粒まで拾うこともできる。

もちろん、徒歩なのでバスや電車で自由に動くこともできるため、自転車が一定の速度で進んでいくのに対して、緩急をつけて縦横無尽に進めるのもメリットだと思う。

 

 

二つ目は感謝の深層化である。

 

考えの細分化に似ているのだけど、徒歩では荷物を全て背負う必要がある。そのため、多くの水や食料は積めないので、頻繁に買い物をしたり、レストランに行く必要がある。

 

自転車であれば1週間分の食べ物と水を買っておけば問題ないし、自転車のスピードであれば1日中走っていて補給がない、というところも日本ではほとんどないだろう。

 

今回歩いた和歌山の山奥では電波も繋がらず、水飲み場も少ない箇所は多くあった。そんな時に食事ができるレストランがあるというのはそれだけで非常にありがたい存在である。さらに言えばホテルやバス、電車等の公共交通機関がなければ、非常にハードな旅になったはず。

 

今回はコロナウイルスの影響で観光業は大きく打撃を受けたはずだが、そんな中営業してくれている彼らには尊敬の念しかない。

 

また、人力で旅をしていると、『自分の力のみで動いている』一種の自惚れのようなものが湧いてくる。頑張っている分、よくしてもらって当然、のようなものだ。

 

熊野古道自体、ワイルドな自然というより管理された山であるため、歩いている時も歩かさせてもらっている、いう気持ちが強く現れる。綺麗に剪定、間引きされた杉の木、整備されたルート、サポートしてくれる地域の人々…多くの人が僕の今回の旅を縁の下で支えてくれていたはず。

 

いままでは結果に対してのみ感謝することが多かったけど、これからは見えない部分にも感謝できるようになるといいな。


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伊勢神宮でお参りした後、なぜか体が軽くなった気がした。ずっと歩いてきて足も腕ももうパンパンなのに。今まで背負ってきた余計なものがスッと塵になって消えたかのような、そんな清々しい気分。

 

 

まだまだ歩いていない部分もあるため、また歩いてみたい。今度はもっと身軽な装備で、さらに今回よりもゆっくりと歩いてみたいものです。

 


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熊野古道 *6 馬と象の背を超えて

 

 

雨で停滞した昨日とは異なり、今朝は朝から曇りのない晴れ模様。海の近くに泊まっていたため、せっかくのなので早起きして朝日を眺めることに。

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ホテルから出てみると、黒い海岸線から絵具が染み出すように、じわじわとオレンジ色が空に広がり始めていた。朝日の見える時間に起きたのなんていつぶりだろう。昨日しっかり休んだ分、軽い足取りで『鬼ヶ城』へとむかう。

 

 

鬼ヶ城とは、熊野市の北の海岸線1キロに渡って広がっている、隆起と波と風の浸食作用によって生み出された奇岩地域の名称。

 

大地と海と空の影響で削られてできたその景観はまさに自然の芸術と言えるだけの迫力がある。もしかしたら、本当にここには鬼が住んでいるのかもしれない。
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こんなに贅沢な朝日を見れたのは本当にいつぶりだろう……


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とりあえず寒いので、コーヒーを淹れるところから1日は始まる。

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光の当たり具合で岩の質感がかなり変わる。太陽が完全に登ったあと、初めてその雄々しい全貌が明らかになった。
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その後電車に乗り、尾鷲市へ。

本当は伊勢路の全てを歩いてみたいのだけど、それをするには時間も体力も足りなさすぎる。

今回はその伊勢路の中でも一番有名な『馬越峠』を歩いてハイライトとすることに。


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駅を降りると、いかにも普通の街が広がっている。歩いてる人も、観光地らしく旅行者ばかりというわけでもなく、地元の人が普段通りの会話を楽しんでいる様子だ。

そんな全く変わりのない普通の街並みの中の隙間を縫うように、熊野古道はある。


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ふと道に入っただけでさっきまで歩いていた尾鷲市の景色と雰囲気が変わり、今でも江戸時代から続く巡礼の気を感じる事ができる。


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馬越峠自体は300m程の峠で、路面状況はそこまで良くないものの、中辺路を歩いてきた人にとってはウォーミングアップくらいの難易度なはず。

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木々から差し込む光が今日も美しい。

 

そして峠の頂上から尾根線上に西に進むと急登が現れる。この日は気温が高く、三月初めといえど半袖短パンで登れるほどに暑く、汗をポタポタと垂らしながら、一段ずつ階段を上がっていく。

ふと後ろを見ると、先ほどまで自分がいた街が見えた。


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そして馬越峠から歩くこと1時間半、遂に頂上が現れた。

先ほどまでの鬱蒼とした森が突如晴れ、白い一枚岩がまるで展望台のように山からせり出している。

これが有名な便石山の『象の背』だ。


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岩の上に乗ってみると、足が少し強張ってしまうほどの高度感を感じる。

自分が降りた駅もしっかり眼下に見下ろせ、ここまで登ってこれたことへの達成感がじわじわと心を満たしてくれる。

 

 

 

 

 

ふと立ち上がってみると、海からのふわりとした清々しい風が肌に触れていく。その風が先ほどまでの暖まった自分の体をスーッと冷やしてくれて非常に気持ちが良い。


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この紀伊半島とは、アクセスも悪く目立った観光地もないため、あまり認知していなかった。しかしいざ登ってみれば、そのリアス式の海岸と山の新緑のコントラストが非常に美しい。僕の住んでいる長野も美しいけど、ここも同じくらい綺麗だ。

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まだ日本にもこんなところがあるとはね。

やっぱり、僕が見るべきものはまだまだたくさんありそう。晴れた空と綺麗な景色を見せてくれた便石山に感謝しながら山を降りる。

 

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ちなみに、この便石山から降りるルートは非常にタフなルートで登りと同じくらい時間がかかる。ふもとのキャンプ場にたどり着く頃には膝はガクガクになっており、伊勢路の侮れなさを物語っていた。やはり僕はまだまだ自力で動いていく必要がありそうだ…
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電車を乗り継ぎ、伊勢路の最終目的地、伊勢神宮の近くでご飯を食べる。チャーハンとラーメンというデブまっしぐらの高カロリー食事ですが、この時ばかりは罪悪感を感じずに食べる事ができた。
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ご馳走様でした。

 

今日はここまで。

アディオス!!\( ˆoˆ )/

 

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●ライター:やしまる

理系大学院生、来年3月から大阪に引っ越しします。

大学3年生の夏休みに自転車で日本を縦断、その後大阪-長野間ブルベやバリ島一周を経て、大学院1年時に休学し自転車でアメリカ大陸を縦断。その後アイスランドを経て10カ国約16000kmを走り、帰国後は報告会や展示会を開催し、主に自転車旅で得た経験を伝達しています。プリンづくりが好き。

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Twitter : remaker314

instagram: kenyaaaaaaaa8

●Mail: kenya8bycycle@gmail.com

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熊野古道 *5 観光地と巡礼地

 

本日は停滞日。

 

朝から雨予報があり、一日中降るということなので頃合いを見計らって宿を出発し、電車で足を進めることとした。

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降りたのは熊野市。

風と雨で荒れ狂う日本海のように波が立っている.

 

珍しい形の奇岩が観れるとのことで海沿いを歩いていると、それっぽい岩を発見。

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どんな名前だと思います?

 

 

獅子岩という割と他にもありそうな名前でした。

ただし,あんな形になるということはそれだけこの土地の火山活動が盛んということか,風化が進むほど風が吹くのか.それとも昔はあそこまで海岸線が上だったのか.詳しいことはわからないけど,この土地に眠る静かなエネルギーを感じた.

 

その後宿へ。

宿へ向かう間も、街に人は少なく、すれ違う人もほとんどいない。

日曜日だというのに商店街はシャッターが降り、閑散とした姿はまるでバイオハザードに襲われたラクーンシティを彷彿させる。

 

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ウイルスという点では同じかもしれない。

 

コロナウイルスの猛威によってここ熊野古道も大打撃を受けており、巡礼者が減ったことにより観光業もかなり厳しい状況だそうだ。

 

特に宿に泊まるたびオーナーに話を聞くと、ここ一ヶ月でどこも100人単位でキャンセルが相次いでいるという。

 

そのおかげで僕はなんの心配もなく宿をほぼ貸し切りの状態で使えるので助かっているんですが、ここまでくると申し訳ない気持ちも生まれてくる。

 

どの場所も、人による影響を受けずにはいられない。

 

今回のように人が少なすぎて打撃を受けるところもあれば、アイスランドのように観光客が増えすぎて環境が破壊されるパターンもある。

 

観光客というのは減りすぎても増えすぎても良くない、という点では観光業の大変さを思い知った。

 

そんなところで僕ができることは二つ。

一つは極力注意しながら周り、発信をすること。

そしてもう一つはお金を落とすこと。

 

なので今日も微力ながら貢献しようとお酒を買っています。

 

 

 

この日は天気が良くなかったけど、明日からは晴れそう、ということで色々と観て回ろうと思っています。

歩き旅のメリットはバスに電車に縦横無尽に動けるところなので、色々使ってみようかなと!お楽しみに!

 

今日はここまで。

アディオス!!\( ˆoˆ )/

 

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●ライター:やしまる

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熊野古道 *4 悠久の流れに身を任せて

昨日の夜は本宮大社からバスに乗って山の中に履いていったところにある,川湯温泉の古民家に宿泊した.

 

この川湯温泉という場所はその名の通り,川の近くの地面を掘ると温泉が出るというところ.

 

かすかにエメラルドグリーンに見える水のすぐ近くの地面からは温泉のモクモクとした蒸気が発生しており,朝日に照らされて幻想的な雰囲気を醸し出している.

 

 

ちなみに,この日は朝6時50分のバスに乗り本宮大社に戻る予定だったのだが,見事に寝坊したため徒歩で向かっている.

 

朝からこの景色の中歩くのはそれはそれで悪くはない.

大きな杉の木の中を小人になった気持ちで通っていくと,ひときわ大きい鳥居が現れる.

 

かつて本宮大社が位置していた,大斎原です.

 

上を見上げなくてはならない鳥居はここが初めてかもしれない.

 

日本でも最も大きい鳥居らしく,ほかに有った建物は全て洪水の際に流されてしまったそう.

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残った鳥居だけがひとりぽつんとたたずんでいる様子だが、決してさびれた雰囲気はなく堂々とした姿からはどこか孤高の美しさを感じる

 

 

そこから道の駅熊野川までバスで向かい,舟下り体験をすることにした.歩いてめぐるのも良いけど,連日の歩きで足の筋肉痛がかなりきいているため,たまにはゆっくりと自然の流れに身を任せることに.

 

 

船頭さんとガイドの方がいろいろと解説してくれる中,1万4000年前から残っているという熊野川の景色を眺めていく.

この川から見る景色というのも,普段の視点よりぐっと低い位置になるので新しい気づきが出てくる.

 

ガイドのおばちゃん曰く、その日の天気やその年の気候、災害によって刻一刻と景観は変化しているらしい。

同じ景色はないので、なぜそう変化したのかを考えると、どのような時代を過ごしてきたのかが分かるのだという。

 

川の横の断崖絶壁を見る限り、おそらく長い年月の中で幾度となく災害に見舞われたのだと思う。

それでも、人は熊野の道を歩くことを辞めなかった。

世界遺産に登録されている所以は、過去の人たちの絶え間ない努力と信仰によるものだと感じた。

 

 

2時間ほど船に揺られると、新宮市に到着した。速玉神社の鮮やかな色に出迎えられ、中辺路の終了となる。

厳密にいうと、中辺路はここからさらに南の那智大社のほうに向かう必要があるのだけど、今回は天気の関係で止めることにした。

まあ次来るときの楽しみということで、これからは北に向かい、伊勢路と呼ばれる海沿いの道を行く。

 

 

伊勢路の始まりとして、上倉神社にも寄った。これまでの山の中の道と違い、海の青と森の緑のコントラストが美しい。

ここからはまた異なる景色を楽しめそうです。

 

夕食にはビーフシチューを作った。チリにいたときによく作っていたもので、食べるとなんだか旅をしていた時のことを思い出す。まあ赤ワインは日本製だしなんならビーフじゃなくてポーク使ってるんですけどね…

 

今日はここまで。

アディオス!!\( ˆoˆ )/

 

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●ライター:やしまる

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熊野古道 *3 祈りの道を

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朝六時に目を覚まして外に出てみると,黒かった空がだんだん灰色になり,太陽が出てくるにつれて青色に変わっていくのが分かった.今日は晴れそう.

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と感慨にふけりたいのだけど,とても寒い.ここ和歌山県は僕の住む長野からかなり南のほうなのでもっと暖かいと思っていたのだけど,普通に夜は氷点下近くになる.半袖に上着を羽織ればいけるかなと思っていた自分を戒めたい.

 

今日のコースは近露王子~本宮大社までの25キロほど.昨日が14キロで足がガクガクになっていたのを考えると,かなり厳しい道のりになる.そのため朝は早起きして7時半には宿を出発.


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朝陽に照らされて,杉の木が輝いている.

横から光が差し込むので幹の茶色が鮮やかに映り,早朝の誰もいない静寂な林の中を歩けるなんて,なんて贅沢なんでしょう.

 

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そう思いながらトコトコ歩いていると,途中の継桜王子に到着.

ここには樹齢800年の杉が二本生えており,金剛力士像のように鳥居の横に堂々と生えている.その迫力に圧倒されそうになるくらい.

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そして,この木たちはその高さのあまり太陽を遮ってしまうため,次第に枝が太陽の方角により伸びるようになるらしい.そうして南にだけ枝が伸びた「一方杉」がいくつか境内にはあり,その生命力の強さを実感した.

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継桜王子を後にすると,本格的なのぼりが始まる.本日のコースには大きい峠が三つあり,3回とも上って降りてを繰り返すことになる.なんともタフなルートである。

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ちなみに僕のイメージではここ熊野古道はあくまで巡礼道であり,未舗装だとしても石段や木でできた階段等で多少舗装されていると思っていた.ところどころそういう箇所はあるが,実際のところは山道となんら変わりはない.歩くには登山靴にポールを持った,登山スタイルを圧倒的にお勧めしたい.

 

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そんな山あり谷ありのコースだけど,なぜか負の感情が出てこないことに気が付いた.

僕は基本的につらい事や苦しいことは嫌いなので,山登りも実はそんなに好きではない.トレッキングも同様で,疲れるルートをただ歩くだけの日は非常にイライラしてしまう.

 

この日はそんなこともなく,辛いという感情があまり感じなかった.

というより,辛いと感じるより興味の方が勝っていた.この熊野古道は起伏に富む分,景色が目まぐるしく変わる.山を抜けたと思ったら村に入り,村の外にはすぐ山が広がっている.「疲れた~」と感じる前に「あそこを超えたらどうなるんだろう?」という興味関心の方が単純に上回るのだ。


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更には,歩いているとそのスピードで,普段は気づかなかったことに良く気付くようになる.

木を一つ見ても,その剪定具合でどれだけ人の手が入っているかすぐわかるし,道路標識や案内板に至っても迷う要素がないほどに明確に示してくれている.

 

すれ違う村の人達も,オンシーズンには何千人と相手にするだろうに,次の曲がり角や道案内をニコニコしながらしてくれる.

 

ここに訪れた人たちが,安心して,そして快適に周れるように,

 

そしてなるべく自然を傷つけないように厳重に気を使われているのが,痛いほど実感した.

 

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この道は「祈りの道」とも呼ばれるらしい.

 

江戸時代,熊野古道を参拝することは庶民にとってはとても高価で,どの家族も「一生に一度参拝すること」を夢見ていたそうだ.

 

大金がかかるため「伊勢講」という組織を形成し,毎年みんなでお金を出し合って,くじで代表を選び,交代でお参りしたのだという.

 

どれだけの人数の人が祈りながらこの道を歩いたのだろう.

 

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25キロの道を歩き終わり,本宮大社に着くころには日も傾きかかっていた.

 

満身創痍の状態で神社の前に立ち,2礼をし,2回拍手をする.

そして手を合わせて祈る。

 

普段は「お金が欲しい」とか「成功したい」とか,煩悩まみれの漠然とした神頼みが多いのだけど,

この日出てきた言葉は「ありがとう」でした.

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いつか自分が感謝の気持ちを忘れるようになったら,またここにきっと来たいな.

ぼろぼろの体だけど,ひどく満足感のある道でした.

 

 

 

今日はここまで。

アディオス!!\( ˆoˆ )/

 

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●ライター:やしまる

理系大学院生、来年3月から大阪に引っ越しします。

大学3年生の夏休みに自転車で日本を縦断、その後大阪-長野間ブルベやバリ島一周を経て、大学院1年時に休学し自転車でアメリカ大陸を縦断。その後アイスランドを経て10カ国約16000kmを走り、帰国後は報告会や展示会を開催し、主に自転車旅で得た経験を伝達しています。プリンづくりが好き。

Contact

Twitter : remaker314

instagram: kenyaaaaaaaa8

●Mail: kenya8bycycle@gmail.com

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熊野古道 *2 厳密な管理体制

 

 

思いのほか夜更かししてしまい,起きたのは朝の七時だった.朝のバスは8時発のため急ぐもあえなく時間は過ぎてしまう.そのため一時間後の9時のバスに乗りました.

 

昨夜過ごした田村の宿「ゲストハウスオガワヤ」は素敵なオーナーと物件がとても魅力的だったので,もし行く人がいればのぞいてみてほしい.地域おこしや田村市の魅力についてきっと話してくれます.

 

そのオガワヤの近くに,熊野古道の玄関口と知られる神社があるんですね.時間があったのでそこで旅の安全を祈願し,いざバスに乗り込む.

 

 

紀伊田村駅から世界遺産に登録されている滝尻王子まではだいたい40分ほど.ここから1000年以上前から仏教の聖地として参拝されている熊野古道が始める.

 

神社がすでに神々しい...

何かが出てきてもおかしくないような雰囲気のある祠の横を通りスタートです.

 

始まってすぐに急な斜面が現れる.

世界遺産と名高いだけあってかなり整備されているのかと思いきや,地面から根っこは飛び出すは浮石は多いわでかなりワイルドであることが分かりました.

 

かつては修行の場としても使われていたことがよくわかる道のりです.

ただし,きついだけではなく横にある杉の森がきれいにまっすぐに伸びていて,気分もなぜだかしゃんとなる気がします.どうやら自然に生えているようで,しっかり枝の剪定がされており,地面を見ると細い切り株も多いことから間引きもされている様子.なんだかんだでしっかり管理されている様子がうかがえました.

 

今日のルートは滝尻王子から近露王子までの14キロの道のり.一番アップダウンが多いルートで,久しぶりのトレッキングに足が早くも悲鳴を上げ,宿には五時ころチェックイン.

温泉もあり,スーパーもありでやることは一つ.風呂入ってビール飲む.これだかでなぜか今日が充実したような気分がでるから不思議ですね.

 

 

ちなみに,この熊野古道では参拝者が遭難や野宿をしないように,スタッフの方が巡回しています.僕は今日だけで同じスタッフの方と4回すれ違いました.この意味,分かりますかね...どうやら,厳密に管理されているのは森だけでないのかもしれない.

 

今日はここまで.

アディオス!!\(^o^)/

 

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●ライター:やしまる

理系大学院生、来年3月から大阪に引っ越しします。

大学3年生の夏休みに自転車で日本を縦断、その後大阪-長野間ブルベやバリ島一周を経て、大学院1年時に休学し自転車でアメリカ大陸を縦断。その後アイスランドを経て10カ国約16000kmを走り、帰国後は報告会や展示会を開催し、主に自転車旅で得た経験を伝達しています。プリンづくりが好き。

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